更新日:2013.11.15
文/椙内洋輔 写真/ホンダ / トヨタ自動車
個人的には非常に楽しかったエスカレードハイブリッドの試乗。新世代のラグジュアリーSUVとして、さらにハイテクSUVとして「非常に面白い存在だ」と思えるほど完成度は高かった。だからこそ2015年型新型エスカレードでの「進化」にも非常に期待しているわけであるが、じつはここ最近、新たなるハイブリッドマシンの登場によって、また違ったモーターの使い方を発見したのである。その名も「スポーツハイブリッド(仮名)」と言い、今までのハイブリッドとはまったく異なるモーターの使い方なのである。
これまでのハイブリッドとは、たとえばプリウスに代表されるようなモーターの使用であり、主に燃費向上を主とするエンジンの補助が目的だった。これに対してプラグインハイブリッドとは、ボルトやキャデラックELRを代表とするモーターを主体とする駆動が確保され、エンジンはあくまでそのモーターの補佐となる方式。そもそもモーターの使用目的自体は上記両者でまったく異なるのだが、どちらも燃費&環境性能の向上を求めてのことであることに違いはない。
で、今回新たに発見したハイブリッドが「スポーツハイブリッド」(ハイブリッド4WDと言ってもいい)。これまでの燃費向上を唱うモーターの使い方とはひと味異なり、異次元な速さをもたらすためにもたらされるモーターである。
たとえばFRスポーツなら、エンジンで後輪を駆動し、前輪をモーターで駆動する。トラクションが必要な状況ではフルロックの4WD。コーナリング手前から2WD+モーター制御となり、前輪で引っぱりつつ、後ろからも押せる。その前輪制御をモーターが行い、エンジンとは別制御となるから、普通の4WDスポーツとは根本的に異なり、制御次第では異次元の速さが手に入る(かなり概略的説明だが)。ちなみにこれは、ベースがFFでもミッドシップでも同じ方式が可能になる。
たとえば仮に、現行C7コルベットの前輪2輪にモーターを搭載するとする。LT1V8エンジンは460hpを発生させるから、前輪のそれぞれに70hpずつのパワーを発するモーターを持たすことで、計600hpのパワーとなる。しかも直線加速はもとよりコーナリングにおいても圧倒的に速くなり、恐らくそれは2WDのC6 Z06なんかは歯牙にもかけない速さであろう。
この方式、すでに実用化され、ポルシェは918というV8ミッドシップのスーパーカーに適用している。次期NSXにも3.5リッターV6エンジンの他に3基のモーターが搭載され同じ方法論が組み込まれるというから興味深い。
ちなみに次期NSXは、デザイン、サイズ、パワーに至まで完全なる北米仕様となっているらしく、打倒フェラーリやポルシェを狙ってバブル絶頂期に造られた初代とはまったく異なり、次期型は米国ホンダ主導で設計から製造までの全行程(もちろんテストまで)をアメリカで行った、打倒アメリカンスポーツカーになっていると言われている(ということもあって、逆輸入車として扱うショップも当然あるだろうと予測しております)。
これまでハイブリッドといえば燃費向上を目的とした、環境性能を重視したものだったが(すなわちそれは「ファン」なテクノロジーとは逆の捉え方がなされてきた部分もあるが)、このスポーツハイブリッドはあくまでも速さにこだわった、いわゆるドーピング的なハイテク武器としてのモーター使用となる。
ハイブリッド、モーターと聞いて、これまでのような「燃費、燃費ってウザイなぁ」と思っていると、時代に乗り遅れてしまうから気をつけないといけない。それにしても世の中の進歩ってスゴ過ぎる…(デビューしたてのC7コルベットにもハイブリッドモデルが追加されるという話があるが、今さら燃費重視のハイブリッドをやるわけじゃないよな〜)。
これ、面白いですよ。グランツーリスモとのタイアップ。1分過ぎからハイブリッドのシステムが
ご覧になれます。
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