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基礎から始めるキャブレターとは?

キャブレター講座 vol.1

知ってる人にしてみたら「何を今さら」の超基礎の基礎

最近では「キャブレター」と聞いただけで「???」を連発する若者がいるという。そういう筆者も、キャブレター年式の車両の取材には多少なりとも気を遣う。それはなぜか? 答えはキャブレターをよく知らず、どこかに恐怖心を抱いているから。ということで、キャブレターに関する超基礎、用語から知るキャブレターについて取材してきた。

更新日:2017.12.27

文/吉田昌宏 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

今や知らない若者が大半? キャブレター

 まずアメ車の場合、魅力的なアメ車の大半が旧車であったりする。だが、そういう旧車はキャブレター車であって、何か怖い印象を与え兼ねない。怖いとは、機構をまったく知らないからトラブルが起きたらどうしようという怖さである。

 たとえば街中でのエンスト(笑)。その後エンジンをかけてもなかなか始動せず……。で、5回目のクランキングでようやく始動し、冷や汗もんの心臓バクバク、といった経験は現代の車両ではほとんどないと思われるが、旧車ならありうるかもしれない。

 たとえば、冬場の調整?、夏場の調整? 調整とはよく聞くも、自らいろいろ触らなければならないほど調整が必要なものなのだろうか? etc

 そういう筆者も、キャブレター車の取材は未だに気を遣う。とはいえ、ここ数年の取材では恐怖心はあれどトラブルに見舞われたことはまったくないが、それでも旧車を自分のものにしたいか、と問われれば、果たしてどうだろうか。

 だが、そんな筆者の思いとは裏腹に、業界では旧車の売れ行きが非常に良いという。やはり旧車の魅力は永遠なり、ということなのだろうが、みなさんキャブレターについて理解してますか? という疑問(不安)は解消されていない。ということで、キャブレターについて学ぼうと思い、各種スペシャリストに話を聞いてきた。

写真は今まさにこれから調整のための確認を受けるC3コルベットのキャブレター回り。キャブレターは機械的な動きが悪くなればオーバーホールが必要になり、社外品等に交換してしまう手もあるという。

機械的に正常なキャブレターは恐るるに足りず

 90年代のアメ車を中心としたインジェクション車から欧州スーパーカーまでを手がけるレーストラックには、ここ数カ月、かなりの数の旧車が入庫している。たとえば70年カマロZ28、C3コルベット、マスタングコブラジェット、ジープCJ7、VWタイプ2 etc。

 これらに共通しているのがキャブレター。とはいえ、代表の高橋氏は、免許証取得時がキャブレター全盛時代の御方。メカニックとして活動し始めた最初の5年くらいまでがずっとキャブレター時代だったために、まったく違和感がないという。

 「免許書を取得した時点ではまだまだキャブレター時代でしたし、その後もキャブレターが一般的でした。ですので、今の若い方が持つキャブレターへの恐怖心みたいなものが逆によくわかりません(笑)。当たり前ですが、機械的に正常なキャブレター車に恐れる必要はありません」

 聞けば、今の時代のCPU車両では、トラブルが起こった場合、どこの部分にトラブルが起こったかを見極めるのにテスターを使用し、CPUを読み込みトラブルコードから探っていかなくてはならないという。

 だが、旧車であれば、たとえば、電気系、点火系、燃料系 etcといったようにトラブルのポイントの判別がしやすく、見極めが比較的安易であり、そういう意味では逆に維持しやすいとも言えるとも。

 とはいえ、旧車だからと現代の交通事情にあわせいろいろなパーツ等でカスタマイズされてしまい、さまざまな手がはいってしまうと、逆にそれらが原因でトラブルを起こす可能性もあるというから、また別の迷路に迷い込んでしまうという可能性はなきにしもあらず。だが、それでも一般的な解釈としては、通常のメカニカルトラブルは対処しやすいと言うのが一般的である。

写真はエーデルブロックの500cfmパフォーマンスキャブレター。中に見える二つのスロットルバルブ(2バレル)が開くことによって負圧が起こりガソリンが吸い出されるという仕組み。

ガソリンと空気の割合を機械的に調整する

 で、キャブレターとは、電気が正常でスターターが回り、燃料系パーツの動作によりガソリンがエンジンまで到達し、エンジン内部でそのガソリンが点火系パーツによってスパークし燃焼を起し爆発するという一連の過程のなかで、エンジン内部へのガソリン調整を行うパーツである。

 つまり、ガソリンと空気の割合を調整するシステムであり、ガソリンがエンジンに到達しプラグからきちんと火花が飛んでいても、この混合気の濃度が適切でなければ、適切な爆発が起こらないということになる。

 すなわち、外気温の高低によって混合気の濃度調整がおこなわれなければならず、この部分が俗に言うキャブの調整、ということになる(暑いときには薄めの、寒いときには濃い目という話はよく聞いた)。

 ということで、キャブレターとは簡単にいえば電気を利用せずにガソリンと空気を混合する調整装置。そして、このキャブレターは、電気を利用せずに機能を果たすために、さまざまな形状のものが存在し(ここが複雑)、外気流入による負圧等を利用してさまざまな対応を可能としているのである。

 そして今回は、このキャブレターについての基礎を教えていただくために、見本としてエーデルブロックの500cfmをベースに話を伺った。ちなみにcfmとは、キュービック フィート ミニッツ=立法フィート/分ということである。

 聞けば、キャブレターも大きく分けて消耗品ということであり、キャブレターのオーバーホールや交換が必要。現実的にはエーデルブロック等の新しい機能パーツへの交換が適切であることも多く、車両のパフォーマンスに合わせた適切なサイズをチョイスすれば再び快調を取り戻せる車両が多いという。

スロットルバルブの弁が開いている写真。このバルブの弁が閉じたり開いたりすることでガソリンと空気の割合を調整している。それを電気的ではなく機械的に行っているのがキャブレター。

機械の醍醐味としてキャブレターは興味深い

 で、このキャブレターを上から見る。すると巨大なスロットルボディの中が見える。その中に見える二つのスロットルバルブ。このスロットルバルブが開くことによって負圧が起こりガソリンが吸い出されるという仕組み(その弁の開閉が非常に緻密に、機械的に行われる様は感動的)。

 この二つのスロットルバルブを2バレルと呼び、このバルブがスロットルボディの中に4つあると4バレルと呼ばれる。ちなみに、旧マスタングで良く使われていた「351 2バレル、4バレル」とはこのことを指すのである。

 さらに、この2つのスロットルバルブが同時に開閉したり(2バルブワンステージといい)、4バレルの場合は、前方のスロットルバルブと後方のスロットルバルブが同時に動いたり、また前後が時間差で交互に動いたりと、制御方法を変えることで低速から高速までを制御しているのである。

 簡単にいえば、スロットルバルブを口径のデカい一枚ものにすれば細かい制御ができず、かといって小さければ高回転域に対応できず、という状況から、小さく、かつ複数にして制御を変え、低速から高速までに対応することを、機械的に可能にしたのである。

 ということで、今回はまずはキャブレターの役割についての超初歩的な部分を学んだわけで、その機能や内容を知れば徐々に引き込まれつつあり、意外にも恐怖心が薄れる(笑)。

 だが、キャブレターの真実はこれからである。ということで、次回は、季節ごとの調整やチョークのお話と、よく聞く「かぶる」とはどういうことかについてつめていきたい。

キャブレター車だからといって、機械的に正常な車両の場合にはまったく恐る必要はありません。それよりもクルマと自分との関わりがよりダイレクトになり、充実したアメ車趣味が味わえるのじゃないでしょうか。

C3のキャブレターのスロットルバルブの弁の開いた状態。

こちらは弁が閉じようとしている状態。

こちらは完全に閉じている状態。

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