アメリカには星の数ほどのコーチビルダー(製作メーカー)が存在するが、エクスキャリバーもそのひとつだった。エクスキャリバーは、その当時の現代的ユニットを使用し、過去の名車を再現しようとしたメーカーである。
で、このSSロードスターとは、1930年代のメルセデスベンツSSのこと。そいつを、当時のC4コルベットのパワーユニットを使用し再現した。そう、言ってしまえば、現代の光岡自動車的な存在といっていいかもしれない。
ちなみに、ベンツSSやベンツSSKといえばピンと来る方がいるかもしれないが、漫画ルパン三世の愛車がベンツSSKらしい(筆者はまったく知らなかった)。
さて、実物のエクスキャリバーSSロードスターだが、遠目で見ると小さく見えたが実際にはかなりデカい。遠めだとモーガンあたりと同じようなサイズ感だと予想したが、近くで見ると前後に長く、結構なボリュームである。聞けば全長が5メーター20センチくらいあるというからかなり長い。
とはいえ、各部の造形に間延びしたおもちゃ感は皆無に等しく、細かく見ればみるほど「よくできているじゃん」と思わずにはいられない。
実際、この後撮影のために走らせたのだが、フロントウインドーの小ささとサイドミラーの小ささを除けば、自動車として普通に走らせることが可能である(笑)。
しかもV8サウンドである。90年代当時の5.7リッターV8だから200hpもないかもしれないが、それでもまったく普通に走るし、濃厚なサウンドにアメ車を感じずにはいられないし、酔いしれることも可能だった。
ただし、ステアリングの切れ角やその反応にはクセがあり、そのクセに慣れるまでは若干の緊張感を伴うが、くわえてロングノーズの先が全く見えず、そのサイズ感に慣れるのも必要だが、それらに慣れてしまえば非常に気持ちいいドライブが可能である(直進安定性はお見事だった)。
なお、今回は借り物&オーナーさんが不在だったために、ロードスターではあるのだが幌は開けずに走行。
それでも街ゆく人々からの熱い視線を常に感じ、撮影中には何人もの方から声をかけられ、常に目立つ存在だったことは間違いない。
個人的な感想でいえば、過去に見たこうしたコーチビルダー系の車両は、大概、「ガワだけ」というようなものがほとんどだった。
だが、このエクスキャリバーは、インテリアにも入念な作り込みが行われており、メーター周りの雰囲気や使用されているウッドの質感が非常に高い。
ATシフトのコンソール部分のみにC4の面影が感じられたが、それ以外はオリジナルの質感がきっちり加えられており、そうした満足感が、エクスキャリバーの価値を圧倒的に高めていると思う。
それと、アメリカの自動車文化の懐の深さを感じずにはいれらなかった。日本じゃ、こんなクルマ、まず無理だろうし、作るには光岡自動車のように10番目の自動車メーカーにならないといけないし。
まあ、よくよく聞いてみると、アメリカンが作った名車・ベンツの再現ということだから、直接アメ車に関係するかどうかという問題はあるにせよ、パワーユニットにC4のそれを使っているということで、乗ると確実にアメ車だった! ということでご納得いただければと思う。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES