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[試乗記]

かつての味わいを残す最後の「ダッジ」

ダッジ デュランゴ & ダッジラム

DODGE DURANGO SLT plus / DODGE RAM 1500

最近のアメ車は素晴らしく出来がイイ。だけど、どこか寂しさを禁じ得ないところもある。どんどんアメ車らしさが希薄になりつつあるから? そんな不満を抱くアナタにオススメしたいブランド。それが「ダッジ」である。

更新日:2012.02.28

文/石山英次 写真/古賀章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 03-5661-3836 [ホームページ]

どこまでもひたすらアメ車であってほしい!

 最新のアメ車はどれも国際化が進んでいる。内外装の質感や高速走行時の直進安定性、コーナリング限界は飛躍的に向上した。新型が出るたびに、ボディのねじり剛性が先代モデル比ウン10%アップしましたとかいうアナウンスが流れるなど、世間一般的には歓迎されるべきことだらけである。

 だが保守本流のアメ車好きからすればどれも微妙だ。なぜなら、洗練という名の進化の一方で大切な何かが確実に失われていくことを実感してしまうから…。
 どかんかいワレッ! とばかりに高速道路の右車線を延々と猛進したいのならベンツに乗ればいいし、クルマに無音・無振動を求めるのならばレクサスを買えばいい。ニュルで速いタイムを叩き出せるスポーツカーが欲しけば、日・欧のメーカーからはいくらでもスゴイやつが出ている(最近ではアメ車の中にもいっぱいあるが)。

 だがアメ車好きがアメ車に求めるものはそういった国際基準に則った高性能ではないはずだ。アメ車は、どこまでもひたすらアメ車であってほしい!。そんな守旧派にとって最後の聖域。それが「ダッジ」である。日欧のマーケットを強く意識しながら造らねばならない国際戦略モデルとは異なり、基本的には輸出することをあまり想定せず、アメリカ人のためだけに存在するドメスティックな性格を持つ。それゆえにアメ車らしさをもっとも色濃く残すブランドなのだ。

ダッジブランドの威光を発するエンブレムは、この時代象徴として多くのアメ車の認知するところ。この時代のアメ車らしさを、大切にして欲しいと願う。

「ひと昔前の王道」路線を行くならば、是非検討してみてほしい2台。現在の新車においては、ダッジでさえも国際化がどんどん進んでいる傾向にあるので、この2車は、かつての味わいを残す最後のダッジなのかも知れない。限りある資源は大切に使って欲しいと願う。そして後世に残して欲しい。

ミディアムボディにV8+3列目シート

 デュランゴは、数あるアメリカンSUVの中にあって、ダッジブランドならではの異彩を放つパワーに溢れたモデルである。中古車として脂が乗り切った感を迎えつつあるのが初代デュランゴである。シェビーよりもシャープで、フォードよりもワルそうに見えるところがビジュアル面での人気の秘訣だが、そうしたイメージが明瞭に浮かび上がるのもダッジのダッジたる所以である。

 ラムバンと並べて置くと相対的に小さく見えてしまうものの、ボディには十分に豊満なボリュームがあり、しっかりとした3列目シートも備わるため、実はファミリーカー的な用途にも存分に応えてくれるという意外性も備わるのだ。

 パーソナル志向のラムバンに、ファミリー志向のデュランゴ、というと一般的な感覚からすると何だかアベコベなようだが、常識や型にハマらない使い方を楽しめるところにこそ、アメ車ライフの醍醐味があり、それがアメ車以外のクルマでは味わえないアメ車ならではの魅力といえるのだと思う。

 イメージ重視のアメ車ライフを送ってみたい。かといって、旧態依然とした古臭いメカは嫌だし、日本車みたいな無味無臭なアメ車はもっと嫌だという人にオススメしたい1台である。

市場では比較的珍しい4.7リッターV8を搭載するモデル。爆発的なパワー感はないが、活発に回る楽しいエンジンだ。

インパネの雰囲気は、当時のダッジ全体に通じる質実剛健なもの。各部のフィーリングは硬質であり、アメリカ的なおおらかさとドイツ的なフィーリングを併せ持つ希少な存在。

あくまでもエマージェンシー用としてだが、大人がしっかりと座ることができる3列目シートが備わる。ミディアムボディだが、荷室スペースも広く、ファミリーカーとしての資質は高い。

取材車の先代モデルは1998〜2005年にかけて生産。1台で何でもこなしせる万能さが光る。文字通りのSUVだが、JEEP系各車とは一線を画す街中での存在感で人気を博す。

日本製バンにありがちなダサさとは無縁の存在!

 2006年までバイパー以外はほとんど正規輸入されなかったのに、この極東の島国でさえ一部に支持されてきたのは、アメリカ映画の影響によるところが大きいようで、サーフボードとお姉ちゃんを積み込んで海辺を颯爽と走るような場面に地球上で一番良く似合うクルマはラムバン意外にありえない! という意見は圧倒的多数を占める。

 そんなイメージのおかげで、ラムバンにはいわゆる日本のバンにみられる(思われる)ようなダサさとはまったく無縁でいられるパワーがあり、それらとは対極にある存在である。間違っても子だくさんの大家族がゾロゾロと乗り込んで、オトーさんが運転手役に没頭する、みたいな状況を想像されることはない。

 あるいは広大なる空間を背負いつつ一人で運転していても空しくならないし、またそう見られることもない。むしろ、この空間は彼女とふたりだけで過ごすような贅沢を楽しむために備わっているといえまいか。昔流行ったちょいワルを演じるツールとしてもピッタリである。

 今回の撮影は海でも山でもなく、東京のお台場という都会に連れ出してみたのだが、ラムバンにはこうした場面でも実にサマになるというフレキシブルな側面があることが確認できた。デュランゴと並べて停めると「LAの路上駐車」に見えてくるのは筆者だけではないはずだ。

03年モデルからエンジンの搭載位置が若干前に移り、室内の居住性を少し向上させた。取材車は5.2リッターV8 OHV。

大きさにさえ慣れれば案外運転しやすい。ハンドリングや乗り心地などの味わいは、いたって普通。パーソナルカーとしても十分使える。

オリジナルの革シートを被せている前後シート。これだけでも高級感が増している。

2003年に生産を終了した“最後の”ダッジバン。ボディの長さは3種類設定される。取材車は中間のパッセンジャー。ロングには12人乗りの4列目版もあり。リアハッチは横に開くタイプ。

アメ車好きの心に響くクルマが多い!

 相変わらず、クライスラーのキレっぷりは凄い。思い起こせば、バイパー出して天下とって、PT出して度肝を抜かせ、マグナム、300C、チャレンジャー、チャージャーと立て続けに人々の心に刺さるクルマを続々と発表&発売するクライスラー(ダッジ)。乗ればどれもに圧倒され&関心させられ、われわれの好奇心をそそる。イマドキこんな自動車メーカーはあり得ないですよね。

 考えてみれば、クルマを評する時に速さやデザインってのは、非常に重要な要素になる。クライスラー系のクルマたちは、かりに百歩譲って壊れたとしても、またディーラーに行くのにクルマで1時間以上走らないと行けないとしても、その重要な要素が、他メーカーよりも圧倒的に抜きん出ていると思う。 「こんなの出すの? カッケぇー、500馬力かよ!」etc。 非常に子供っぽい言いぐさだが、そういった単純な要素にわれわれはいまだ惹かれる。加速が凄かったり、デザインが魅力的だったり…。そういった単純なことにわれわれアメ車好きはいまだに敏感に反応してしまう。だからクライスラー(ダッジ)には魅力的なモデルが多く、何かと期待してしまうのだ。

 一方、そういった傾向は中古車にもおよぶ。デュランゴ、ラムバン。どれも他社メーカーにはない色つやを放ち、アメ車好きの心を捉えて離さない。
 デュランゴはミディアムSUVというジャンルの草分けであり、V8エンジン+サードシートという指標を構築した貴重な存在である。昨年3代目モデルが登場したが、いまだに初代に乗り続けているオーナーが後を絶たない。この旧型モデルを望む声はいまだ止むところを知らずで、中古車価格も下がる気配を見せないという。
 ラムバンは、新型モデルの登場はなく、いわゆる絶版モデルといわれる存在になってしまった。だが、コチラも中古車界ではいまだに引っ張りだこであり、価格も一定基準を保っている。やはり強力なエンジンと魅力的なデザインが多くの人々を惹きつけているのである。

グランドチェロキーSRT-8の0〜60mphの加速は、推定4.6秒という恐ろしい速さだった。ちなみにポルシェ・カイエンターボは5.4秒だったから、当時半分の値段でカイエンターボをぶっちぎれた!

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