前エントリーのコマンダーに続く2台目がジープグランドチェロキーSRT8である。聞けば、フルサイズからの乗り換えとして「もう少し速いのがいい(アメ車的なトンガったたモデル)」というオーナーさんたちからの要望が多く、これまでにも数台販売してきたという。
さらにここにきて2014年、2015年くらいの良質なディーラー車が市場に出回るようになり、今では積極的に在庫するようにしているという。
「エスカレードやナビゲーターに乗ってきたオーナーさんにも気に入ってもらえています。乗ればわかりますが、マッスルSUVそのものです。それまでのラグジュアリーSUVとは圧倒的に違いますから、その変化を楽しんでもらえているようです。
それにディーラー車ですから、走行距離も6年落ちで4万とか5万キロとかに満たないものが多く、そういった個体が300万円台後半から400万円台前半で販売されていれば、乗り換え需要はかなりの数あると思います。
また当然ですが整備的な問題やパーツ的な問題はまったくありませんから、まだまだ安心して乗れる年代ですね」
オフロードのイメージが強いグランドチェロキーに野蛮さが加わり、攻撃的なフォルムが魅力。いわゆるマッスルSUVへと進化。
エンジン始動時の猛烈なエキゾーストサウンドにグランドチェロキーの面影は微塵もない。乗った瞬間から軽々走る姿勢に誰もが驚くだろう。
たしかにそうだ。グラチェロSRT8は過去に数度取材した経験を持つが、ちょっと別格である。ジープブランドであるにもかかわらず、オフを意識させない背の高いスポーツマシンという感じ。個人的にはチャレンジャーのSUV版というイメージを持っているから、ジープブランドであること自体が不思議な車両だ(笑)。
だから、エスカレードやナビゲーターのようなアメリカンフルサイズSUVから乗り換えれば、まるで戦闘機のごとき印象を持つだろうし、その違いに衝撃を受けるはず。だからこそ、乗り換え需要が多いという理由にもうなずけるのである。
ちなみに、グラチェロSRT8とダッジデュランゴSRTは兄弟車であるが、大きな違いはグラチェロSRT8には国内正規の右ハンドル車があり、さらに2列シートモデルで、ダッジデュランゴSRTは並行車かつ3列シートということ(ざっくり言えば)。
さて、グランドチェロキーSRT8であるが、この型は2012年に登場し、2014年モデルでマイナーチェンジが行われており、そのマイナーチェンジ後のモデルたちの人気が特に高い。
搭載されるエンジンは6.4リッターV8HEMIで、468ps、最大トルク63.6kg-mを発生させる。フルサイズSUVよりも約300kg軽く、50馬力パワーが多いのだから、速さは言わずもがな。好きな人にはたまらないはず。
オフロードのグランドチェロキーという存在からは想像がつかないインテリア。インテリアの雰囲気や質感はハッキリ言ってチャレンジャーを超えている。
2014年から新たに搭載された8速ATは、小刻みな変速を繰り返しV8エンジンの性能を余すことなく発揮させる。また、燃費向上にもつながるだろう。一方で、自動変速が嫌ならパドルで俊敏に操れる。
たとえば6.2リッターV8エンジンを搭載するキャデラックエスカレードよりも約300キロ軽く、パワーで約50ps多いとなれば、その動力性能の違いがイメージできるだろうか。
その理由のひとつがデザインの変更。オフをイメージさせるジープらしくない、野性的なフォルムをまとったマスクを採用。
フロント正面から見た強面感が圧倒的であり、特にフロントマスク、ヘッドライト周りの造形が変わったことにより、一段と凄みが増している。
搭載されるエンジンは6.4リッターV8HEMIで、468ps、最大トルク63.6kg-mを発生させる。このエンジンで0-60mph(約100km/h)までの加速はわずか4.8秒、ゼロヨン加速13秒台中盤と、当時の世界中のSUVの中でもダントツの数字であった(エスカレードとは比較にならないほどの俊足)。
SRT-8専用のエクステリアには各部にエアロが装着され、車高をダウン、エアダクトがただならぬ雰囲気を醸し出す。足元にはブレンボ製ブレーキ(フロント6ピストン、リア4ピストン、ローターはフロント15インチ、リア13.8インチ)と20インチホイールを装着する 。
300キロまで刻まれたメーター類。質感や視認性は高く、これまたチャレンジャー系のそれよりも確実にレベルが高い。
クロームパーツとカーボンプレートを多用し、8.4インチのタッチスクリーンを中央に配したインパネ周り。非常に機能的でもある。
ホワイトボディにキャメルカラーのシートの組み合わせ。シートはバケットタイプのレザーで硬めの乗り心地がまさしくスポーツモデル。
フロント正面から見た強面感は圧倒的であり、ベースであるグランドチェロキーを忘れさせしまうほど刺激的である。
一方インテリアは、クロームパーツとカーボン素材を組み合わせたスポーティなもの。ピラーにはスエード布が貼られ、高級車としての質感も圧倒的に高い。シートは、ホールド性に優れたSRT-8専用のバケットシートが奢られる。
ちなみに、現在、この型の前の型のSRT8も1台在庫されていた。いわゆる6.1リッターV8HEMIエンジン搭載のモデル。これにも過去数度乗っているが、想像以上に速かった記憶があるが、そんな個体も今見れば新鮮だし、これはこれで欲しい方がいるのではないか!
話を戻す。SRT8の最大の魅力はインテリアの雰囲気である。前記したように、SRT8はまるでチャレンジャーのSUV版のようなのだが、じつはインテリアの雰囲気や質感はハッキリ言ってチャレンジャーを超えている。
全体の質感は高く、ATの操作系を含め、高性能マシンの風情が圧倒的に高い。くわえてスターターボタンを押した瞬間の獰猛さ。本当にディーラー車? と思わせるほどの重低音サウンドを轟かせ、極太ステアリングと硬質なシートがチャレンジャー以上のマシン感を与えてくれ、当然SUVであることを忘れさせる。
しかも走り出した瞬間のガチガチな硬質感。だがそれをまったく苦にしない強固なボディが与えられており、アメリカンSUVの中ではちょっと想像を絶するマシンである。
個人的にも過去複数回試乗しているが、アメリカンフルサイズSUVが眠たい退屈するぎる存在に思えてしまうほど刺激的。しかもV8NAエンジンが搭載されていて、例のサウンドを響かせながら軽快に走り回ることができるのだから、アメ車好きなら1度は乗ってみても損はしないだろう。
もちろん、のんびりゆったりと走るアメリカンSUVの魅力を認めた上で、こうした凄みや迫力、さらには速さが欲しければ、それでいて程度良好かつ適価なV8搭載のSUVが欲しければ、目下グランドチェロキーSRT8しか存在しないのであるから、急いだほうがいいだろう。
ほとんど使用感のなかったセカンドシート。それ以外の荷室等にも中古車感がほとんどなかったのはさすがのディーラー車ベース。
余談だが、旧SRT8の在庫車もあり。ブルートではこうしたミディアムクラスの一芸に秀でた車両を積極的に販売している。
「グラチェロだと考えずにモパー系のハイパフォーマンスSUVと見れば、これほど刺激的なモデルはアメ車業界には存在しませんよね」。6リッター超の大排気量V8NAエンジンを搭載した刺激的なSUVに乗りたいなら、急いだほうがいいだろう。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES