2021年(2020年9月)に登場した5代目新型キャデラックエスカレードは、デザイン、リアサス及びインテリア等の変化や進化をもたらしたが、エンジンに関しては旧モデルを継続使用する。もちろん、水面下で様々な手が加えられているはずだが、スペック上の変化はない。
それには理由があって、要は「必要十分な性能がある」ということなのだろうし、今後の展開として「エスカレードV」と言ったハイパフォーマンスモデルが登場する可能性があり得るということでもあると思うのだが、逆に旧型ベースで考えれば、「エンジンが同じなら旧型でもいい」と思う方がいても不思議では全くない。
しかもデザイン的にも洗練されているし、迫力も圧倒的。新型5代目モデルのデザインテイストは若干変化してしまったが、2代目から4代目まではある意味進化版だっただけに、人気はまだまだ続くはず。
事実、昨年から今年にかけてフルサイズSUVの販売ではキャデラックエスカレードの中古車がダントツの人気である。しかも一昨年までは3代目モデルの販売率が高かったが、昨年は4代目が圧倒的人気であり、今年もまだまだその傾向が強いという。
とはいえ、中古車とはいえ新車価格が1000万円以上もする(1100~1300万円)超高級車である。だから年式が新しい中古車はまだまだ1000万円に近い価格帯の車両が多い反面、4代目デビュー時の2015年車であれば600万円後半から700万円後半程度の車両も存在する。
ということで、まさにその辺の価格帯車両を多く扱うブルートにて4代目エスカレードの特徴について話しを聞いた。
ブルートは、これまでに2代目、3代目&4代目エスカレードを数多く扱っており、また今も人気なハマーH2を扱っているなど、フルサイズSUVに非常に強いショップ。だから4代目の状況にも詳しい。
さらにメンテナンスだけでなく、各車のウイークポイントやトラブルシューティングにも定評があるから、話を聞くにはうってつけの存在である。
まず最初に、この4代目エスカレードの注意ポイントとしては、D車と直輸入車とがかなり混在している珍しい車両であるということ。しかもそれによって、選ぶべき個体がかなり変化するということだから、注意が必要であるという。
「基本的なことですが、程度を重視するか、それとも価格の低さを重視するかで個体の年式や状況は変わってくると思います。
当然、程度を重視すれば高年式のモデルになるはずですし、少しでも安価な個体を探すならデビュー時に近い年式の直輸入車という選択肢になると思います。
実際、初期の4代目モデルには直輸入車が非常に多いです。それは本国での発売から日本での正規輸入が開始されるまでに時差があり、その間に直輸入車の需要が多くあったためだと思われます。
ですが、初期型と言っても2014年後半ですから6年〜7年落ちです。そういう意味では年1万キロ未満の5万キロから6万キロ程度であれば程度が十分に保たれている場合が多いですから、「初期型の直輸入車はダメ」と切り離してしまうのはもったいないです。
逆に知識があれば、お買い得車的な存在を入手することも可能というのが、4代目の初期型の特徴です。
くわえて、初期の個体はミッションが6速ATですから旧3代目モデルからの継続使用となり、パワープラントに目新しさは全くありません。が、実際には個体のトラブルが一番少ない年式ですから、そう言った意味では中古車としては非常に買いやすい年式であるとも言えるのです。
もちろん8速ATもタホ、サバーバン、コルベット等に使用され性能は実証されていますから、トラブルが多いということはありません」
<4代目エスカレード搭載ミッション変遷>
■D車:6速:2015~2016年
■D車:8速:2017~2020年
■直輸入:6速:2015年前半
■直輸入:8速:2015年後半~2017年
■直輸入:10速:2018年~2020年
ちなみに余談だが、4代目エスカレードは、2018年に10速ATを搭載している。もちろん本国仕様の直輸入車は10速ATで持ち込まれているが、国内正規のD車は、8速のままであり、2019年になっても8速のままであったから、高年式の中古車を高値で購入しようとする場合も、8速か10速かで、D車と直輸入車とで迷う必要がでてくるから、これまた注意が必要である。
さて今回取材したエスカレードは2015年型の8速AT搭載車。走行5.4万キロの個体。当時新車で直輸入された個体であり、各部のチェックをすればするほどなかなかの個体だなという思いが強くなる。
確かに中古車として年式や走行距離相応の使用感は見て取れる。が、厳しくチェックすれば、ボディ&足回り&ホイール等が純正状態で保たれているし、各部の可動部分の欠損はどこにもなし、懸案のCUEシステムのタッチパネルも全く問題なく動作している。
くわえてドア周りのレザーやスエードにヤレはほとんどないしで、距離に応じたタイヤや足回り、さらに室内のレザーシート等の使用感以外、不安や不満を感じることがほとんどなかったのである。
聞けば、ブルートは昨年の秋以降車両の仕入れに関してこれまで以上に厳格な自社基準を設け、それに準じた車両を仕入れているという。というのも、中古車の相場価格が異常に高騰し、日本国内での個体の仕入れが難しくなって来たらかという。
「昨年春のコロナ禍以降、日本国内の中古車価格が非常に上がっています。仕入れ段階で前年比の2割程度は余裕で上がっています。
ですが、それらの個体の程度が上がっているわけではありません。単純に国内の個体数が減っているからプライスが上げっているだけの話です。であれば、『自社で基準を設けてアメリカから直輸入しよう』ということも検討し、実際に4台仕入れています」
今回取材した個体のほか、別途4台のエスカレード(4代目)があり、のちにもう1台入庫するというし、3代目も5台在庫しているから、まさにエスカレード・ショップと言っても過言ではない。そうしたある意味専門ショップとして、可能な限り問題なく乗れる状態へと仕上げるのがブルートなのである。
だから今回の個体も、そうした専門店ならではの視点で、走行距離だけにとらわれない個体の素の状態をしっかり確認&把握し在庫車としているだけに、ちゃんと見ればその素性の良さが伝わってくるのである。
しかも、この状態から納車前には当然「仕上げ」が入るということだから、かなりシッカリした状態で乗れるはずである。
ということで、新型エスカレードが登場した2021年ではあるが、今年も4代目エスカレードは注目必至の中古車であり、高額な高年式の中古車以外を求める場合は、シッカリした情報やノウハウを持つ専門的なショップにて話を聞くのが一番の近道であるということは間違いない事実である。
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