このモデルは、いわゆるダッジバンらしいごついフロントマスクを持った旧型の最終年式の97年型。こちらのモデルの方がいかにもフルサイズバンという感じの力強さがあっていい、というファンも多い。
フロントノーズが逆スラント気味になっており、グリルのデザインも現行モデルのように丸くなく、平面的なデザインになっているのが特徴だ。そこそこに新しく、そこそこにクラシカルなイメージを持ったフロントエンドだ。ラムバンと聞いてほとんどの人が想像するモデルがこれだといってもいい。
ショートボディのフルサイズバンは迫力とスポーティさを両立した魅力的なプロポーションの持ち主。デカバンを日本で使うには一番扱いやすいボディだし、居住性や積載性には全く問題はない。
この型のデザインの変遷について少し触れておくと、94年から97年まではこのデザインを踏襲している。しかし、97年だけに限っては、3角窓がハメ殺しになっており開閉ができなくなっているのが特徴である。
このモデルにはV8が搭載されているが、ショートボディということで、搭載されているエンジンは5.2リッター。上に5.9リッターエンジンも存在するが、基本的にショートボディには搭載されない。
スペックは最高出力が225hpで最大トルクは43.6kg-m。もちろんOHVのマグナムエンジン。カタログスペックには現れない豪快なトルク感が魅力のエンジンだ。トランスミッションは4速ATが組み合わされている。ミッションは96年式から電子制御タイプに変更され、よりスムーズな変速になり、カタログ上の燃費なども多少は向上している。
ちなみに、ラムバンには93年モデルまでマニュアルトランスミッションが用意されていたが、94年モデルから廃止され、ATのみの設定になった。
また、V6エンジンには3速ATしか搭載されず、V8エンジンでさえも標準は3速AT、4AT速はオプション選択となる。
この年式のインパネは基本的にはラム独特の砲弾型のデザインを持ったメーターや巨大なセンターコンソール(といっても中身はミッションなどのメカニズムが入っている)を持っている。最新モデルではこのコンソールが少し変わり、ウォークスルーしやすいデザインになっているが、この年式ではまだ改善されていない。
このショートボディ、都心の混雑した街中での運転も苦にならず、非常に扱いやすい。それこそ、左ハンドルに慣れている方ならだれでも運転できるだろう。ボディの見切りもいいし、エンジンも非常にパワフルなので、出だしでもたつくなどの痛痒感もまったくない。
それにステアリングやブレーキもアメ車ならでは独特な感触が少なく、至って普通のクルマのように感触が良いので、大きく重たいバンを運転しているという感じがないのである。
また感覚的な話で申し訳ないが、この年代のGM系のバンよりも全体的に硬質な印象を受けるので、ロール感やボディ剛性においても安心感が高い。
旧型の最終モデルということで、ほとんど完成されたクルマであるのだろう。見た目もポップなカラーリングが似合う、最後の時代かなとも思うし。
中古車として納得がいけば、ぜひとも手に入れたい1台だ。
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