TEST RIDE

[試乗記]

燦然と輝くFRのスーパーマシン

2017 フォードシェルビーGT350

もうこれを越える感動マシンは誕生しないかも

シェルビーGT350をすでに20台以上日本に直輸入し販売してきたBCDにて2017年型を取材した。

更新日:2020.07.24

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

稀に現れるアメリカ的スーパースポーツ

 アメリカンスポーティカーのなかには、時にズバ抜けた運動性能を持つクルマが現れる。車両重量増を厭わず、ただひたすらにパワーアップを追求するアメ車像とは正反対のマシンである。

 例えばバイパーACRやC6コルベットZ06に先代カマロのZ28なんかがそれにあたる。彼らのポイントはNAエンジンと軽量化、そしてサーキットライクなサスペンション装着による強烈無比な運動性能向上である。

 そして2015年、再びそんなマシンが現れた。フォードシェルビーGT350。初代モデルの登場からちょうど50年後の2015年にデビューした現代版のGT350である。

 2019年まで現行マスタングのトップグレードに君臨していたシェルビーGT350は、2020年にデビューした760hpのシェルビーGT500にその座を譲ったが、それでもGT350の価値はまったく揺るがない。

 その理由は専用エンジンにある。排気量1リッターあたりのパワーが100hp以上という、フォード史上最高パフォーマンスを謳うこの自然吸気エンジンには、俗に言うフェラーリV8等と同様のフラットプレーンのクランクシャフトが使用され、高回転域まで鋭く吹け上がる。

ノーマルマスタングよりも大きく開かれたグリルや各部インテーク類のエア導入口が特徴である。GT350にいたっては、2018年にベースモデルがマイナーチェンジを行っているが、フロントマスク等デザインの変更はない。

ボディカラーは、アバランチグレーにブルーのレーシングストライプの組み合わせ。非常にレアなスタイル。

6速MTのみの硬派な仕様

 実際、シェルビーGT350のレブリミットは8250rpmというから、これまでのどんなアメ車よりも突き抜ける感覚が味わえるのである。

 しかもミッションは6速MTのみとされ、足回りにはマグネライドダンパーやブレンボの大容量ブレーキを装備。またボディフロントセクションの一部にはカーボンパーツを使用する等、走りに対する妥協を一切許さないマシンに仕上がっている。

 このGT350誕生の背景には、当時7リッターV8NAを搭載していたカマロZ28の存在が外せないが、GT350はGMがアプローチした方法とはまた別の手法によって高回転型エンジンを実現し、カマロ以上の速さと快感をもたらした。実際、本国メディアで2台を走らせたサーキットタイムは約2秒GT350が上回っていたのである。

 さて、このシェルビーGT350であるが、これまた本国メディアではそろそろお役御免と言われている。理由のひとつは、GT500が登場したことで次世代パフォーマーが揃ったということ。

GT350のエンジンは、レブリミットが8250rpmとアメ車としては異例の高回転型パワーユニット。5.2リッターV8NAエンジンは526hp、最大トルク429lb-ftで、スーパーカーに匹敵する官能性能を備える。

エンジン本体はハンドビルドされ、組み上げた担当者のネームプレートが備わる。この希少性が、一転生産性の悪さに繋がり、もうじき生産終了と言われているのが非常に残念。

フロントセクションの一部にカーボンパーツを使用し、軽量化と高剛性を実現している。エンジンルームを囲うタワーバーもかなり効いている。

普通に走らせているだけでも惚れ惚れするようなフィーリングとサウンドが味わえる。V8NAエンジンをMTで心行くまで味わえるFR車両は、世界中を見渡してもほとんどないと言っていいだろう。

BCDならではの車両

 それともう一つ。専用エンジンゆえのネガである。要するに生産性が悪いということ。逆に言えば、我々にとっては「だからこその価値」があるのだが、メーカー側にとっては手間のかかるエンジン。だからGT500一本に集約したいというのが本音だろう。

 で、このGT350をすでに20台以上日本に直輸入し販売してきたBCDにて2017年型を取材した。

 この車両は、2017年にBCDによって直輸入され一度販売されている。が、その方が1年半所有して約2000キロ走行した後に再びBCDに戻ってきた車両という。

 購入時にボディケアとしてコーティングを行っており、その後ずっと屋内保管されてきたというこの個体は、驚くほど艶のあるボディが自慢という。

 現在の走行距離が約8400キロということだから、またBCD管理下の車両ということだから、程度に関する不安はまったくない。しかもアバランチグレーというレアなカラーリングも好印象で、GT350自体がレアだが、それに輪をかけたレアさが魅力的である。

スーパースポーツ顔負けのエンジンパフォーマンスをTREMEC社製の6速マニュアルトランスミッションで操る。ミッション自体は、ストロークが短いスポーティなもの。操作性も良好。

クラッチは、想像の範囲の重さ。逆に軽いとさえ感じる。個人的な感想では、踏み込み量が多く、クラッチを戻しながらの操作性に慣れが必要と感じたが、扱いづらいわけではない。あくまで慣れの問題。ペダル配置はレーシーなものだ。

7500rpmで最高出力を発生し、そのままレブリミットの8250rpmまで突き抜けることがタコメーターを見てもわかる。

NAエンジンで500hp超というエンジンとしての価値はいわずもがなだし、それをぶん回した時に得られる満足度も、スーパーカーのレベルだと思う。

もう二度と誕生することのないFRのマシン

 しかも乗ればわかるが、絶世の感動マシンである(V8サウンドが絶品)。速い遅いが気になるのだろうが、個人的には悦に浸れる数少ないマシンの1台だと思うし、FRのスーパーカーだと思っているし、MT車しかないことがさらにいいと思っている(乗れるやつを限定しているのが素敵)。

 聞けば、BCDには今現在この個体を含め、また輸送中の個体も含め、7台のGT350があるという(BUBU阪神の車両も含む)。すなわち、GT350は年式により若干装備の差があるのだが、それを見比べながらチョイスできるというから素晴らしい。

 BCDは、GT350のほか、マスタングブリットなど、他社が手がけない車両を積極的に直輸入し、GT350に関してもデビュー当初から継続的に販売し続けている結果、GT350はここ最近になって一気に複数台が売れるなど、好調な販売を続けている。

 そしてそれらによる車両データのノウハウも蓄積し、直輸入ではあるが、手厚い保証とともに適切な整備対応で車両維持が可能になっているから、ユーザーは不安なくスーパースポーツに乗れるのである。

 最後に。シェルビーGT350は、もうじき生産終了してしまうのかもしれないが、それ以上に残念なのが、もう二度とこういったマシン(FR+V8NA+MT車のスペシャルチューン)が誕生することはないだろう、ということである。

 コルベットもミッドになってしまったし、MT車もなくなってしまった。今後登場するであろうZ06はハイブリッド車になるだろうし、カマロZL1だってスーパーチャージャー車両である。チャレンジャーに至っては、軽量化することが自体が無理であるから、直線番長的なデーモンやスーパーストックが関の山なのだ。

 ということで、FRのスーパーマシンが欲しいということであれば、もはやGT350しかないわけであり、こうした程度良好な中古車を早いうちに購入してたくさんの感動を味わって欲しいと思うのである。

インテリア全体の雰囲気は、ノーマルマスタングをベースとしたものだが、ステアリングの持ち手部分がスエードになるなど若干変化も加えられる。電動パワステの感触もシッカリと反応が示される。

センターコンソールに配置される油圧、油温メーターによって気分が高まる。もちろん、温度管理も大切。

レカロ社製のクロス/スウェードコンビのシートが標準装備。ガッチリとしたハードバケットタイプに見えるが、乗降性はまったく悪くない。もちろんホールド性は抜群。

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