更新日:2023.08.18
文/石山英次 写真/古閑章郎
トレイルブレイザーは2001年にデビューし2008年まで生産された一代きりのアメリカンSUV。しかも日本に正規で輸入され、一時はスズキでも販売された結果、想像以上の販売台数を記録し、中古車もかなりの数が出回っていた。
が、トレイルブレイザーは特殊なメカニズムを搭載していたこともあり、中古車人気はイマイチ。そう、特殊なメカニズムとは直6エンジン。アメ車といえばV8、もしくはV6の時代にあえて直6エンジンを搭載したわけだが、それが故に中古車市場では苦戦していたのだ。
が、実は個人的には非常に魅力的なモデルであると思っている。
まずトレイルブレイザーは、トラックをベースに上屋を乗せ変える、というそれまでのSUV製作の発想から脱却し、最初からSUVありきで開発/設計されたGM渾身のモデルだったこと。
だからジープ各車に匹敵するほどの本格的なオフローダーとしての悪路走破性能を得るために古典的なラダーフレーム式を採用するも、ハイドロフォーミング成形と呼ばれる特種な製造手法を用いることによって、モノコック並みの高いボディ剛性感を誇ったのである。
当時のトラックやバンにありがちな、土台はガッチリしてるが上屋がガタがタ揺れる、といった剛性感不足を大幅に解消することに成功し、国際的な基準に照らしても高いレベルにあるモデルと評価された経緯があり、アメ車の「曲がる/止まる」に不安を抱き躊躇しているような人に対しても強くオススメすることができる高性能SUVに仕上がっていたのである。
この部分は中古車になった場合にも効き、ボディのヘタリが俄然少ないことで有名である。それでいて乗り味や雰囲気にアメ車臭さを適度に残しているところがポイントとなる。
くわえて個人的には、特殊メカニズムの直6エンジンが非常に素敵だと思っている。世界的に絶滅寸前の形式であった直列6気筒エンジンをあえてこのクルマのために新開発したという点に逆にもの凄く惹かれている。
さらに直6エンジンにはカスタマイズパーツがほとんどなく、当時カスタムする楽しみが非常に少なかったアメ車でもあったのだが、それも中古車になれば効果的であり、エンジン本体や吸排気系に主だったカスタムを受けている個体が少なく、せいぜい車高とホイール交換程度といった正規ディーラー車系が抜群に多いのが特徴である。
だからこそ、中古車選びとしては俄然優位に立つとも言えるし、「あえて乗りたい」と思うのであればなかなかの個体にめぐり合うことが可能なのではないかと思う。
ということで、弊社田中がトレイルブレイザーを購入。2004年型LTで走行約7万8000キロの個体。なんと現状売りで12万円という!(詳細は下記YouTubeサイトにて見ることができます)
果たしてどんな個体&程度なのか。実物と対面し、試乗させてもらった。次回へ続く。
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