今なお積極的にサードカマロを扱っている日本唯一のショップ・エイブル。今回新たに撮影した個体は1990年型カマロ IROC-Z。
この個体、実はすでにオーナーカーであるのだが、貴重な存在ゆえあえて取材させていただいた。
何がどう貴重かといえば、34年前にヤナセ(正規ディーラー)にて発売されたワンオーナーの個体。しかもフルノーマルであるから、下手なカスタマイズを受けることなく、その当時のままの状態で動態保存されていたもの。
走行距離は13万キロ弱だから単純計算で年間4000キロ走行未満。そして何より嬉しいのがフルノーマル車。聞けば、前オーナーさんがお亡くなりになり、そのまま屋根付き駐車場内で奥様にて保管されていたという。
くわえて車検を切らさず動態保存を続けていたというのだから素晴らしい。
そしてその個体を、縁ある方が譲り受け今に至るということなのだが、その方が乗り始めることによって気になる箇所がチラホラと。
▲1990年型カマロ IROC-Z。34年前にヤナセ(正規ディーラー)にて発売されたワンオーナーのフルノーマル個体。
▲外装系のパーツやデカール&ピンストライプが当時のままでめちゃくちゃカッコイイ。
その御方は、もともと欧州系の高級車を複数台所有している方で(今も複数台所有している)、そのサードカマロが初めてのアメ車。気になる箇所を治そうとエイブルに辿りついた。インターネット等を介して様々な車両に対するエイブルのポリシーや活動に共感され持ち込まれたという。
いや〜、本当に良かった。もしこれがエイブルではなく「●●」とかに行ってたら・・・。恐らく原型を留めることのない無茶なカスタマイズを勧められていたことだろう(笑)。皆さんもお気をつけください。
そしてエイブルにて気になる箇所のチェックを受けている最中に、偶然にもこの個体の情報を我々が知り撮影させていただいたという流れ。
それにしても、34年前のカマロとは、こんなにも大人しく、かつ安定感のあるスポーティクーペだったのか。
これまで筆者が体験してきたサードカマロにも素晴らしいものはたくさんあった。だが、今回のカマロには、言葉は悪いが、継ぎ接ぎによる起した感じが一切ない。要するにこれこそが真の姿なのだろう。
▲タイヤ&車高等がノーマルであるが、これで何の不自由があるというのだろう。このままの状態維持に努めて欲しい。
▲搭載される5,7リッターV8エンジンは245hp、最大トルク345lb−ftを発生させる。
▲エンジンルーム内部も販売された当時の状態のままがキープされている。
▲これほど凛々しいサードカマロを今の時点で拝めること自体が貴重な体験。
使い古されたものを一生懸命メンテし、パーツをリニューアルすることで復興したサードに文句をつけているわけでは全くないし、少なくとも今サードに乗るなら、そうやって地道に各部のリニューアルを繰り返すことでしか楽しむ余地は残っていない。だからそれを責めるつもりは全くない。
だが、今回のサードに乗ってしまうと、すべての価値観が変わってしまう!
もう全てが理想的だ。まずは外装系のパーツやデカール&ピンストライプが当時のままでめちゃくちゃカッコイイ。
で、エンジンは一発でかかり常に安定しているし、ミッションとの繋がりや変速も気持ち良い。ステアリングを切ってもきしみ音ひとつなく、また道路の凹凸によって低級音が発することも皆無。
ブレーキは今の基準で言えば若干固い(重い)が普通に効くし、加速も全く悪くない。くわえてダッシュボードには傷ひとつなく、当然割れもなく、センターコンソールには当時のオーディオから何からがすべて残っている・・・。そしてその状態で普通に街中を何事もなく走る。
▲走行バランスやハンドリング等を鑑みてもノーマルがベスト。
▲ステアリングからシフトノブに至るまでインテリアもノーマルのまま。
▲シフト周りのパーツにひび割れや欠損がないのは非常に貴重。
▲情けないことにサードカマロ純正のオーディオを見たのは初めてだった。
この取材前に、エイブルにてショックを交換しリンケージ系のリニューアルをしているという。
だが、車高をカスタマイズしているわけではないので、段差でアゴを擦ることもなく、街中で非常に乗りやすい。なので34年前の車両だが、いたって普通に使えるし、コンビニやスーパーへの足としても十分に機能する。
また、アメ車の宿命とも言える天井のヘッドライナーが落ちてくる件にも対応しているといい、エイブルにて日本の職人に張り直してもらったというから現状、瑕疵は全くないと言える。
唯一あるといえば、走行13万キロ弱による磨耗と時間経過による見えない箇所の各部のヤレということなるが、少なくとも今回取材した限りにおいては、それらを直接感じることは全くなかったと言っていい。
くわえてエイブルの存在も大きい。今回のサードカマロが他のショップではなく、エイブルと出会ったことにより、今後の維持に非常に期待が持てる。
▲ひび割れしているダッシュボードが多く、またカバー等で隠している個体も多い中、このサードには全く瑕疵はない。
▲メータ類を含めフルノーマルの貴重なサードカマロであった。
▲運転していて感動することばかり。「これが本当のサードカマロだったのか」と。
少なくともサードにおける整備やトラブルや各種パーツ情報においては日本屈指であるから心配はいらないだろうし、何より下手なカスタマイズよりも「走る止まる曲がる」のコンディション維持に努めるショップだけに、「あの状態のまま」が今後も継続される可能性が高い!
本当は(個人的には)、今後も屋根付き駐車場にて、晴れの日のクルマとして、しかも週末の短時間動かす程度にして距離を稼がず、この先10年以上も同じ状態を維持して欲しいと言いたいところだが・・・(貴重過ぎてもったいない)、きっと今日もどこかの道を走っているに違いない!
であれば、その貴重な個体を後世に引き継ぐよう、エイブルとともに歩んで欲しい!
▲フロントシートには若干のやれや汚れがあるのだが、いい感じのヤレに収まっている。
▲リアシートには使用感すらないほどクリーンな状態だった。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES