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試乗記 TEST RIDE 2018 フォード シェルビーGT350本国では中古車に1000万円を超える値札が付くほど価格上昇中

2018 フォード シェルビーGT350

だからこそすでにお持ちの方は大切に扱うべし!

2020年で生産終了したシェルビーGT350が今、凄いことになっている。本国では中古車に1000万円以上の値札が付く、といったほど人気上昇中である。

更新日:2021.06.22文/石山英次 写真/古閑章郎

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全米で中古車価格が異常なほど上昇中

 例えば7リッターV8エンジンを搭載したシボレーコルベットZ06やシボレーカマロZ28は、本国における中古車市場においていまだに高値安定を維持しており、入手することが難しい。

 というか、個体の数自体はある。だが、価格が高い。だからその高い価格を承知で購入することは可能であるが、あえてそれを日本に直輸入するショップはないということである。

 同様の事態がシェルビーGT350にも及んでいる。シェルビーGT350は2020年をもって生産終了となったわけだから、ある意味数ヶ月前の車両であるのだが、すでに価格上昇中で、その値は異常なほど上がり続けている。

 聞けば、「本国で1000万円以上の値札を付けた車両が多くなり、ちょっと手がつけられない状態になってます(当然そういった車両を日本に直輸入すれば、それプラスαの値札が付けられることになるわけだから)」

 シェルビーGT350とは、魅力的なエンジンが搭載されたマニュアル車のみのスペシャルマシン。その5.2リッターV8NAエンジンは526hp、最大トルク429lb-ftを発生させ、レブリミットが8250rpmと、アメ車としては異例の高回転型ユニットであった。
ノーマルマスタングよりも大きく開かれたグリルや各部インテーク類のエア導入口が特徴である。またベースモデルがマイナーチェンジを行っているが、GT350はフロントマスク等デザインの変更はされていない。
ブラックにブルーのレーシングストライプがよく似合う。またエキゾーストの爆音がたまらない。
搭載されるフォード謹製の5.2リッターV8NAエンジンは、526hp、最大トルク429lb-ftを発生させる。レブリミットが8250rpmとアメ車としては異例の高回転型パワーユニット。
インテリア全体の雰囲気は、ノーマルマスタングをベースとしたものだが、ステアリングの持ち手部分がスエードになるなど若干変化が加えられレーシーな雰囲気に様変わりしている。
7500rpmで最大パワーを発揮し、そのままレブリミットの8250rpmまで突き抜けることがタコメーターを見てわかる。

専用設計ゆえの生産終了だった

 しかもそのエンジンは専用設計かつ手組みであり、そうした諸々の個性が逆に仇となって生産終了となってしまったわけだが、当然これほどのマシンの誕生は今後なく、だから希少価値が高く、異常なほどの価格上昇が起こっているのだろう。

 BCDでは、一昨年から積極的にGT350を直輸入しており、昨年だけでも10台超の個体の販売を行っているし、当然今年も販売の継続を検討していたが、上記の理由により輸入が難しくなっているという。複数台あった在庫数も残りわずか1台となってしまった。

 「当然、常に視野には入っている車両ではあるのですが、いかんせん価格の折り合いがつかない。仮に数年後に車両の値が下がり輸入が可能になるかもしれませんが、BCDにおいては5、6年落ちの車両は仕入れ外となってしまうため、今ある1台が最後のGT350と言えるかもしれません」

 ということで最後の1台を見てみよう。シェルビーGT350は、フロントセクションの一部にカーボンパーツを使用し、軽量化と高剛性を実現している。車重は1700kg弱。この手のアメ車としては非常に軽い(チャレンジャーは2000kgを超える)。
どの角度から見ても落ち度のない攻撃的スタイルがポイント。美しいとさえ感じさせる。ブラックとブルーのコンビネーションも素敵だ。

最高に刺激的なアメリカンマッスルカー

 なお、GT350のフロントマスクがマイナーチェンジ前のデザインをずっと採用しているのは、フロントフレームの一部にカーボンパーツを使用しているのが一因。要するに変えたくても変えることができなかったというもの。

 そしてV8NAエンジン。ベースとなるマスタングのV8エンジンも惚れ惚れするほどの感覚性能の持ち主である。

 それは速いとか遅いとかいうものではなく、エンジンが吹け上がっていく際に盛り上がるエンジンサウンド等の素晴らしさであって、だから個人的には常にMT車推しを続けている。

 で、GT350は、そういったマスタングの素晴らしさに輪をかけて刺激的かつダイナミックであり、クルマ好きの琴線を激しく揺さぶる。

 個人的には過去3度ほど試乗させていただいているが、とにかくV8エンジンのサウンドとフィールが最高であった。

 回転上昇と共に力がみなぎり強烈な加速をうみ、タコメーターの針が勢いよく上昇、それに比例して排気音が俄然大きくなる。
自社ファクトリーにて機関の点検&整備だけでなく、フォード車専用電子デバイス・VCMにて納車前の診断や更新をしっかり行っているから、アフター部分での心配を感じることもないのがBCDならでは。
フロントセクションの一部にカーボンパーツを使用し、ノーマルマスタングとは別構造になっているから、マイナーチェンジ後にもフロントマスクの変更ができないのだ。だがこれにより軽量化と高剛性を実現している。
19インチホイールとブレンボ社製大径ブレーキの組み合わせ。ブレーキローターはマジでデカイし、攻める前提でのマシンということなのだろう。
センターコンソールに配置される油圧、油温メーターによって気分が高まる。もちろん、温度管理も大切。
大排気量V8NAスペシャルチューンエンジンを6速マニュアルトランスミッションで操る。ミッション自体は、ストロークが短いスポーティなもの。
クラッチは適度な重さだが、この手のマシンとしては異様に軽いから、操作性に難はない。クラッチが繋がる位置が若干高いが、すぐに慣れる。
レカロ社製のシートは、ガッチリとしたハードバケットタイプのシートであり、ホールド性は抜群。ガチなハード走行にも十分に耐え得る。

時代が進んでも価値が下がらない別格な存在

 回転振動は大きいが、吹け上がりの刺激や気持ちよさをこれほどまでに感じさせるエンジンはなかったし、そうした最高フィールのNAエンジンをMTでダイレクトに操れる感覚性能の高さはアメ車随一であると今なお思う(ちなみにこの時もマックス6000rpm程度しか回していない)。

 そんなGT350の実車は、2018年型5100キロ走行車。ボディカラーはブラックであるが、ブルーのレーシングストライプが非常によくマッチしているし、雰囲気がめちゃくちゃ良い。

 加えてマグネライドサスペンションと19インチホイールの組み合わせに車高も低く収まり、その19インチホイール内に収まる巨大なブレーキローターがこのクルマの全性能を物語る。

 これ以前に撮影したチャレンジャーのブレーキローターも大きかったが、GT350のそれはチャレンジャーとは比較にならないほどデカイ。要するに、「攻める前提のマシン」であるという証左だろう。

 近年のフォード、特に2000年以降のフォードは、数年に一度くらいの割合でめちゃめちゃ気合の入ったモデルを誕生させてきた。それは復刻モデルとかそういった類のものではなく、パフォーマンスに振ったマシンのこと。

 例えばフォードGT、旧シェルビーGT500、そして今回のシェルビーGT350である。

 ということで、時代が進んでも価値が下がらない別格な存在。中でもGT350の価値は計り知れず、今後も価値の上昇が続くと思われるから、取材車は非常に貴重な存在であると思うし、すでにGT350にお乗りの方は大切にすべきである。

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