TEST RIDE

[試乗記]

2007年のデビュー以降毎年のようにビルドアップ

フォード シェルビーGT500 (FORD SHELBY GT500)

2011年型はアルミヘッドの550hpエンジン

マスタングの中で常に凄みを感じさせるシェルビーは、現行型として2007年に登場した。毎年のように進化を遂げ、最終的には662hpのモンスターに変身するシェルビーGT500。その過程である2011年型に試乗した。

更新日:2015.07.01

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL  [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

大メーカーにラインナップされた強引かつ豪快な量産車

 あまりにスパルタンすぎて客からクレームが来たという「GT350」や、高すぎるパフォーマンスを隠すためカタログにあえて低いスペックを載せた「GT500KR」。1960年代に活躍した初代の頃から、「SHELBY(シェルビー)」の名を冠するマスタングは、常に物議を醸す存在だった。

 そして2007年、再びシェルビーは復活した。2005年にデビューしたマスタングをベースに、スーパーチャージャーで武装した5.4リッターV8をフロントノーズに押し込み、500hpオーバーのパワーを後輪だけで路面に叩きつける。

 トランスミッションにヌルいATなど存在せず、ドライバーは6MTを駆使して獰猛なエンジンを手なずける。

 純粋にパフォーマンスだけを見れば、このクルマがスピードとパワーを得るために行ったドーピングは凄まじい。なんてったってエンジンは、あのフォードGTのために開発されたものをベースとしており、そこには悪魔に魂を売る一歩手前といった、ある種の「凄味」が漂っている。

 この世には、他にも500hp級のモンスタークーペが山ほど存在する。しかしキャデラックにしろAMGにしろMにしろ、その素性はいずれも電子制御で守られた豪華な高速GTだ。ここまで力技で仕立てられたクルマではまったくない。

 すなわち、ここまで強引かつ豪快な量産車としてフォードという大メーカーのラインナップに名を連ねたのも、やはりシェルビーのなせる技なのだろう。

 ちなみに、このシェルビーというネーミングには、「メーカー自製のチューニングモデル」という事実だけでなく、アメリカ自動車界の至宝であるキャロル・シェルビーの名声と、彼のプロジェクトチームがトラックに刻んできた栄光、そして冒頭でも触れた往年のメイクスが持つ逸話の数々が刻まれているのである。

搭載されるエンジンは、5.4リッターV8スーパーチャージド。もともと500hpだったパワーは、2011年には550hpまでアップしている。

パワーだけでなく、魅せるエンジンであり、聴かせるエンジンであり、ドライバーを魅了する至極の名機と言っても過言ではない。

エンジンを組み上げた責任者のネームプレートをブロックに貼るのは、SVTによる流儀。

フォード社内のSVTチームが牽引

 シェルビーGT500は、2007年にデビューし毎年のように進化し続けていた。2009年当時までのGT500のマックスパワーは500hp、2010年型は540hpとなり、そして今回ステアリングを握った2011年型は550hpとなったのである。

 ちなみに余談だが、ベースとなったスタンダードのマスタングも2011年モデルからグッとパフォーマンスを上げた。V6は305hp、V8は412hpとこれまでよりそれぞれ100hp近くアップしていたのである。

 では、なぜそれぞれこうした進化が行われていたのか。それはひとえにライバル車との関係にあった。マスタングでいえば当時のカマロの存在があり、GT500でいえば以下のようなマシンがあった。511hpのコルベットZ06や647hpの同ZR1、それにデビュー間近だったカマロZL1なんかだ。要するに、自分ひとりだけ歩みを止めることは許されない状況だったのである。

 そんなシェルビーGT500のエンジンは、5.4リッターDOHC V8+イートン社製スーパーチャージャーからなる。550hp、最大トルク510lb-ftを発生させるそれは、ブロックは鋳鉄だがヘッドはアルミだ。
 
 ツインカムユニットなのはフォード社内のSVT(スペシャル・ビークル・チーム)が深く関わっていたからであり、先代マスタング・コブラ(マイチェン前)から彼らはそれを続けていた。そして、エンジンを組み上げた責任者のネームプレートをブロックに貼るのも、彼らの流儀だ。

 組み合わされるギアボックスは6速MT。ゴルフボールのような白いタマがシフトのヘッドに刺さっている。もちろん、これは当時のチューニングマシンを再現したものだが、意外とかわいらしくセンスよく見えるから不思議である。

 ストイックなだけでなくちょっとした愛嬌を感じさせる。でもってこれが手の中でかなりしっくりくる。お遊びとも思える演出だが、実用性が高いことを付け加えておこう。

 加えて今回の試乗車は、コンバーチブル。スーパーチャージャーにMT、そしてオープンとくれば、アメ車ファンの「三種の神器」ともいえる装備だけに、レアなマシンでもあり期待値はかなり高い。

インテリアは、シンプルだが、各部にレーシーなアイテムが使用され、ドライバーの気分を高揚させる。走るクルマとしては、個人的には十分な装備と雰囲気だと考える。

ボールタイプのシフトノブがこれまた絶品。操作性が良好なだけでなく、カチッとしたフィールが最高の代物。エンジンとシフト操作の感触もシンクロしており、すべてにおいて満足できる。

クラッチはたしかに重いが、それでもチューニングカーのような重さではなく、若干重いと感じる程度。ペダルの位置も適切であり、スポーティな走りに十分対応できる。

オープンであることを忘れさせる剛性感

 実際に走らせた印象だが、これがある意味肩すかしされるほど乗りやすい。クラッチはたしかに重いが、それでもチューニングカーのような重さではなく、若干重いと感じる程度だし、ステアリングは意外に軽いがシッカリと路面の状況を伝えてくれ、乗り心地も想像していたような粗さはなく、細かいピッチングなどもほとんどなく、嫌なバイブレーションも感じない。

 ダンパー等で固められた足回りは、めちゃくちゃフラットライドでかなりの安定感がある。そしてコーナリングではボディがひとつのカタマリとして追従する。

 オープンカーであるが、オープンであることを忘れさせるくらいのカタマリ感である。いうなればこの辺はドイツ車的で、ボディ剛性の高さの産物と言えるだろう。

 そしてエンジンだが、スーパーチャージドされたパワーの出方はかなりアメリカン。モリモリ湧き出る増幅されたトルクがクルマを前へ押しやるといった感覚だ。

 当然、上までシュンシュンまわるエンジンではないが、スムーズな回転はじつに気持ちいい。もしかしたら意図的にトルクをフラットにせず、リニアなチューニングにしているのかもしれない。

シンプルなホワイトメーターが心地よい。6200回転から始まるレッドゾーンまで重厚なフィーリングをもたらしつつ気持ちよく吹け上がる。

レザーとスエードとホワイトラインが絶妙にデザインされたシート。フォードのシートは昔から定評があり、ホールド性が良好。

刺激的なレーシングサウンド

 MTということもあるが、時としてひとつのギアで引っ張った場合、6000回転弱まで気持ちよく吹け上がる。しかもシフトがかなりいい。ストロークが短くカチッと硬質なフィーリングで、さらにボールタイプのシフトの操作性も抜群である。

 で、そんなときドライバーを喜ばすのがエンジンサウンドだ。レーシーにチューンされたツインカムユニットはまんまレーシングサウンドを響き渡らせる。MTで操ることの喜びが、素直に味わえるのである。

 ピークパワーの発生回転数を越えるあたりまで、吸い込まれるように吹け上がっていくフォード謹製V8エンジンのレスポンスは全域にわたって良好だが、高回転域に向かって行くにしたがって重低音が増す印象で、そのときのフィーリングはまさにレーシングカー。3000~4500rpmを越えてからの快音はゾクゾクしてくるほど刺激的だ。

 V8サウンドといえば、フェラーリの「カーン」と乾ききった音が最高だが、フォードV8DOHCエンジンのサウンドは、フェラーリとはまた違い獰猛さを兼ね備えた野獣のような野太い咆哮が魅力的。

 ちなみに、音だけに限って言えば(あくまで個人的な嗜好によるが)、コイツの上を行く現代的なアメ車は存在しない。

フロント265/40ZR19、リア285/35R20インチタイヤにSVT専用鍛造アルミホイールが装備される。ブレーキはもちろんブレンボ。圧倒的な制動力が魅力。

圧倒的に軽量なアルミフードを備える。ノーズの反応がダイレクトな一因。フードのエアスクープはダミーではなく、本物。

フォード社自製のチューニングカー

 個人的にマスタングファンであり、GT500自体が「将来的に欲しいリスト」に名を連ねていることもあってか、いささか冷静さに欠ける部分はあるかもしれないが、それをも承知の上で、あえて素晴らしい存在と言い切りたい。

 圧倒的なパフォーマンスに、スタイリッシュなデザイン、かつ濃厚なフォード謹製V8エンジン、そして数々のブランドヒストリー…etc。個人的にはあのフォードGTのエンジンを搭載しているというだけでも十分であり、しかもフォードが作ったチューニングカーのような荒々しい雰囲気が好きである。

 ちなみに、今回試乗したモデルはオープンだったが、オープンであるだけにすべてがより一層ダイレクトに響きわたり、ドライバーを魅了する要素が多かったことを別途報告しておく。

 クーペと比較すれば若干剛性は落ちている可能性は否定できないが、少なくとも体感においてはガチガチにカチッとしており、不足を感じる軟弱な部分が全くなかっただけでなく、オープンスポーツカーというまた別の魅力がクーペ比において味わえるのだから、一層オススメであると個人的には考える。

 かつ、日本に上陸しているGT500のオープンモデルがこれまた非常に少ないという事実に、食指が動く。

日本では滅多にお目にかかれないGT500のコンバーチブル。デビュー当時は世界最速のコンバーチブルとして紹介されていた。

シェルビーであること自体がレアなのだが、それにオープン、かつMTという三種の神器を備えるのだが、逆にこれらが敷居の高さとなり、ドライバーを制限する。レア中のレア車をモノにするオーナーさんが羨ましい。

ちなみに幌の耐候性だが、基本、フォード社製ということで、大メーカーの量産車だけあって、マスタングコンバーチブルと同様の高い耐候性を誇っていると断言できる。

製造期間の中で最もバランス良好

 ちなみに、この最速オープンだけでなく、シェルビーGT500自体を日本一多く輸入&販売し、メンテナンスをこなしているBCDによれば、2007年から数多くの歴代モデルが誕生している中で、パワーと性能のバランスが一番整っているのがこの2011年モデルだという。

 しかも、この先662hpのモデルが登場するが、ユーザーの意識がそちらに向かっていることもあり、車両のコンディション的にも良好なものが多く見つかる可能性が高いとも。ただし、2011年型は絶対的な数が少ないだけに、もしも良好なタマを見つけたら素早く手に入れて欲しいですね、とも語ってくれた。

 2013、2014年モデルのシェルビーGT500は、一気に662hpにパワーアップするのだが、クラッチ等のコンディションの差が激しく、シビアな見極めを要することもあるという。

 ただ、機械的な信頼性は全く問題なく、メンテナンスフリーとはまではいかないが、それでも定期的な油脂類の交換チェックやテスターチェック等で十分にまかなえるし、500hpオーバーのマシンだからといって怖気づく必要はなったくない(さすがフォード社製)。

 さらに今回紹介した2011年型GT500に関して言えば、インテリア等のコンディションはまるで新車のようだったし、幌の状態もピカイチ、さらにグラバーブルーのボディカラーがアメ車らしく、数多くのGT500を取り扱っているBCDが「かなりレアな存在です」という意味が、非常によくわかるのであった。

 繰り返すが、GT500のコンバーチブルは日本に数える程しかなく、レア中のレアである。

このクルマのウリは、一大メーカーが作ったチューニングカーとして無謀なほどのパワーを発生させることなのだが、それでいて機械的な信頼性やメンテナンスがメーカー基準で収まっているのが素晴らしい。すなわち、そこらのバックヤードがチューンしたクルマとはケタ違いの信頼性が手に入るということである。

加えて濃厚なV8エンジンフィールが楽しめて、「フェラーリを越える」とは言わないが、伍するくらいの魅力は備えていると言っても過言ではないだろう。映画とかで聞く脚色された爆走シーンのあのサウンドが、GT500だと直接ナマで聞けるのだから、それだけでも手に入れたくなる。

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