TEST RIDE

[試乗記]

バイパーACR、コルベットC6Z06に匹敵する存在

2017 フォードシェルビーGT350

専用エンジンを備えた名車候補がついに生産終了

専用エンジンを搭載するスペシャルなマスタングを取材した。

更新日:2021.01.28

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

2010年以降の画期的なマシン

 今年で25年以上アメ車業界にいるがこの25年を振り返ると2010年くらいからアメ車が劇的に進化していることに気づく。

 もちろん、進化=素晴らしいと両手をあげて喜んでいるわけではなし、進化によって失った部分も確実にあるのだが、それでも信頼性は段違いに良くなり、アメ車史的にも画期的というか個性的なマシンが多々あった。

 この個性的なアメ車たちは、例えば他国のクルマたちと比較しても十分に胸を張れるものだ。そんなアメ車を列挙すると以下の通り。

・ダッジチャレンジャーヘルキャット
・フォードシェルビーGT350
・フォードマスタング直4エコブースト
・シボレーコルベットC8
・シボレーコルベットC7
・シボレーコルベットC6Z06
・フォードエクスプローラー直4エコブースト
・リンカーンナビゲーター3.5V6ツインターボ
・ダッジバイパーSRT10

 あくまで私的な指標によるものだから、違った意見をお持ちの方もたくさんいるでしょう。が、厳選するとこんな感じになった(いつか全車取材してその理由についても述べたい)。

ノーマルマスタングよりも大きく開かれたグリルや各部インテーク類のエア導入口が特徴である。ノーマルマスタングと見比べるとその違いは一目瞭然。ボディカラーはオックスフォードホワイトにブルーのストライプ。オーソドックスではあるがカッコイイ。

2018年でベースのマスタングがマイナーチェンジを行っているが、シェルビーGT350はフロントマスク等デザインの変更はない。

名車レベルの存在

 なかでも今回紹介するシェルビーGT350は、誰がリストアップしても必ずランクインするに違いない名車レベルの存在である。

 シェルビーGT350は、フォード自らが「最高」と表するマシンである。作り込みで言えば、フロントセクションの一部にカーボンパーツを使用し、軽量化と高剛性を実現している。車重は1730kg。この手のマシンとしてかなり軽い(チャレンジャーで1900〜2100kg)。

 なので、その強さと軽さはステアリングの反応に顕著であり、この部分だけにおいてもマスタングGTとの差は明白である。

 くわえてMT車のシフトストロークはクイックで節度感がありながらも操作はスムーズであり、5.2リッターV8NAエンジンの絶品のレスポンスをあますことなく味わうことができる。

 このGT350のエンジンは、レブリミットが8250rpmとアメ車としては異例の高回転型パワーユニット。しかも排気量1リッターあたりのパワーが100hp以上という最高パフォーマンスの5.2リッターV8NAエンジンは526hp、最大トルク429lb-ftを発生させ、スーパーカーに匹敵する官能性能を備える専用エンジンなのだ。

フロントセクションの一部にカーボンパーツを使用し、ノーマルマスタングとは別構造になっているから、マイナーチェンジ後にもフロントマスクの変更ができないのだ。だがこれにより軽量化と高剛性を実現している。

搭載されるエンジンは、526hp、最大トルク429lb-ftを発生させ、レブリミットが8250rpmとアメ車としては異例の高回転型パワーユニットとなっている。

ガッチリと組まれたタワーバーの効果か、車体の剛性感やハンドリングレスポンスの高さは、アメ車随一。

下回りを拝見させてもらい、オイルパンやマフラーの構造等を見たが、空力と軽量化に重きを置いているということが理解できた。

最高に刺激的なアメリカンマッスル

 具体的には既存のクランクシャフトをフェラーリ等の高回転型ユニット同様の置き位置にわざわざ変更して「回せるV8」を手組みにて作り上げている。

 余談だが、2020年に登場したシェルビーGT500は、GT350のエンジンをベースにするが、このクランクシャフトは採用せず、もとのV8の置き位置に戻して使用している。

 が、それはスーパーチャージャーにてパワーアップを求めた結果であって、高回転まで回す必要性がないから。要するに仕様に合わせて戻しているだけであって、手抜きでは全くない。

 さらに足回りにはマグネライドダンパーを装備し、ブレンボの大容量ブレーキとミシュランパイロットスーパースポーツを装備、カーボンパーツやエアロを多数装備しアルミボンネットを採用するなどして、走りに対する妥協は一切許さないマシンに仕上がっているから、史上最高に刺激的なアメリカンマッスルといっても過言ではないのである。

インテリア全体の雰囲気は、ノーマルマスタングをベースとしたものだが、ステアリングの持ち手部分がスエードになるなど若干変化も加えられる。

スーパースポーツ顔負けのエンジンパフォーマンスをTREMEC社製の6速マニュアルトランスミッションで操る。ミッション自体は、ストロークが短いスポーティなもの。

クラッチは適度に重く、繋がる位置が他車より若干高い位置にある。だが、しばらく走れば慣れる。このクラッチ操作とシフト操作がシンクロしたときの充実感こそMT車の醍醐味だ。

惚れ惚れしたフィーリング。V8NAエンジンをMTで味わえる車両は、世界中を見渡しても限られるのである。

バイパーACR、コルベットZ06に匹敵するマシン

 アメ車の中には、時に物凄いエネルギーを注ぎ込んでズバ抜けた運動性能を持つクルマが現れる。

 例えばバイパーACRやコルベットC6Z06のような。こう言ったクルマは、スーパーチャージャー等でただひたすらにパワーアップを追求するアメ車とは正反対のマシンであって、軽さとハンドリングの良さを重要視し、サーキット走行をも視野に入れているから想像以上に面白いマシンに仕上がっている場合が多い。事実、シェルビーGT350もそんな歴史に名を連ねるマシンなのである。

 だが。2019年頃から「シェルビーGT350はもうじき終わる」という情報が出回っていたが、2020年10月1日ついにフォードから正式に生産終了のアナウンスが行われた。

 かねてからGT350が「フォードにとってコストパフォーマンスが悪い一台」であるという噂があったのは事実であり、だが、裏を返せば、それだけコストのかかった車両ということであり、GT350の魅力の高さが伺われたのだ。

油圧、油温メーターが装備されているのが、スーパースポーツの証。シッカリ管理しなければならない。

レカロ社製のクロス/スウェードコンビのシートが装備される。ガッチリとしたハードバケットタイプのシートであり、もちろんホールド性は抜群。ガチなハード走行にも十分に耐え得る。

フォード車として初採用となったマグネライドサスペンションに19インチホイールとブレンボ社製大径ブレーキが組み合わされる。ブレーキローターはマジでデカイ。

これまでに色々なボディカラーとストライプの組み合わせを見てきたが、今回のホワイト&ブルーがやはり一番安定的に人気があるという。個人的にも非常にカッコイイと思った組み合わせだった。

もはや他社と比べるまでもないBCDの存在感

 すなわちGT350の価値は高く、クルマ好きにとっては専用エンジンを備えた最高の一台とも言い換えることができるはず。

 これまでにも、7リッターV8エンジンを搭載したシボレーコルベットZ06やシボレーカマロZ28は、いまだに中古車市場で高値安定を維持しており、その価値は全米でも高く、今なお良好な個体を入手することが難しい。

 GT350もそれらと同等、もしくはそれ以上の価値を今後示す可能性を秘めているだけに、すでに持っている方は大切にして欲しい。もしくはこれから購入される方は、価格が安定しているうちに購入するのが賢明である。

 2021年からは、シェルビーシリーズはGT500のみとなり、同時にシェルビーからMT車の存在が消えることになるから、そういう意味でもGT350の価値は高いのである。

 なお、今回取材した車両は2017年型。この車両の他にも複数台のGT350が入庫しているが、かなり早いテンポで売約済みとなっているというから注意が必要である。その理由は、GT350を扱っているショップが全国に少ないということ。

 また、あってもBCDのようなクリーンな状態の直輸入車が少ないということ。今回、取材時にリフトに載せ下回り等を拝見させてもらったが、状態の良さを物語るような個体だった。下回りを打ったような形跡も皆無であり、オイル漏れ等の跡も微塵もなく、距離と程度がマッチした何よりの証拠が見られたのである。

 聞けば、BCD車両は日本で通用する履歴と状態良好なベースを探し、本国にて試乗チェック後、本国ディーラーにてチェックを受けリコール等がある場合を本国にて更新してきており、さらに日本にてフォード車専用電子デバイス・VCMにて納車前の診断と更新を行っているというから、こうした電子デバイスを持たないショップで購入する車両とはレベルが全く違うわけである。

 しかもBCD独自のフィフティプランや購入後のアフターフォーロー等もしっかりしているわけだから、他社と比べるまでもないわけである。

リフトに載せ下回り等を拝見させてもらったが、下回りを打ったような形跡も皆無であり、オイル漏れ等の跡も微塵もなく、距離と程度がマッチした何よりの証拠が見られた。

機関の点検&整備だけでなく、フォード車専用電子デバイス・VCMにて納車前の診断や更新をしっかり行っている。当たり前のことを当たり前にやっているだけというが、それが行われていないショップもあるから余計に引き立つ。

BCDでは、横浜のみならず阪神店も同様の機材による点検&更新が行われ、直近では、柏店、つくば店、さいたま南店、高崎店、宇都宮店にも最新のVCMが導入され、同レベルのアフターが受けられるようになっている。

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