2011年に登場したフォードエクスプローラーは革新的なアメ車であり、とくに「エクスプローラー+エコブーストモデル」はSUVのトレンド発信モデル。だからこそ、完成度は非常に高く、個人的には21世紀の名車候補として今でも絶賛している。
エクスプローラーの価値は、たとえば対アジア戦略車といったワールドワイドな味付けのSUVとは異なり、リアルタイムのアメリカを反映していた鏡であったということ。
現実的にアメリカ全土で走っており、販売の中心的存在であったという事実。しかも重くて力強くといった旧アメリカンSUVの概念を根底から覆した革新的モデルだった。
すなわち、旧アメリカンSUV的なサイズ感は残し、伝統的なデザインスタイルを踏襲しつつも、ハンドリングや走行性を高め、フォードの技術を集約したダウンサイジングエンジンを搭載し、燃費効率を上げると共に新たなSUV像を構築した。
そこには、重厚なV8フィールは存在しないが、SUVたる走りを十分に満たしてくれるトルク感があり、街中で積極的に使える大きさをギリギリ満たしているサイズ感を有してドライバーを魅了する。それは本国でも同様であり、だからこそ現実的にトップセールスを記録していた時代があったのである。
その一方で、日本製ミニバンの中でも最上級モデルたちと同等以上の室内空間を実現しており、しかも重心位置が低くハンドリングや走りの安定感は日本製ミニバンよりも極めて高いのだから、居住性および走りやスタイルを求める日本のユーザーたちに受け入れられて当然である。
くわえて駆動方式はFFのみだが、東京は雪もあまり降らず(年に2回あるかないか)、都市部にいる限り、オフロードもほとんどない。ある意味、ミニバンの代替わり的な使い方でもまったく問題はない。
だからアメリカ本国で認められたエクスプローラーは、アジアンテイストとは異なる、本物のアメリカンSUVとしてオススメである(仮にエンジンの息吹が異なっていてもだ)。
で、今回取材した個体が2014年モデルのエコブーストエンジン搭載車。走行は約1.4万キロと非常に少ない。もちろんD車だ。
この車両は、もともと某フォードディーラーで購入された後、アベカーズでトヨタタンドラの新車に乗り換えた際の下取り車。その当時すでに22インチサイズのディアブロホイールを装着していたが、なんとノーマルホイールも所有しており、もちろんアベカーズにて保管されているから、「純正が良ければ純正にて納車いたします」という。
ちなみに、フォードジャパンは2016年で消滅しているが、その後ピーシーアイが引き継ぎ、フォード認定サービス拠点を日本全国に配置している。
アベカーズはそのフォード認定サービス拠点の一つであるから、日本国内でのフォード車の部品供給、車両保証継承、リコールおよびユーザーへのアフターサービス業務をディーラー体制で行っており、そう言った意味では街の中古車店で購入するのとは安心感が全く違う。
聞けば、「コロナ禍以前は、アベカーズでは『2.3リッター直4+4WD』という当時正規ディーラー車として販売されていない現地モデルを直輸入しており、実際に非常に好評であったという。だが、現在はそう言った直輸入車までは行かずとも、優良個体のみを扱っている」という。
また「面白いことに、人気のモデルは初期型モデル(2011〜2015年)であり、丸っこいデザインが好まれているらしい。とはいえ、2016年以降のD車や直輸入車の在庫車もあり、当然売れている」というから、結果的にどの年代も人気があるということが言えるだろう。
「初期モデルで言えば、今回の個体のように非常に程度の良い個体がまだ存在するのですが、その一方でガタガタな車両が見られようになっているのも現実です。購入する場合は専門ノウハウのある店舗での購入をオススメいたします」とマネージャーの秋山氏。
さて、前述した通り個体自体はD車だけあって程度は相当にいい。エンジンやミッションといった動力性能を司る基本部分の状態にも申し分なく、当然事故車等のいわくつきの車両ではないから、今乗ってもエクスプローラーの面白さが十分に味わえる。
さらに、今更だが、5人乗りモデルでは味わえない室内の広さと7人乗りモデル&シートアレンジの多様性は圧巻。実際、使わなくても日本人ユーザーは7人乗りを求めることが多いというから、排気量が小さく税金は安く、さらに7人乗りの本格アメリカンSUVであるのだから、やはりエクスプローラーはいまだ格好の存在なのである。
さて、搭載される2リッター直4エコブーストエンジンだが、243ps/5,500rpm、最大トルク37.3kg-m/3,000rpmを発生させる。このエンジン、高速走行といった速度域が高くなると若干役不足を感じるかもしれないが、それ以外の速度域の低い段階では、大排気量エンジンに引けを取らない力強さを体感させてくれる。
2リッター直4搭載のFFモデルではあるが、動力性能に不満がないから、正直聞かなきゃ、2リッターの排気量とも思えないくらい普通に走る。
組み合わされる6速ATもスムーズであり、ボタン操作によるシフトアップ&ダウンを駆使すれば、それこそ燃費を気にしつつも快速な走りが堪能できるだろう。
ちなみに、この2リッターエンジンは2016年にマイナーチェンジが行われ、その時点で2.3リッターにスープアップしているが、個人的には街中中心&休日の長距離ドライブ程度といった使い方であれば、2リッターモデルでも十分期待に沿う走りが可能だと思っている。
この2年くらい集中的にエクスプローラーの販売やメンテナンスを行っているアベカーズでは、大きなトラブル事項というよりは、ピンポイントな箇所のトラブルは体験しているというが、全く走れなくなるというような故障は皆無であり、そう言った意味でのエクスプローラーの耐久性の高さもかなりのもということだ。
なお、ピンポイントのトラブル箇所というのは、ステアリングギアボックであり、ステアリングを切るたびに「ギーギー」なる車両があるという(アメリカでも同様のトラブルが起こっているらしい。主に低年式の過走行車に多く見られると言われている)。
一方、センターコンソールにあるフォードマイタッチが経年変化により使えなくなるというようなトラブルはほとんどない、ということだから取材した限りではかなり安心して乗れる中古車の1台であるというのは間違いないだろう。
フォード認定サービス拠点であるアベカーズは、その程度にこだわった仕入れとディーラー並の整備体制により、いまだ安心して乗れるエクスプローラーの販売を継続しているのである。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES