TEST RIDE

[試乗記]

最終「ラストコール」のチャレンジャー

2023 ダッジ チャレンジャー R/Tスキャットパック ワイドボディ

最後の最後に「新車のチャレンジャーが欲しい」貴方に

なかなか入手しづらいと言われているチャレンジャーの最終モデルが上陸した。

更新日:2023.04.25

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/     ベルエアー TEL 0436-26-5700 [ホームページ] [詳細情報]

2023年型最終「ラストコール」の一台

 例えば中古車を購入しようとする場合、特に日本においては、「距離」が重要であると言われている。

 アメリカだと仮に10万キロ走っていてもまったく問題はないというが、日本の場合はその大多数においてNGであり、より走行距離数の少ない個体を探そうとする。その個体が多少高額であったとしても。

 おそらく、日本においては走行距離の少ない=安全性の担保につながっており、その安全性とはすなわち購入後のトラブル回避ということになるのだろう。

 だから今、チャレンジャーを購入しようとするなら、『新車』であれば言うことないだろうし、モデル末期が近づいているということを加味すれば、余計に新車を買って長く乗りたいという意識が働くはずだ。

 だが。近年の新車には、いくつかの問題点がある。まずは価格高騰とそれゆえの輸入難である。

 ここ数年のコロナ禍にウクライナ問題、それによって起こっている半導体不足&燃料不足、そしてコスト高&円安etc によって日本への直輸入が確実に減った。また、同時に日本への新車の直輸入自体が非常に難しくなっている。

▲2023年型の新車。R/Tスキャットパックのワイドボディ。最終「ラストコール」の一台。

▲ブラックボディのワイドボディといった王道スタイル。

 ここ数年、特にコロナ禍以降においては日本からのファクトリーオーダー(以前は結構できたのだが)が通ることはほとんどなく、すなわちお気に入りの状態の新車を求めることが叶わない(近い状態の中古車を探すことは可能だが)=本国メーカーから直接NGが出されてしまうのである。

 それでも新車を購入することは可能であるのだが、最終モデルとなったチャレンジャー自体の価値が上がっており、同時にプレ値も想定される中で日本へ輸入しようとするなら何らかの強いコネクションが必要になる。

 今、日本で最新車両の新車を直輸入されているショップさんにはこうしたコネが確実にあるからこその新車が入手できる状況といえるのである。

 そんな中で今回取材したベルエアーのR/Tスキャットパックワイドボディの2023年型の新車。いわゆる最終モデル「ラストコール」の中の一台である。

 ちなみに、「ラストコール」と銘打った最終モデルには特別限定モデルが7型用意(チャージャーを含む)されており、そちらは圧倒的なプレ値かつ数の少なさによる入手難が続いている。

 ベルエアーは以前から『新車』をメインに販売しているショップであり、その多くは逆輸入車であるトヨタタンドラやスバルアセントだったりするのだが、実は以前からチャレンジャーの新車も販売しており、千葉県全域で多くの人気を博している。

▲搭載されるエンジンは、6.4リッターV8ヘミで485hp、最大トルク475lb-ftを発生させる。新車だから慣らし運転から始める必要がある。

▲ワイドボディがチャレンジャーにはよく似合う。

▲ワイドボディには305/35ZR20インチのヘルキャットサイズのタイヤがおごられている。

 さて、新車ということであるから、購入価格は円安等も絡んでの価格になってしまうというネガティブ要素がまったくないというわけではない。だが、新車であるということは、「これから日本の道路を走らせる」わけであり、過去の走行記録に縛られる必要がまったくないという利点がある。

 すなわち、旧ユーザーが刻んだ距離によるトラブル等の心配がまったく入らないということであり、心配要素とも言われる中古車とのコンディション事情の明確な違いである。

 だから、購入して万が一トラブルが起きたとしても、それはこのクルマの製造ライン中の出来事が原因かもしれないし、単なる個体差かもしれないし・・・。少なくとも事前に誰かが走らせたことで起こったトラブルではないことだけはハッキリしているわけで。

 というか、まったく何も起こらず非常に快適に乗れる可能性が断然高いのは当然のこと=それこそが新車の醍醐味=だからこそ高価な金額を払って買う意味はそこにある。

▲新車であるから全てにおいて素の状態のままである。

▲大排気量V8エンジンと組み合わされる8速AT。

▲2連メーターとデジタル表示のハイブリッド型メーター。

▲新車であるがゆえに触るのがためらわれるシート。レザーとアルカンタラのコンビ素材が使用されている。

 今回ベルエアーが輸入したR/Tスキャットパックはワイドボディであり、ボディカラーがブラック。いわゆる王道のスタイルである。そして最終「ラストコール」の新車。手に入れて長く乗るには最適な個体だろう。

 恐らくだが、2023年型のチャレンジャーの新車自体が日本にやって来るのが非常に少ないだろうから、そういう意味でも非常に価値が高いと思う。

 なお、ベルエアーには2022年型のR/Tスキャットパックワイドボディの新車も在庫されており、そちらは赤いボディカラーをまとっている。日本におけるチャレンジャーの導入カラーはブラック&ホワイト、オレンジといった見慣れたカラーが多く、「赤」は意外に少ないから欲しいと思ってもなかなか入手することができないらしい。

 一年落ちになるが、新車であるからコンディションを心配する必要もなく、「人とは違いボディカラーが欲しい」と思うなら最適な個体ではないかと思うのである。

▲こちらは2022年型のスキャットパックワイドボディの新車。

▲赤いボディカラーのワイドボディという存在自体が日本においては数少ないから、ある意味レアな個体と言える。

▲赤いブレンボのキャリパーがボディカラーとコーディネートされているかのよう。

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