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[試乗記]

もしかしてミッションオーバーホール?

1986 シボレーK5ブレイザー

旧車には順を追って精査できるプロの整備が不可欠

キャブレター最終モデルとなる86年型シボレーK5ブレイザーを取材した。

更新日:2024.03.21

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

魅力的旧車の維持にはプロの存在が欠かせない

 K5ブレイザーはSUVの元祖とも言える存在で、1969年に初代がデビュー。その時代のライバルはフォードブロンコであった。

 そして1973年に二代目モデルがデビューし、それが1991年まで続く。そして三代目が1992年に登場するが1994年いっぱいで終了となり、そのまま「タホ」へと名称を変更する。

 K5ブレイザー(以下、K5)とは、今なお存在するシボレータホの祖でもあった。

 で、今回取材したK5は86年型。つまり二代目モデルということになるのだが、87年から仕様変更がありインジェクションに変わるから、86年型とはすなわちキャブレターモデルの最終型ということになる。

 搭載エンジンは5.7リッターV8で4速ATと組み合わされるが、86年型はキャブレターだからそれなりの対応が求められる。が、87年以降はそこが電子制御のインジェクションに変わるから比較的楽に乗れるという違い。

 だが、当然キャブレターの方がよりリアルなV8サウンドを楽しめるから迷うところでもある・・・・。

▲1986年型シボレーK5。内外装のコンディションは非常に良い。

▲基本ノーマル状態を維持していると思わせるエクステリア。

 そんな86年型シボレーK5を入手したAさんは、内外装がとても美しいK5の売り物を見て「これだ!」と思ったに違いない。

 なんせ3ドアのフルサイズSUVである。こんなカッコイイSUVは現行車には存在しないし、一目惚れ状態だった。アメ車には全く詳しくはないが、それでもなんとかなるだろうと。

 だが。しばらく乗ればエンジンのかかりは悪いし、ガタガタとうるさいし、室内が排ガス臭い。くわえてギアをドライブに入れると「ガコっ」と物凄い衝撃が・・・。そして何より落ち込んだのが、家族からの戦力外通告「もう一緒に乗りたくない」と。

 アメ車と言うよりそもそもクルマのメカニズムに詳しくないAさんはとりあえずググってみる。すると「ギアを繋いで衝撃があればミッションオーバーホール」という記事が目にはいる。

 で、その後も色々調べた結果、「かなりの重症だ」と自己分析して、大手術を覚悟しつつレーストラックにたどり着く。当サイトで過去に紹介していたK5の記事を目にしたからという。

▲3ドアのフルサイズSUVは個性の塊。

▲驚くほどクリーンなインテリア。今から乗りたいと思う方々の気持ちもわかる。

▲各部メーター類は全て稼働し、古さを全く感じさせない。

 そしてレーストラック高橋氏による診断が始まった。

 まずは、内外装が非常にキレイな状態でそこに目がとまる。そして車高やタイヤサイズがノーマルであるがショックはランチョを使用だが、基本的にはフルノーマルに近い個体。

 ただし、エンジンルームを確認すると、キャブレターもエアクリーナーもノーマルなのに、ヘダースが入り、MSD、プラグコードが社外品で、ちょっとした違和感を感じたという。

 というのも、空気の流れや電気の強さにはこだわりつつも、ノーマルキャブレターを使用しているから燃料噴射がノーマル状態。基本、エンジンの燃焼力を上げるには空気、燃料、電気の3つが重要であるから、強化したいのであれば3つを同時に底上げしなければならない。

 だが、この個体は2つに力を入れ、3つ目の燃料噴射に重きを置いていない。くわえて気になったのが、ノーマルの純正キャブレターを使用していること。

 キャブレターは消耗品である。そのキャブレターを当時の純正のまま使用しているわけだから、38年間使用していることになる・・・・。

▲入庫当初はATのシフトノブを「D」に入れると物凄い衝撃が・・・。

▲シートも張りコシともにある非常にクリーンな状態。

▲リアシートは使用感すらない状態。

 で、各部の状態を見極めつつ故障診断していると、とにかくアイドリングが一定しないし非常に高いことに気づく。「普通に1200rpmくらいありました。3000rpmも回らないようなエンジンでアイドリング1200rpmってあり得ないですよね」

 ということから、まずはその関連部分の精査を行い、治療に入った。で、興味深い一枚の写真を入手した。マニホールドを取り外した状態のドロドロの写真。

 そしてその部分をキレイにクリーニングし、ウエイアンドのマニホールドに交換。そして消耗期限をとうに越えているキャブレターをエーデルブロックの550cfmに交換&調整し、一旦車両を走らせることに。

▲レーストラックに入庫し一から順を追って各部の点検を行い整備箇所を特定していった。

▲こちらは作業後のエンジンルーム。キャブレターとマニホールドが交換されている。

▲こちらの写真はマニホールドが外された時のドロドロ状態の写真。

▲この個体にはもともとロングチューブのヘダースが装着されていた。が、それが生きていなかった。

 まずは、それまでエンジン始動にセルを二回半は回していたが、交換治療後は一発でエンジン始動。アイドリングも約700rpmで安定。そして何より驚いたのが、ギアの衝撃だった!

 まるで何事もなかったようにスムーズにギアが入り、普通のAT車に戻っていた。

 「ネットではミッションオーバーホールなんて出ていたかもしれませんが、普通にアイドリングが高過ぎたんですよ(笑)」

 しかも最初から装着されていたヘダース等のパーツと新しくなったキャブレターやマニホールドが連動し、めちゃくちゃ快音を放ち気持ち良く走る!

 さすがはプロの見識である。下手したら(K5を知らない店なら)ミッションオーバーホールと決めつけて高額請求をされていたかもしれない事例である。

 だが、K5を知っていること、そして順を追って精査できるショップであったからこそ最小限の整備で済ませることができたのである。

 今回取材したK5は86年型である。今から38年も前の車両であり、当然オイル交換に使用されているオイルにも気をつけているというから注目すべきだと思う。

 やはり餅は餅屋である。古いアメ車を維持し楽しむにはこうしたプロの存在が欠かせないのである。

▲室内ルーフライニングもご覧の通り。

▲3ドアであるが、リアには広大な荷室スペースがある。さすがアメ車。

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