ベースは98年型ダッジダコタである。搭載エンジンは3.9リッターV6。ノーマルパワーは175hpという、ちょっと懐かしい眠たいアメリカンV6エンジン。
このダコタを最初に取材したのが2010年だからすでに7年前。じつはそれからもちょこちょこアメ車ワールドには登場しているから、ご存知の方も多いはず。
そもそもこのダコタは中古並行車として、「小型のピックアップが欲しい」というオーナーさんの意向により日本上陸を果たした。入手してから数々のメンテナンスをこなし、乗るたびによくなることを実感していくとともに愛着がわき、その後コツコツと手を入れてきた1台である。
2010年に筆者がこの車両を取材した時点では、エアロが装着されレーシングストライプが描かれていたが、そこにマフラーとへダースを入れることでV6らしからぬ重厚感溢れるフィーリングが得られるようになったのである。
その後、20万キロ近い距離を刻みエンジンのオーバーホールを実施、くわえてカムを入れ、リアスポイラーを装備してリフレッシュを果たすとともに、同時にスタイルアップも果たし、着々と進化していったのである。それが2013年4月のことだった。
で、その後2015年に取材した際には、追加したリアスポイラーに合わせるためにボンネットフードにエアダクトを装着。デザイン的な前後バランスがとれたとともに、へダースやカムが入ったエンジンに相応しいエアの吸入量がえられるようになったわけである。
同時にコラムシフトをフロアシフトへとコンバージョンし、操作性とフィーリングを変更。使用したのはB&Mの4速フロアシフトで、このシフトは3速までをシーケンシャルシフトすることが可能であり、ストリートで頻繁に使用する2、3速でシフトを上下動させながら加減速することが最高に楽しくなるのである(4速をオーバードライブとして使用する)。
今回2017年として新たに取材した際には、ダコタの顔つきが一変していたのである。これまでのダコタのフロントフェイスは、レーストラックオリジナルのSP360エアロのタイプBが装着されているのみであり、ボディ全体としてレーシーな雰囲気を発するに留まっていた。
だがこのたび、新たにオリジナルのヘッドライトユニットとアイラインを装着することにより、フロントマスクの印象が激変。一気に強面な雰囲気へと様変わりしたのである。
聞けば、まだアイラインは今後手を加えて変更する余地を残しているということだったが、それでも旧顔時代とのインパクトの差は歴然。だいたい2年に一度の割合で本サイトに登場しているダコタだが、今回も間違いなく新たな変化と魅力を与えてくれ、さらに一歩、オンリーワンへの道を極めていくのであった。
ということで、7年以上にわたるまるで長期レポートのような進化の過程はいかがだったでしょう?
とはいえ、これこそがまさに「アメ車の楽しみ方のひとつ」と言えるのではないだろうか。
ベースとなるダコタは90年代のアメ車だけにパーツが豊富であり、かつメンテナンスパーツにも全く困らない(すでに19年モノ)。
だからこそ、年単位であっても状態を維持することはもちろん、最新パーツを駆使してさらなるブラッシュアップが可能なのである。
もちろん最新の新車を次から次へと買い換えることもアメ車の楽しみ方の一つだし、ボロボロの旧車を手に入れてちょっとずつレストアしていくことも当然アメ車の醍醐味である。
だが、われわれ一般的なサラリーマン家人としては、お気に入りの中古車を手に入れ、実際の乗りながらメンテしながら、時にエアロを装着したり、時に手に入れたボーナスによりマフラー換えたり…、そうやってお気に入りの愛車にチューンナップを加えつつ5年10年寄り添うオンリーワンな相棒を作っていくのが、ごく一般的なアメ車ファンの姿ではないだろうか。
今回紹介したのはたまたまダコタだったが、ベースはデュランゴでももちろんいいし、タホやサバーバン、もしくはカマロやコルベット、マスタングでも構わないわけである。
ようは、古くなって飽きも来て、メンテナンスにお金がかかるからといって簡単に乗り捨ててしまわずに(かといって高額な新車が買えるような感じでもないわけだし)、貴重な愛車を一日でも長く乗るよう(乗れるよう)手をかけて欲しいということである。
90年代前後のアメ車は、60年代70年代ほどではないにせよ、間違いなく一時代を築いただけの魅力ある年代であり、今の最新のアメ車たちにはない個性がまだ十分に感じとれた時代である。
そういう貴重な存在たちに乗っているという認識がまだオーナーさんたちにはないのかもしれないが、この先再び光が当たる時代が間違いなく来るはずなので大切にすべきであり、是非とも貴重な存在たちを末永く生き残らせて欲しいとせつに願うのである。
このダコタの次なる進化も追っていきたい。
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