最新デュランゴを語る時に、デュランゴ3世代を並べる方がいるかもしれない。だが、それはナンセンスである。たしかに年表上は3世代目だが、クルマとしての特徴を考えた時、2世代目に共通項はまったくない。つまり、初代→3世代目と、間(2代目)を飛ばすことで現行モデルの特徴がよくわかるのだ。
初代デュランゴがデビューしたのは1998年。クライスラーがダイムラーと合併したのが99年だから、初代デュランゴがデビューした当時、すでに2社間の技術的な交流は進められていた。そのため、初代デュランゴの設計にはドイツ車の技術が取り入れられ、乗り味にもちょっとしたドイツ風味が感じられるクルマであった。
当時のデュランゴの基本コンセプトは「フルサイズの性能を発揮するミドルサイズSUV」であり、コンパクトなボディながらも5.2/5.9リッターのV8OHVエンジンという、フルサイズクラスのエンジンが搭載されていた(本国では3.9リッターのV6も存在したが日本にはほとんど輸入されていない。また、00年から4.7リッターのOHCも追加された)。
この画期的なコンセプトとボディサイズが受け入れられてか、初代デュランゴは日本でもかなりのブームになった。しかもフルモデルチェンジされた以降も、この初代デュランゴの人気は衰えていない。日本での使い勝手を考えれば、このコンセプトがズバリ当たったに違いない。
そんな初代デュランゴの血筋を引いた現行最新モデルは、初代以上にヨーロピアンな雰囲気とアメリカンなパワーが融合された1台である。それは、初代が登場した時以上に世界的なSUVブームが巻き起こっていることと、狙うべきターゲットがハッキリしていることが要因である。今度のターゲット、それは欧州プレミアムSUV。BMWやアウディ、メルセデスの牙城に真っ向から立ち向かうダッジの最新作。伊フィアットとの提携後に生まれた新たなデザインと生粋のパワーユニットとの融合によって生まれた傑作なのである。
最新モデルのスペックを見ると分かるが、この3代目は、日本で人気の初代モデルから全長で16センチ、全幅で約10センチ大きくなっている。だが、全長が伸びた分はすべて後席スペースに割り当てられ、この新型ではサードシートのアクセスが格段に向上している。それでいてこの新型では、ホイールベースが99ミリ延長され、初代よりもボディ前後のオーバーハングが短くなっていることから、運動性能の向上、とくに直進安定性とコーナリング速度は、初代の比ではない。
しかもボディ剛性やサスペンション剛性などが天と地ほど違うにもかかわらず、車重が大幅に増加せず(R/TのV8 RWDで2,328kg)、それとともに伊フィアット社が手を入れたV6エンジンのパワー&フィーリングが劇的な向上を見せる。ちなみにV8には、あのHEMIパワーが健在だ。
スペックを見ただけでも、もはやその存在はアメリカンSUVの枠を超え、まさしくプレミアムSUVの仲間入りを果たしたと言って良いだろう。
スペック上でも格段の「違い」が明確だが、実は乗るともっとその良さが体感できる。まずは5.7リッターV8HEMIを搭載した最上級グレードの「CITADEL」。伊フィアット社との提携によるものだろうか、まるでフェラーリのごとき明るいカラーリングのインテリアは、これまでのようなプラスティッキーが代名詞であったアメリカンSUVのインテリアに革命を起こすほど、斬新である。高級感も一回り以上高まったといっても過言ではない。
そして街中に向い走り出すと、今までのSUVとは明らかなに違う「軽さ」が体感できる。それはステアリングレスポンスであり、身のこなしであり、ブレーキのタッチであり、エンジンの吹け上がりであり……、総じてデュランゴが与えてくれるすべての印象に、である。さすが最新モデルだけあって、今までに感じたことのない印象なのだが、パワーユニットが典型的なアメリカンだけに違和感はなく、逆に重たいSUVを運転しているというよりは、まるでスポーツカーを運転しているような錯覚に陥るほど、楽しい。
一方でV6の「CREW」だが、こちらもエンジンが楽しい。これまでのような「下位グレード」というよりは積極的に選んでも損はしないほど、魅力的なグレードである。290馬力を発生させるV6エンジンは、「クォーン」と快音を発し圧倒的な加速までは行かぬとも、それ相応のパワー感を与えてくれる。そしてフロント周りの軽さがV8以上に感じられ、ハンドリングにも好印象を与えてくれる。
この新型ダッジデュランゴには「EXPRESS」から「CITADEL」まで全5グレード存在し、それぞれにV6、V8が選べ(ともに5速AT)、駆動方式もRWDとAWDが選べるなど、各バリエーション、パッケージを含めると全18種類の選択肢。ちなにみASDN販売店は、この18種類すべての選択が可能であり、それぞれに3年、6万キロ保証が付く。正直、ディーラー車以上の柔軟性を持って対応してくれるのだ。
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