ホンダにラインナップする唯一のピックアップトラック。初代モデルのデビューは2005年のことだが、強靭なビルト・イン・フレーム構造のボディやエンジン横置きベースの4WD採用など、その設計は今見ても挑戦的。スタイリングにおいても、キャビンと一体型のベッドを用いるなど、ミドルクラスの「SUT(スポーツ・ユーティリティ・トラック)」的な性格の持ち主だった。
そんな革新的ピックアップ・ホンダリッジラインの二代目モデルが2016年に登場した。リッジラインの最大の特徴はFFベースのピックアップトラックということ。SUV・ホンダパイロットと基本コンポーネンツを共有し、いわゆる北米三大メーカーが放つピックアップとは一線を画す軽量モノコックボディを駆使した軽快感こそがリッジラインならではポイント。
ただし、アメリカ本国では、たとえミッドクラスのピックアップと言えども牽引を主とする使い方に固執するオーナーは多く、=FRベースの後輪駆動ピックアップが主流となっていることもあり、リッジラインの販売的な苦戦は以前から伝えられていた。
ちなみに余談だが、フォードエクスプローラーはFFベースのモノコックボディだが、次期モデルはFRベースの後輪駆動に様変わりするらしい。そしてブロンコとシャシーを共有する模様だ。
で、リッジライン。全長×全幅×全高:5334×1925×1798ミリは日本車感覚で見れば十分に巨大だが、本場ピックアップの中ではミッドサイズ。このサイズ感の中にホンダ独自のパッケージングを盛り込みクラストップの室内空間と荷室の広さを実現している。
また、荷台の使い勝手を考慮し、日本メーカーならではの工作精度がもたらす二方向に開閉可能はテールゲートを製作、さらに荷台に本格的な音響システムを搭載するなど、他メーカーの考えつかないことをリッジラインに盛り込んでいるのである。
搭載されるエンジンは、パイロットと共通の3.5リッター i-VTEC V6エンジン。280hp、最大トルク260lb-ftを発生させる。それに組み合わされるトランスミッションは6速ATのみ。この二代目では初代に設定されなかった前輪駆動モデルも設定されるが、基本はトルク配分変動型の4WDシステムを備えている。
2代目リッジラインはまさにホンダらしいピックアップに仕上がっており、ミッドサイズピックアップのオーナーが一般的に求めるようなものをすべて備え、しかも洗練の4WD機能によって牽引力をも高めているのである。
しかもひとクラス上の室内空間や実用性を備え、かつ燃費はミッドサイズの上位を占めるということのなのだから、至れり尽せりのピックアップだろう。
アメリカ本国でも今後、販売力がどのくらい上がるのかが注目の的であり、日本でもホンダ好きにはたまらない1台となるだろう。もしくは新型NSXのセカンドカーとしても十分に面白い存在だと思う。
なお今回取材させていただいたベルエアーのリッジラインは、日本上陸第一号車であり、即納モデルというからおすすめである。
今年2017年は、メルセデスからピックアップトラックが登場するというから、今後、世界中でピックアップブームが再燃するかもしれない。そんな下地作りという貴重な一年にリッジラインは最適な存在となるかもしれない。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES