コルベットはいうまでもなく、アメリカを代表するスポーツカー。その歴史と伝統には、ライバルのバイパーがいかにハイパフォーマンスを持って立ち向かっても、容易に突き崩せない重みがある。
その中でもC4コルベットZR1は、コルベットの中でもちょっと特別なクルマと言っていい。C4とは、コルベットの世代を表す略称。CはコルベットCの、数字は世代を表す。したがって、C4なら第4世代のコルベットということだ。
コルベットのデビューは1953年。そこから62年までがC1、63年から67年までがC2、68年から82年までがC3、84年から96年までがC4となっている。
それまでコルベットは、一貫してロングノーズのFRPボディ、2シーター、大排気量V8OHV、FRという特徴を守り続けてきたアメリカンスポーツカーであり続けた。
ところがZR1は、89年に登場したもっともスポーティなC4コルベットと言われ、当時、GM傘下にあったロータスが設計した385hpのオールアルミのV8DOHCエンジン(LT5と呼ばれる)と6速MTが与えられたモデルなのである。
このハイパフォーマンスを受け止める足回りも強化され、電子制御サスペンションシステムとリアフェンダーが広げられて315/35ZR17インチタイヤが装着されていた。
また、ノーマルモデルとの差別化のため、テールランプは丸目の4灯から四角の4灯タイプのデザインになっている。
コイツの試乗はかなりエキサイティングだった。まさに走るためだけに生まれてきたマシン。日常的な使い勝手など微塵も考えられていないスペシャルな走り。
MTシフトはちょっと重めでストロークは短く、だが速度が増せば確実に吸い込むような操作が可能である。
ブレーキも超強力。若干オーバーサーボ気味の感じもあるが、これも速度が増せばカッチリくるのだろう。
一方でエンジンの吹け上がりは、かつてない軽さと激しさ、そして軽快なサウンドで満ちている。重低音を響かすL98エンジンやLT1エンジン等のOHV系とは対極の、まさに最高のV8エンジンのひとつだろう。
足回りも、一般走行ではかなり硬質な部類に感じられるが、コーナーをいとも簡単にクリアしてしまうその性能には舌を巻く。
日頃体感しているロールの大きなアメ車感覚は微塵もなく、これぞスポーツカーと言える存在だ。
たしかに、スペシャルなマシンだけに、アフターメンテに気を使うのは確かである。
だがしかし、歴史的に見ても特別なこのマシンを手に入れたなら、そういったことが決して手間とは感じられないほど、コイツはドライバーに興奮と歓びを与えてくれる。
そのためにも、いざ手にいれたなら、機関をいつも完調にしておき、ただ走るためだけに使用することをオススメしたい。そのくらい刺激的なマシンである!
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES