アメ車特有の野太いうなり声をあげながら、コーナーに進入する黒いダッジラム。巨体を揺らしながら豪快なドリフトをキメるその姿に、最初は「コイツら何者? あんなんで本気で走るつもりかよ?」と眉唾な視線をくれていた主催者及び他の参加者たちも、さすがに目の色を変えた!
縦横無尽に、そして小気味よく走り回るダッジラムの姿は、国産ドライバーたちの度肝を抜いた。そしてしばらくすると、疑いの目から称賛へと次第に変わっていった。プロの腕にかかれば、ここまで走るのだ! 逆にプロの腕に叶ったダッジラムが凄いのか?
この日エビスサーキットでは、高性能オイルメーカー、トライボジャパン主催のドリフト大会が開催されていた。もちろん参加車両は国産車がほとんどなのだが、その中でひときわ異彩を放っていたのが、冒頭のダッジラムと赤いシボレーC1500の2台のアメリカンフルサイズピックアップトラックだった。
駆るのはドリフト雑誌などでおなじみのレーサー、森久保慎さん。マシンを持ち込んだのは、ピックアップやSUVのチューニングで名高いアメ車のスペシャルショップ、ジャパンレーストラックトレンズだ。ちなみにダッジラムは森久保慎さんの愛車である。そんな彼の相棒は、この日多くのギャラリーの称賛を浴び、一躍ヒーローとなった。
小柄な国産スポーツカーの中で豪快に姿勢を傾けるピックアップの姿には、まるで軍艦がドリフトしているかのような迫力だった。だがしかし、そもそもなぜフルサイズピックアップでドリフトなのか?
レーストラックの高橋氏は言う。「単純に面白そうだし、ピックアップでのドリフトは目立つでしょ。ダッジチャレンジャーでのドリフトもいいけど、トラックだからこそのやり甲斐ってものがあるんですよ。で、今回、ちょうどタイミング良く森久保君とイベントとが繋がって、『マジでやってみようか』となったわけです」
アメ車と言っても、マスタングやカマロでドリフトをするのとは訳が違う。車高が高くて、長くて…。たしかに誰もやったことがないかもしれないが、実際にはどうなのか? 巨体を誇るフルサイズピックアップでドリフトと言うのは、相当ハードルが高いのではないだろうか?
「そんなことありませんよ。ピックアップトラックでも、ちゃんとチューニングしてやればドリフトはできますよ。過去にダッジラムバンでもやってるくらいですから、全然問題ないですね(笑)。それに、アメ車のポテンシャルを国産ユーザーさんにも知ってもらいたかった。アメ車=直線番長的な発想の方が、まだいるかもしれないので、驚かせたかった。ただ実際には、今日走った2台にはそれほど極端なカスタムは施していません。森久保君のラムは、現在はストリートでちょっと元気に走れるといったレベルのチューニングだし(前後ショックはノーマルですから〜)、C1500は普段ウチの代車で使っているクルマですからね(笑)」
実際、サーキットを走った2台のピックアップは、見事なドリフト走行を披露していた。もちろん森久保氏のドラテクもあるのは間違いないが、ブレーキングで前荷重にしてキッカケを作り、ステアリングで姿勢を整え、アクセルワークを絡めて一連の姿勢を維持してコーナーを立ち上がって行くという、その巨体からは想像しがたい走りを何度も実演して魅せてくれた。
最終的には、プロペラシャフトが折れてしまうというトラブルに見舞われたが、人々から称賛を浴び、記憶に残るパフォーマンスを示したことは間違いない。
それでも、今回の走りについて、「まだまだ実績作りですね。今回は実際にサーキットを走ったぞ、という段階ですね」と語る高橋氏。実は主催者側から、「もの凄いものを見せてもらった! 次回も絶対に参加してください」とのオファーをもらったということで、次なる挑戦にも注目していきたい。
「単なるケツ出しなら簡単」と言っていたが、その通りだった。
見た感じでは、C1500の方がサーキット周回タイムが早そうです。
最後は結構本気で攻めてましたね。
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