更新日:2020.08.25
文/石山英次 写真/フォードモーター
現時点でのマスタングのラインナップはざっくり以下の通り。
■2.3リッター直4エコブースト
■5リッターV8 GT
<■5リッターV8 ブリット>(限定)
■5.2リッターV8 シェルビーGT350
■5.2リッターV8 スーパーチャージャー シェルビーGT500
で、上記ラインナップの中間にあたる「ブリット」の後継として、2021年に登場するのが「2021年型マスタング マッハ1」である。
フォードマスタングのここ10年ほどの歴史を振り返れば、2012から2013年の5代目マスタングベースの「BOSS 302」、2019から2020年にかけての6代目マスタングベースの「ブリット」といった限定モデルがGTをベースにして販売されているが、2021年には、これまた限定モデルとして「マッハ1」がその座を占めることになる。
フォード曰く「ノーマルマスタング系とシェルビー系との間を埋める存在」ということで、パフォーマンスに関しても「ちょうどそのレベル」が目指されているということなのだろう。
現在販売されているブリットにおいても、「シェルビーまでいくと、ちょっとハード過ぎ」といった方々にうまくハマっているということだが、マッハ1はブリットにおけるパフォーマンスをもう少しサーキットよりに振ったマシンとも言っているから、ブリットよりも走りに振った仕様だと考えられる。
ということで。まずはベースとなるマスタングは現行のブリットだから5リッターV8を搭載する。
だが「GT」の460hpに対して、マッハ1は480hpを発生させる。これはインテークマニホールドやオイルフィルターアダプター、オイルクーラーなどをシェルビーGT350のパーツを使用することで、パフォーマンスと冷却性能を高める等して実現している。
さらに、これに組み合わされるミッションが6速MTと10速AT。6速MTには、マスタングとしては初となるレブマッチ機能が付き、これまたGT350用のオイルクーラーやマスタングGT用のツインプレートクラッチ、ショートストロークのシフトレバー等が採用されたことで、これまで以上に「走り」に対するMT車の性能が上がっている。
くわえて、より剛性の高いステアリングシャフトを使用し、足回りのスプリングやダンパー、電動パワステ、ブレーキ等はGTのハイパフォーマンス仕様のものを採用、同時にリアのサブフレームや各種コントロールアーム類、タイヤはシェルビーGT500用を使用しているから、いわゆるマスタング・ラインナップのいいとこどり車のような体をなしているのがマッハ1である。
さて、こうした土台を覆うボディであるが、基本、空力を徹底的に追求したエアロが全域に採用され、アンダーカバーや大型リアウイングがダウンフォースを増やすとともに、各部の冷却にも寄与しているという。
マッハ1の6速MT車をチョイスすれば、ハンドリングパッケージを装着することが可能になり、それはシェルビーGT350用のそれらと同様のものであり、フロントスプリッター、フロントフェンダーアーチモール、マグネシウム製のガーニーフラップ付きスポイラー、リアのタイヤディフレクターであり、これらを装備するとGT比で150%アップものダウンフォースを実現するそうだ(ノーマルのマッハ1でGT比22%アップという)。
さらに、お決まりの、というわけではないが、グリル内に収まる丸型ライトを思わせる意匠等は、初代マッハ1を想起させ、ボディサイドに貼られるストライプは初代マッハ1へのオマージュという。
マッハ1は、限定モデルということで、今現在その台数等の詳細はないが、2021年春から本国ディーラーに並ぶ予定という。
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