警告灯が点灯するおおまかな理由はわかったが、そこからさらに想像を膨らませれば、いくつかの追加事項が理解できる。
まずひとつが、タイヤやホイールを交換した場合。たとえば冬用のスタッドレスタイヤ。恐らくスタッドレスタイヤを装着する場合、タイヤ&ホイールのセットで交換する方が一般的ではないだろうか。
スタッドレスを装着する時に毎回純正ホイールにスタッドレスタイヤを組み付けている方はほとんどいないとは思うが、万が一そういったことを行っている場合はホイールに組み込まれたTPMSはそのまま使用されているから全く問題はない。
だが、冬用スタッドレスタイヤをホイール込みで交換している場合は、その取り替えた冬用タイヤ装着のホイールにTPMSセンサーが装着されていなければ、その時点で警告灯が点灯する。
そしてそのホイール&タイヤを装着している間はTPMSセンサーが利用できず、空気圧の自動チェックが行えない=車両に搭載されているセーフティシステムが機能していないという状況になっているのである。
同時に、冬用タイヤではなく、単純にアフターパーツの社外ホイールに変更した場合にも、言わずもがなだがTPMSの移設および新規装着を行う必要がある。でなければ、警告灯がずっと点きっぱなしの状態が続くからである。
余談だが、もうかなり前の話だが(8年前くらいだろうか)、今となってはTPMSの未装着だったと分かるはずだが、そのことを知らないあるショップの店員が「電波法云々の関係で消えないんですよ」と警告灯が点灯している部分を指して言っていたのを思い出すのである(笑)。
上記の件で話を聞いたところ、TPMSセンサーの警告が点灯している場合の一番の理由が冬用タイヤ装着時だった。その理由は、TPMSセンサー自体のことを知らなかった場合がダントツに多かったという。そして警告灯が点灯していることにずっと不安になっていたというのである。
つまり、冬用スタッドレスに装着するホイールにも新たにTPMSセンサーを装着することで、純正に戻した場合にも、そして冬用タイヤに交換した場合にもセンサーが働き、セーフティシステム機能が活用できるのである。
そして冬用タイヤ&ホイールにTPMSを装着する場合、二つの方法が考えられる。ひとつは、もともと装着されている純正状態のホイールに組み込まれているTPMSを冬用タイヤ&ホイールに移設する方法。もうひとつが、全く新しいIDのTPMSを冬用タイヤ&ホイールに装着する方法である。
で、さらにもうひとつ。後述する汎用センサーは、同じIDをもつセンサーの複製を作成することが可能である(限られたアフターマケットのセンサーのみが持つ特徴である)。
そしてそれを使えば、純正のTPMSを移設することなく、純正ホイール、冬用タイヤホイールに同じIDをもつTPMSセンサーを装着することができ、ホイールを換える状況で、IDの変更を車側に学習させる必要がなくなるのである。
<冬用タイヤ&ホイールにTPMSを装着する方法>
■純正状態のホイールに組み込まれているTPMSを移設する
■全く新しいIDのTPMSを冬用タイヤ&ホイールに装着し、車両への学習作業を行う
◎純正状態のホイールに組み込まれているTPMSと同じIDを複製したTPMSを装着する
前述したが、TPMSには4輪それぞれに独自のIDを持っている。このIDはタイヤのローテーションを行った場合にも、改めてIDの順列が変わったことを車側に学習させないといけない(それだけ厳密にIDが管理されている)。
だから、もともとの純正ホイールのIDを複製したTPMSを冬用に装着するのが一番手っ取り早いのは言うまでもないのだが、そのID番号は装着されているTPMSを直接目視しないと確認できない。すなわち、タイヤとホイールを一度分離させTPMSのID番号を確認しなければならないのである(=手間がかかる)。
一方で、既存のIDを目視する手間を省くために、新たなIDのTPMSを用意し、それを冬用タイヤ&ホイールにセットし、車両側に学習させる方法である。ここでの注意事項は、新たなIDのTPMSを装着する場合は、IDが変わったことを車側に学習させなければならない。過去に何台もいたというが、センサーだけを取り付け学習させていな車両は、いつまで経っても警告灯は消えないのである。
ちなみにこの場合には、再び純正タイヤに戻す時に、IDが純正状態に変わることから、再度純正IDを学習させる必要が起こるのである。
なお、社外ホイールに交換する場合は、純正状態のTPMSがあるならそれを同じ順列に移設すればいいし、ない場合は、新規IDのTPMSを装着し、それを学習させればいいのである。
<それぞれの対処法>
■TPMSによる空気圧の異常感知
→ 空気圧チェック
■TPMSセンサー自体の消耗
→ センサー自体の交換
■ローテーション等でIDの順列が変わった場合
→ IDの変更を学習させる
■ホイール交換によるTPMSセンサー自体の未装着
→ 純正IDの複製を制作し装着
→ 新規のIDを持つTPMSの装着(新たにIDの変更を学習させる)
以上が、TPMSに関するユーザー側に必要な事実認識である。
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