正規ディーラーがなくなって以降の日本におけるマスタングの販売といえば、売れ筋モデルを1台、もしくは2台程度直輸入し、もしくは「欲しければ輸入しますよ」と掲げ、なんとか売り切ってしまおうという消極的な販売方法。
だから、そういう店舗に限ってメンテナンス対応の電子デバイスは持たず、とりあえず売り切ることのみを考えているから、その後のニューモデルが入荷することもなく、万が一トラブルが起こった場合にもまともな対応ができない場合が多い(扱う量が少ないのだから対応ノウハウすら集積しないだろう)。どことは言わないが、そういう店舗が実際にあることを筆者は知っている。
だが、BCDはそう言った販売方法ではなく、店舗に実車を展示し販売している。買う側も実車そのものを見て納得して買えるわけだ。しかもその車両に関しても、直4モデルのMT車からGT500に至るまで、マスタング全ラインナップに対応しているから素晴らしい。
向かって左:2.3リッター直4エコブーストのMT車。右:5リッターV8カリフォルニアスペシャルのMT車が並んでいる。
2020年にいっぱいで生産終了となったGT350だが、2月上旬時点で6台の在庫車がストックされている。
こちらも2020年で生産終了となったブリット。いま現在2台ストックされている。BCDはブリットに関しては、あえてグリーンのボディカラーにこだわっているという。
ざっとストック車両を並べてもらったが、GT350が2台、ブリットが2台、直4エコブーストが2台。この他にも別途店舗にて複数台のマスタング系車両が展示販売されている。扱う数が多ければ、当然車両のノウハウが増える。
昨年、筆者はその直4エコブーストモデルのMT車を取材したし、直4&V8マスタングのコンバーチブル、限定車のブリットも取材した。
またシェルビーGT350においては複数回取材し、コンディション重視の程度内容や実際に電子デバイスを使用したメンテナンス対応にも同席し、中身を確認している。
何が言いたいかと言えば、こうした車両は他店ではあまり売られていない車両であるということ。
要するに、「コアなモデルは売れるかどうかわからない。売れなきゃ困るから扱わず、扱うなら売れ筋で」というショップが多いのだ。その一方で、BCDでは他店では扱わないMT車やコンバーチルまでを店舗在庫として展示し、マスタングファンの期待に応えようとしている。
だがそれは、そう言った車両全ての面倒を見ることができるという実力の裏返しでもある。
ストックされているGT350をリフトに載せ、下回りを確認させていただいた。BCD車両ということで、アメリカ本国にて厳しいチェックと現地ディーラーチェックを受けた車両だけに瑕疵は全くなかった。
余談だが、GT350は下回りから見ると、軽量化に苦心していたのがよくわかる。オイルパンやオイルフィルターからして軽量化されていた。
当然ながら、納車前には電子デバイスにて車輌コンピューター系の履歴等のチェックが行なわれている。必要があれば更新やリプログラムも行われる。
BCD車輌の旗艦店は、横浜と阪神と福岡。どこの店舗においても同様のアフターフォーローが受けられる。写真は阪神店。
余談だが、ここ数年の車両、特に2015年以降の車両は、機械的なメンテナンスだけでは対応不可能であり、電子デバイスを使用し車両内のコンピューター系の内容確認ができなければ車体を完調な状態で維持することは難しい。
しかも、クルマの状態や各症状は千差満別であるから、その都度その都度応用力が求められる。と同時に、納車前整備での質が明らかに変わってくるのである。
BCDの場合、車両の取り扱いの数が他店とは比較にならないほど多く、マスタングに関するノウハウが集積し対応力が年々増しているから、かつて正規ディーラーだった現存する店舗よりも現行マスタングに関する整備力では上である。さらに機材、電子デバイスに関しても最新車両に対応してるからマスタングに関して車種や年式を選ばないのである。
BCDはいま現在、横浜店、阪神店、福岡店が中心となっているが、2021年からは関東5店舗においてもBCD車両の取り扱いが増えるという。つくば店、柏店、さいたま南店、高崎店、宇都宮店だ。
2021年から関東5店舗においてもBCD車両の取り扱いが増えるということで、つくば店、柏店、さいたま南店、高崎店、宇都宮店に、フォード製電子デバイスVCM3が導入された。
つくば店にて機器の納入業者、阿部商会による取り扱いに関する講習会が行われ、それに同行。直輸入車を扱うために必要な設備投資とショップとしての責任感を痛感したのである。
まずは基本操作を学ぶ。だが最終的には車輌ごとに症状が異なるため、メカニックの対応力が求められるということで、メカニック自身も気を引き締めて作業していかなくてはならないということである。
2015年以降の車輌は、機械部品の対応だけでなく、こうした電子デバイスを使用したコンピューター系の対応ができないと車輌を完調に保つことができない。それはフォード車に限らずである。
しかもそうした5店舗すべてにおいて、フォード製電子デバイスVCM3を導入し(FCA車両用のワイテック2.0も同時に導入しているから、ざっと8桁万円に迫る機材導入費となっている)、横浜、阪神、福岡に劣らない整備体制を敷いているのである。
VCM3のデバイスを導入しているということは、2021年車にも対応できるから、新型シェルビーGT500は当然のこと、もうじき登場するマスタングMACH1の導入も可能ということである。
ということで、BCDであれば、直輸入車であるマスタングとはいえ、欲しいモデルバリエーションをチョイスすることが可能であり、同時にアフターフォーローに関しても心配する必要がないわけだから、他店とは安心感の質が全く違うのである。
BCD横浜店の店長代理である鈴木氏。BCDは、適切な状態の車両を輸入し、独自の購入プランを持ち、そしてこうしたアフターフォローによって、直輸入車のネガティブ要素を可能な限り少なくするようにしています。気になるクルマがある方は、是非一度、車両を実際に見て話を聞いてみて欲しいと思います。
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES
35,530円
EXTERIOR
6DEGREES
8,151円
MAINTENANCE
6DEGREES
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MAINTENANCE
6DEGREES