TEST RIDE

[試乗記]

時代の最先端を行くピックアップトラック

2015 フォードF150 (FORD F150)

キーワードは「エコブースト」と「アルミボディ」

アメリカを代表する車種、ピックアップトラックも時代の波には逆らえなかった? 時代の最先端を行くフォードの主力トラック、F150の最新モデルを取材した。

更新日:2015.12.21

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

他メーカーよりも一歩も二歩も先を行く

 アメリカ人が大好きなピックアップトラック、とはいえ昔のままでは生き残れない? と考えたかどうかは不明だが、フォードの主力ピックアップは相変わらずのベストセラーカーである。

 実質30年以上も全米販売台数ナンバーワンを誇るだけあって、低燃費が叫ばる昨今においても、若干のマイナーチェンジを繰り返すだけで、マッチョなフルサイズトラックとして、ある程度以上の台数は見込めたはずである。たとえば現行ラムトラックのように。

 だが、実際は丸っきり違っていた。フォードのここ数年の「革新」はみなさんご存知だと思うが、エクスプローラーにはじまり、マスタングへと続いたダウンサイジングの嵐。いわゆるエコブーストエンジンの登場によって、気筒数と排気量を落としつつも、動力性能をカサ増しするという秘策によって(それによる魅力減がないのが素晴らしい)、一気に最先端メーカーへと躍進した記憶は新しい。

 ちなみに、このダウンサイジングは徹底されており、ラグジュアリーSUVたるリンカーンナビゲーターにおいても当然の如く用いられ、この先登場するスーパーカー、フォードGTにも当たり前のように搭載される。

 だからこそ(誰が考えてもわかるが)、全米販売台数ナンバーワンの座を得ているピックアップトラックといえどもダウンサイジングがもたらされるのは必至であり、ある程度の予測は出来ていた。だが…。

 フルモデルチェンジした2015年型のF150は、われわれの考える一歩も二歩も先を行っていた。エコブーストエンジン搭載のダウンサイジングの他に、とてつもない技をさらに用意していたのである。それが「軽量化」であった。そのための手法としてフォードが用いたのがアルミ素材の使用である。

 ピックアップトラックとしての強度を確保する点から、フレームに関してはこれまでどおりのスチール製ラダーフレームが用いられたが、それを取り巻くボディとベッドにアルミを使用し、さらにリーフやサスペンション関連のパーツの見直しによって合計約320kgの軽量化を果たしたのである。

 実際には、アルミを用いたボディとベッドによって230kg、旧モデル比で3倍近い強度を持つスチール製フレームで30kg、さらにインテリアやサスペンション関連のパーツ見直しによって、320kgという数字を達成している。

 ちなみに、この数字は前年2014年同モデルと比較して20%以上の軽量化というから凄まじい。

 そこに、ダウンサイジング+エコブースト化された珠玉のエンジンを搭載するわけだから、まさに最新スーパーピックアップトラックの完成ということになる。

これまでのF150の流れを汲んだボディデザインを継承しているが、大型グリルを含めた全体のイメージは、やはりマッチョでストロング。ボディも全長5mオーバー、全幅2mオーバーの大迫力。さすがアメリカンフルサイズピックアップ。

ボディタイプは、レギュラーキャブ、スーパーキャブ、スーパークルーキャブとあり、どちらにも二駆と四駆が用意されている。取材車両は、スーパークルーキャブの4×4となる。

日本でフルサイズピックアップに乗るにあたり、一番オーソドックスなボディ仕様と言えるだろう。とはいえ、まさかこの巨大なピックアップのボディとベッドがアルミ製というのには、驚きを隠せない。

本国には2.7リッターV6エコブーストも存在する

 取材した2015年型F150は、スーパークルーキャブ仕様のXLT 4WDである。ボディ外装色はブルージーンズで内装色がグレーレザー。搭載されるエンジンは3.5リッターV6エコブーストツインターボとなる。またFX4オフロードパッケージ(4WDのみに装着可)やハードトノカバーおよびベッドライナーといった装備もプラスされているから、日本で乗るのに最適な仕様といっていいだろう。

 ちなみに、2015年型F150の全体の仕様を簡単にまとめると以下のようになる。

<エンジン&ミッション>
V6 2.7L EcoBoostツインターボ / 325hp / 6AT
V6 3.5L EcoBoostツインターボ / 365hp / 6AT ←取材車
V6 3.5L Ti-VCT 自然吸気 / 282hp / 6AT
V8 5.0L Ti-VCT 自然吸気 /385hp / 6AT

<ボディタイプ>
レギュラーキャブ
スーパーキャブ
スーパークルーキャブ

<駆動方式>
4x2
4x4

 全米で注目されているのは、もちろんエコブーストエンジン搭載の2.7リッターモデル。3リッターを下回る排気量でこの巨大なボディをどこまで走らせるのか? その興味に対する注目度と、フォードの主力ピックアップとしてふさわしいか否か、といった点なのだが、2.7リッターモデルでさえも3.5リッター自然吸気V6エンジン以上のパワー数値をたたき台していることから満足度は高く、本国では3.5リッターエコブーストを上回る人気を博しているという。

搭載されるエンジンは、3.5リッターV6エコブーストツインターボエンジン。365hp、最大トルク420lb-ftを発生させる。予想以上にパワフルなエンジンだけあって、巨大なピックアップがまるで4ドアセダンのような走りを実現。ちなみに、GM系に搭載される5.3リッターV8エコテック3は355hp。もはやV6&V8論争は不毛なのかもしれない。

ハードトノカバーおよびベッドライナーといった装備もプラスされている。

4WDのみに装着可なFX4オフロードパッケージも装着。

重量級ピックアップの感覚はまったくない

 一方、そういう本国での注目度とはうらはらに、やはり日本での興味の中心は3.5リッターV6エコブーストツインターボエンジンになるといっていいだろう。いわゆるリンカーンナビゲーターに搭載されているエンジンと同機種だけあって、その動力性能に期待は高まる。

 室内は、想像以上に質感が高く、それでいて質実剛健的な雰囲気も残っているから、最近流行りの高級車然としたピックアップとはいえないが、それでもコックピットの形状や各部の硬質なタッチがピックアップトラックのそれに相応しい感じを与えてくれ、ドライバーにアメ車に触れている実感を確実に与えれくれる。

 だが、そういった道具としての逞しさとはうらはらに、走り出すと驚きの連続が待ち受けていた。

 まずとてつもなく静か。ものすごく遮音が効いている。そしてものすごく軽い。いや、驚くほど軽く感じる。だから巨大なピックアップをドライブしているというよりは、まるで普通の4ドアセダンに乗っているかのごときフィーリング。

 普通に街中を走っている時の感覚は、先日乗った2015年型ダッジチャージャーのような洗練されたライドフィールであり、あらゆる部分から「大きく重たいモノを走らせている」といった旧アメリカンピックアップの感覚はどこにもない。そのくらいエコブーストエンジンの力もたっぷりとある。

 くわえて、ブレーキングがまた絶品であり、これまた巨大でマッチョなピックアップが力づくで止まるといった感覚はどこにもない。

 だから、ピックアップトラックに乗っている感覚がまるでないのが2015年型のF150であり、だからこそ普通に走りを楽しめて、そして現地で「道具としてベッドを使い切りたい」と望むオーナーさんにこそ相応しいフルサイズピックアップトラックなのである。

プラスチックを多用しながらも質感を高めていることが一瞬にしてわかる質実剛健的なインテリア。最近流行りの高級車然としたピックアップとはいえないが、ドライバーにアメ車に触れている実感を確実に与えれくれる。

コラムシフトの6速ATが組み合わされる。シフトノブには、「+/-」のボタン操作によるシフトも可能となっている。シフトショックは皆無である。

センターコンソールの質感は非常に高い。また8インチモニターによるアラウンドビューカメラにより、後方視認にも支障は少ない。

革新的な「減量」でマッチョさがより際立つ

 BCDスタッフいわく「2014年の旧モデルでも相当に良かったですが、2015年のモデルチェンジ後の新モデルは丸っきり別物です。各部の強度は上がった上で、軽量化が全域にわたって効いていることが確実に体感できますし、エンジンも相当にパワフルです。洗練度でいえばシボレーやGMC、ラムとはちょっと比べ物にならないですね」

 ちなみにBCDでは、こういった最新車両を、オーナーの希望に合わせた仕様で直輸入してくれる。しかもディーラー車並の長期保証をもって購入後のアフターサービスを支えてくれるから、本国並行車を購入するというちょっとしたハードルをいとも簡単に越えさせてくれる。

 くわえて、最新設備をともなったメカニカルチェックも欠かさないから、下手な外車正規ディーラーよりも充実したアメ車生活が可能になる。常に本国の新車&中古車の最新状況を把握しているBCDだけに、気になる車両があれば問い合せてみるといいだろう。

 最後に余談だが、常にF150をベースにしてきたSUV、エクスペディションやリンカーンナビゲーターには現在、アルミボディは採用されていない(旧モデルベースだから)。

 だが、この最新F150をベースにした新エクスペシションや新ナビゲーターが早ければ2017年、もしくは2018年には登場するはずである。もちろんアルミボディだろう。
 
 過去には、V10やV8を積んだモンスターピックアップがもてはやされた時代もあったが(もちろんそれらも楽しい)、だがしかし、昔のままでは生き残れないことは分かっているようで(時代の流れだ)、マッチョなフルサイズトラックにも「減量」が必要だったのである。

 もちろん、その効果はてきめんであり、怪力はそのままなのだから、より一層のマッチョさが際立つのであった。

質感のいいグレーレザー仕様のシート。センターコンソールにはカップホルダー等が備わり、また立てればベンチシートとしても使用できる。

リアシートは驚くほど広い。下手なセダンではまったく太刀打ちできないほどの足元空間である。さすがスーパークルーキャブ仕様。

まさに異様な空間である。頭の中では巨大なピックアップを運転しているつもりだが、体感するフィールや挙動は単なる4ドアセダンのよう。加速感も圧倒的であり、想像上に走ってくれる。こうなると、もはやV8である必要があるのか?とも思わなくはない。

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