1968~1982年という長期に渡って生産されたC3型コルベットは、その長いモデルスパンの間に様々なエンジンをラインナップした。歴代のC3に搭載されたエンジンの唯一の共通点といえば、その全てがOHVのV8だったというくらいなのだが、初期モデルと後期モデルではエンジンの性能や性格(=クルマとしての性格)は全く別物となっている。
ここで紹介するのは、C3の最終モデルとなる82年型である。C3の最終モデルといえば、C3世代では唯一のインジェクションユニットであるL83を搭載することで有名。しかし、ここで紹介している個体は、ガレージ代久の手によってノーマルのクロスファイヤインジェクションは取り払われており、代わりにエーデルブロックの4バレルキャブレターが装備されている。
ガレージ代久がわざわざ燃料噴射装置をインジェクションからキャブに変更したのは、「チューニングしたことによって、エンジン出力&特性が大きく変わったから」だそうで、要するにハイカムを組んだり圧縮比を上げたりしたことよって、ノーマルのインジェクションでは燃料噴射の調整が追い付かなくなったというわけである。
このC3のエンジンは、本体部分はナンバーズマッチのL83なのだが、チューニングすることによってベンチで約150馬力もの出力アップを果たしている。その結果、燃料消費率の向上を目的に採用されたクロスファイヤインジェクションでは、調整が追い付かなかったということだろう。ちなみにこのエンジンは元々はドラッグレースを前提に組まれたらしく、最高7000回転近くまでストレスフリーで回るほどの実力を持つ。ただし、エンジンの高回転化に伴い、オイルクーラーやサーモスタットが装着されているので、街乗りで油温にビクつく心配はない。
また、このC3の場合、足回りに関しても、ブッシュ交換、USカヤバショックの装着、C4用リーフスプリングの加工流用といったメニューが施されているので「パワーはあっても恐くてアクセルを踏み込めない」といった心配も必要ないし、かなりご機嫌なドライブを楽しむことができる。
愛車にC3を選択するオーナーの多くは、C3のスタイルや雰囲気が気に入って購入していると思う。それはそれで正しい選択なのだが、世の中には走って楽しいC3というのも存在するのである。
【追記】
このC3、実はこれまで3回くらい取材してる、筆者には非常に馴染みの深いクルマ。なんで同じクルマを何度も取材したかというと、編集している雑誌が代わったり、クルマの仕様が変わったりしたから(笑)。見た目はそんなに変わらないのだが、エンジンやマフラーは3〜4回仕様変更されてる。何度も試乗してる車輛だが、エンジンも足回りも非常によくできており、実は筆者自身が本気で購入を検討したことがあるほど。結局、予算とタイミングの問題で購入には至ってないんですが(笑)。
【追記の追記】
上記の追記は旧アメ車ワールド掲載時のものです。「どんだけ使い回し!」と思われるかもしれませんが、こうゆう普遍的なスタイルの名車は何度出してもいいと思うんですよね。それに、この個体のように、しっかりと手間と時間がかけられた旧車って、時とともに所有者を変えながらも、再会する機会が多くて。そのうちまた仕様変更した状態で撮影することもある気が…(笑)。ちなみに紹介文がイマイチ読み難いのは、何度も書いてるうちに紹介文のバリエーションが尽きてしまったからだと思います。ま、いいわけですが…
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES