TEST RIDE

[試乗記]

98年型は4thカマロ史上唯一の300psオーバー

1998 シボレーカマロ Z28

ルーフの状態もダッシュボードも驚きのコンディション

半信半疑で向かった取材だが、実車に触れてみると驚きが待っていた。過去に4thカマロに乗っていた方なら絶対に驚くであろう個体であった。

更新日:2022.03.07

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

新車当時の4thはかなり良かった

 1998年型の4代目カマロZ28(以下、4th)の取材である。筆者は、その時代のカマロの新車にかなりの数乗っていたし、最終型の2002年型正規ディーラーの広報車にも何度も乗った。

 くわえて当時の編集部にはカマロフリークというかカマロオタクみたいな人間がいたから、よく彼のクルマにも乗っていたのだ。

 そんな筆者からすれば、4thカマロ自体の素性は驚くほどいい、と言える。

 だが当時、アホみたいにカスタマイズしていたカマロを何度も取材していたのだが、そのどれもに「良い」なんて思ったことは一度もなかった。というか、当時の取材対象車がサーキット走行的なチューンに的を絞ったものが多かったから公道で乗っていいとは一度も思えなかったのだ。

 一方で、当時ディーラー広報車に何度も乗っていた経験から、ノーマルだと当時の「V6モデルですら良かった」という記憶が多分にある。

 まあ、V6自体のパワー感はあまりなかったが、それでも独特のスタイルが生み出すアメリカンな雰囲気が十分に感じられていたし、それがV8になると「もっと良い」という評価だった。

 ちなみに4thカマロは、スタイルを楽しみ、所有している生活を楽しみ、休日はデートのアシとしてドライブを楽しむべきクルマであって、購入してすぐにシャコタンにしてマフラーを換え、高速道路をブッ飛ばしたり、サーキットを走ってタイムを競ったりするクルマではないと当時も思っていたし、今でもそう思う。

▲4thカマロは1993年に登場し2002年まで生産され前期型(93年から97年)と後期型(98年から02年)に分かれる。

▲取材個体は98年型だから後期型。リアはマフラーのみ社外品だが、それ以外はフルノーマルを維持。素晴らしい。

市場から消えていた4thカマロ

 だから、今回のようなマフラー以外フルノーマルの24年落ち中古車が見つかったこと自体が奇跡だと思ったが(しかも純正マフラーも保管されており元に戻せるというのだから素晴らしい)、実際には「個体を直接見てみないと何とも言えないな」というのが取材の前の思いだった。

 というのも、もう数年前から「4thは市場から消えた」と言われており、逆にそれよりも年式の古いサードカマロの方がよく見かける、もしくは売れていると言われていたから。

 すなわちサードカマロに人気が集まり、ある種のヒストリックカー的な魅力とともに売れているわけだが、一方で4th自体の話はほとんどなく、逆に「物もない」と言われていただけに、「稀に見つかった個体がそれほど良いはずがない」という思いが同時に巡っていたからである。

 ちなみに、4thカマロは1993年に登場し2002年まで生産される。そしてその後8年間の空白期間があり、2010年に5代目カマロ復活という流れである。

 で、4thには前期型(93年から97年)と後期型(98年から02年)の二つのデザイン変化があり、取材車はマイナーチェンジ後の後期型ということになる。

 搭載されるエンジンは前期型が5.7リッターV8 LT-1エンジンで275ps、トルク44.8kg.mを発生させたが、後期型は5.7リッターV8 LS-1エンジンを搭載し288ps、トルク44.6kg-mを発生させた。

 なお98年型のみ308psを発生させると言われていたが、それは事実である。99年型からマフラー変更により20psディチューンされるということを現場の人間から聞いていたから。

 ということで今回の取材個体は、4thカマロ史上唯一の300ps越えをしていた98年型ということになる。

▲搭載されるエンジンは5.7リッターV8 LS-1。288ps、トルク44.6kg-mを発生させたが、98年型のみ308ps。実はもともと308psであったが、翌年からディチューンされたのだ。

▲新車当時ルーフに気泡が多発しクレームが頻発するという事態があったが、この車両は対象外で今もなおきれいな状態のまま。

▲ダッシュボードが割れるというお約束があるが、この車両はそれも対象外。ダッシュマットで状態を欠かさなかった。

マフラー以外純正を維持

 さて取材車であるが、実走約4万9000キロのホワイトの個体。この時代の4thカマロにはブラック、レッド、ホワイトとボディカラーがあり、レッドとホワイトはルーフがブラックになるというのが特徴だった。

 そのブラックのルーフやピラーの塗装が新車当時から話題になり、とにかく気泡が浮き出てきてクレームが頻発したという話を思い出す。だが、この車両にはそれが当てはまらずめちゃくちゃキレイ。「塗り直したんですか?」と確認したほどだった(この車両は当時からキレイなまま。ある意味超貴重な個体)。

 また、ひび割れたダッシュが当たり前のようになっていたが、この車両にはこれまた当てはまらず、普通にキレイな状態を維持していることにも驚いた。のちに確認したが、ダッシュマットを敷いており、それが日焼けや割れを防いでいたと思われる。

 また、前オーナーが6年間所有しており、その間エイブルがずっと面倒を見てきた車両という。だからマフラーのみの変更で、車高やホイールがノーマルのままである。

 余談だが、エイブルは車両全般において過度なチューンを好まず、クルマの素の状態を楽しむべきというポリシーを持っている。もちろん、ユーザーの好みに応じてカスタマイズ対応を行ってはいるが、それよりもベースが中古車である限りは「まずはなるべく元の状態に戻していくような作業が必要」と説いているという。

 だからか、この4thをまじかで見ると「まさしくエイブルらしい」と思わずにはいられなかった。と同時に「もしかして」という思いも湧き上がってきた。

▲一瞬、車高短かなと思えるくらい低く感じるが、実はノーマル状態。個人的にはこれで十分だと思える。

▲後期型は通称ピーナッツ型のヘッドライトだが、これもよく似合っていると感じる。

▲実際に乗ってエンジンや足回りがいまだ生きていることが実感出来る希有な個体であった。

こんなレベルの個体がまだあるのか

 早速試乗させてもらったのだが、最初のアクセルひと踏みから予想が全てはずれ、結論から言えばビックリするほどの優良個体であった。

 まずエンジンが素晴らしく吹け、ステアリングの感覚にも抜けがなく、ショックのダンピングも生きており、さらに右に左にとステアリングを振ってもパワステの感覚と人間の意識とクルマの動きにズレが全くない。エイブルでずっとメンテナンスされてきたというだけあって足回りやステアリングリンケージ系のメンテにも抜かりがないのだろう。

 またブレーキの感覚は感涙もので、「当時もこんなによく止まったか?」というくらいに微調整が可能で気持ち良く制動させるから、90年代のアメ車という感覚すらなくなってしまうほどだった。

 エンジンも迫力のV8サウンドを伴って気持ち良く、実際のパワー感もかなりあるから、90年代マシンと思えば十分に満足できるだろう。というか、当時比で低く見積もっても7割以上のレベルでコンディションが保たれていると思う。

 一方室内は、確かに24年前の車両というだけあってヤレはある。主にステアリング周りやフロントレザーシートには深くシワが刻み込まれている。

 が、それはビンテージカーを起こしような劣化とは異なり、使い込まれた味わいでもあり、各部をチェックして、また走行距離やボディ外版の状態を加味した上で判断すれば、それらのヤレがさほど嫌なものではないということが理解できるだろう(リアウインドーに貼ったブラックフィルムが劣化しているのは致し方なし)。

 細かくチェックしていけば、ダッシュ周りを含め、逆に「こんなレベルの個体がまだあるのか」と驚くはずである。

▲インテリアは普通に使われていた状態でのヤレは確認できるが、激しい劣化はほぼなく、逆に年式を加味すれば素晴らしいとも言える。

▲下手なカスタマイズを行っていないのも超交換。素の4thがまだまだ味わえる。

▲センターコンソールも下手にいじられていない分当時の雰囲気が味わえる。素晴らしい。

新車時の7掛け程度で魅力が味わえる

 ただし、個体の状態というよりは、ある意味特徴的とも言えるアメリカンなスタイルによって、居住空間と前後の視界の慣れが必要である、ということは言っておく必要があるだろう。

 特に傾斜角の低いフロントウインドーにはかなりの窮屈さを感じるはずだ(笑)。だがそれが4thカマロなのだ、と割り切れれば全く問題ない。

 ということで、とにかく驚きがいっぱいの4thカマロであり、「よくもまあ、こんなレベルの4thが残っていたなあ」と思うと同時に「懐かしい」を連呼。

 全くの新車というわけにはいかないが、少なくとも7掛けくらいの感じで当時の雰囲気が味わえるのだから(24年落ちでだ。オーナーさんとエイブルがいかに適切なメンテナンスを施していたかがわかる)。当時の4thカマロを知っている方が乗れば筆者同様驚愕するに違いない。

 4thのコンディション良好車を探しているなら、この車両を見過ごすことはできないと断言するのである。

▲フロントシートには深くシワが刻まれているが、これは致し方なし。逆にこの程度で済んでいることを褒めるべき。

▲セカンドシートはご覧のように使われた形跡がほとんどない。

▲リアトランクもご覧のようにほとんど使用しれた感じが残っていないレベル。こんな個体がまだ残っていたことに感動。

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