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[試乗記]

人気ゆえ今なお程度優良車は高値安定

2014 フォード エクスプローラー 直4エコブースト

ダウンサイジングを実現した21世紀の名車候補

707hpを日常的なものにしたヘルキャットは確実に名車候補だが、一方でアメリカンSUVに2リッター直4エンジンを搭載しダウンサイジングを実現したエクスプローラーもまた21世紀のエポックメイキングな1台である。

更新日:2021.02.24

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ABE CARS Tama Garage TEL 042-311-0041 [ホームページ] [詳細情報]

旧アメリカンSUVの概念を根底から覆した革新的モデル

 2011年に登場したフォードエクスプローラーは革新的なアメ車であり、とくに「エクスプローラー+エコブーストモデル」はSUVのトレンド発信モデル。だからこそ、完成度は非常に高く、個人的には21世紀の名車候補として今でも絶賛している。

 エクスプローラーの価値は、たとえば対アジア戦略車といったワールドワイドな味付けのSUVとは異なり、リアルタイムのアメリカを反映していた鏡であったということ。

 現実的にアメリカ全土で走っており、販売の中心的存在であったという事実。しかも重くて力強くといった旧アメリカンSUVの概念を根底から覆した革新的モデルだった。

 すなわち、旧アメリカンSUV的なサイズ感は残し、伝統的なデザインスタイルを踏襲しつつも、ハンドリングや走行性を高め、フォードの技術を集約したダウンサイジングエンジンを搭載し、燃費効率を上げると共に新たなSUV像を構築した。

 そこには、重厚なV8フィールは存在しないが、SUVたる走りを十分に満たしてくれるトルク感があり、街中で積極的に使える大きさをギリギリ満たしているサイズ感を有してドライバーを魅了する。それは本国でも同様であり、だからこそ現実的にトップセールスを記録していた時代があったのである。

2011年に登場し2015年まで存在した初代モデルは、それ以前のFRベースの4WDという面影はまったくなく、CUV的雰囲気のボディとなっている。だが乗れば、洗練されたアメリカンSUVのフィールが味わえる。

デビュー当時は、トレイルブレイザーやグランドチェロキー等の5人乗りモデルでは味わえない室内の広さと7人乗りモデル&シートアレンジの多様性が人気の秘密だった。

アメリカ本国でも人気を誇ったダウンサイジング

 その一方で、日本製ミニバンの中でも最上級モデルたちと同等以上の室内空間を実現しており、しかも重心位置が低くハンドリングや走りの安定感は日本製ミニバンよりも極めて高いのだから、居住性および走りやスタイルを求める日本のユーザーたちに受け入れられて当然である。

 くわえて駆動方式はFFのみだが、東京は雪もあまり降らず(年に2回あるかないか)、都市部にいる限り、オフロードもほとんどない。ある意味、ミニバンの代替わり的な使い方でもまったく問題はない。

 だからアメリカ本国で認められたエクスプローラーは、アジアンテイストとは異なる、本物のアメリカンSUVとしてオススメである(仮にエンジンの息吹が異なっていてもだ)。

 で、今回取材した個体が2014年モデルのエコブーストエンジン搭載車。走行は約1.4万キロと非常に少ない。もちろんD車だ。

 この車両は、もともと某フォードディーラーで購入された後、アベカーズでトヨタタンドラの新車に乗り換えた際の下取り車。その当時すでに22インチサイズのディアブロホイールを装着していたが、なんとノーマルホイールも所有しており、もちろんアベカーズにて保管されているから、「純正が良ければ純正にて納車いたします」という。

搭載される2リッター直4エコブーストエンジンは243ps/5,500rpm、最大トルク37.3kg-m/3,000rpmを発生させる。圧倒的な加速感は望めないが、普通に走る部分においては何ら問題はなく、逆に2リッターであることを感じさせない感覚を与えてくれる。ちなみに、取材車のエンジンルームはめちゃくちゃキレイだった。

組み合わされる6速ATのシフトの動作感は極めてスムーズ。また変速もスムーズで、エコブーストエンジンとのマッチングも絶妙。

アナログ一辺倒だった旧型からアナログとデジタルが融合した質感の高いメーターへと進化している。

今でも通用する洗練されたインテリアは非常にクリーン。当日は雨だったが、走りの質感も感じられた。

アベカーズはフォード認定サービス拠点の一つ

 ちなみに、フォードジャパンは2016年で消滅しているが、その後ピーシーアイが引き継ぎ、フォード認定サービス拠点を日本全国に配置している。

 アベカーズはそのフォード認定サービス拠点の一つであるから、日本国内でのフォード車の部品供給、車両保証継承、リコールおよびユーザーへのアフターサービス業務をディーラー体制で行っており、そう言った意味では街の中古車店で購入するのとは安心感が全く違う。

 聞けば、「コロナ禍以前は、アベカーズでは『2.3リッター直4+4WD』という当時正規ディーラー車として販売されていない現地モデルを直輸入しており、実際に非常に好評であったという。だが、現在はそう言った直輸入車までは行かずとも、優良個体のみを扱っている」という。

 また「面白いことに、人気のモデルは初期型モデル(2011〜2015年)であり、丸っこいデザインが好まれているらしい。とはいえ、2016年以降のD車や直輸入車の在庫車もあり、当然売れている」というから、結果的にどの年代も人気があるということが言えるだろう。

旧型までは質素極まりないインテリアだったが、一転洗練された各部のフィーリングと先進的な液晶メーター等が真骨頂になっている。

スイッチやつまみ等を極力排除して、各種操作をタッチパネルでおこなうマイフォードタッチを採用したセンターコンソールも非常にスタイリッシュ。

取材当日履かれていた22インチホイールだが、純正ホイールも所有しているということで、戻すことも可能。個人的には是非とも戻して純正で乗って欲しい。

久しぶりに乗ったが、程度の良い個体は今でも十分楽しめることを示してくれる。歴史的にも名車候補だけに是非一度体験してみると良いだろう。

程度良好モデルはいまだ高値安定状態

 「初期モデルで言えば、今回の個体のように非常に程度の良い個体がまだ存在するのですが、その一方でガタガタな車両が見られようになっているのも現実です。購入する場合は専門ノウハウのある店舗での購入をオススメいたします」とマネージャーの秋山氏。

 さて、前述した通り個体自体はD車だけあって程度は相当にいい。エンジンやミッションといった動力性能を司る基本部分の状態にも申し分なく、当然事故車等のいわくつきの車両ではないから、今乗ってもエクスプローラーの面白さが十分に味わえる。

 さらに、今更だが、5人乗りモデルでは味わえない室内の広さと7人乗りモデル&シートアレンジの多様性は圧巻。実際、使わなくても日本人ユーザーは7人乗りを求めることが多いというから、排気量が小さく税金は安く、さらに7人乗りの本格アメリカンSUVであるのだから、やはりエクスプローラーはいまだ格好の存在なのである。

 さて、搭載される2リッター直4エコブーストエンジンだが、243ps/5,500rpm、最大トルク37.3kg-m/3,000rpmを発生させる。このエンジン、高速走行といった速度域が高くなると若干役不足を感じるかもしれないが、それ以外の速度域の低い段階では、大排気量エンジンに引けを取らない力強さを体感させてくれる。

 2リッター直4搭載のFFモデルではあるが、動力性能に不満がないから、正直聞かなきゃ、2リッターの排気量とも思えないくらい普通に走る。

 組み合わされる6速ATもスムーズであり、ボタン操作によるシフトアップ&ダウンを駆使すれば、それこそ燃費を気にしつつも快速な走りが堪能できるだろう。

 ちなみに、この2リッターエンジンは2016年にマイナーチェンジが行われ、その時点で2.3リッターにスープアップしているが、個人的には街中中心&休日の長距離ドライブ程度といった使い方であれば、2リッターモデルでも十分期待に沿う走りが可能だと思っている。

 この2年くらい集中的にエクスプローラーの販売やメンテナンスを行っているアベカーズでは、大きなトラブル事項というよりは、ピンポイントな箇所のトラブルは体験しているというが、全く走れなくなるというような故障は皆無であり、そう言った意味でのエクスプローラーの耐久性の高さもかなりのもということだ。

広々とした3列シートを備えていることから、ミニバン的な要素も併せ持ち、ミニバンユーザーにも刺激を与えたエクスプローラー。室内空間は広く、まるでフルサイズボディのような空間アレンジが特徴である。

広々とした3列シートを備えていることから、ミニバン的な要素も併せ持つと書いたが、当時日本では、3列を備えるSUVが少なく、同価格帯でエクスプローラー並みの上質感と広さが手に入るモデルは、ほとんど見つからなかった。だからの優位性であった。

フォード認定サービス拠点として活動しているアベカーズは、フォード純正パーツや電子デバイスを使用した整備やメンテナンスが可能になるから、ある意味ディーラー体制と同様の安心感が得られるのである。

ある意味ディーラー体制と同様の安心感

 なお、ピンポイントのトラブル箇所というのは、ステアリングギアボックであり、ステアリングを切るたびに「ギーギー」なる車両があるという(アメリカでも同様のトラブルが起こっているらしい。主に低年式の過走行車に多く見られると言われている)。

 一方、センターコンソールにあるフォードマイタッチが経年変化により使えなくなるというようなトラブルはほとんどない、ということだから取材した限りではかなり安心して乗れる中古車の1台であるというのは間違いないだろう。

 フォード認定サービス拠点であるアベカーズは、その程度にこだわった仕入れとディーラー並の整備体制により、いまだ安心して乗れるエクスプローラーの販売を継続しているのである。

取材車をフォード純正のVCM2電子デバイスを繋いでトラブル履歴等の確認を行ってもらった。もちろん問題はなかったが、いま現在こうった整備ができるショップが非常に少ないだけにユーザーたちは注意が必要である。

アベカーズでは、個体自体が入庫した時点で毎回電子デバイスにてECUをチェックしているから、在庫車のクオリティ自体が非常に高いのである。

整備もディーラー体制並だ。

フォード認定サービス拠点として活動しているだけに、当然使用するオイル等も純正品である。余談であるが、マスタングが使用するデフにはLSDが入っており、純正品の指示通りのオイルや潤滑材を使用しないと異音の原因になるというから注意が必要である。アベカーズでは当然純正品を使用している。

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