編集:物凄く基本的な質問になるのですが、スキャンツールというのは自動車メーカーごとに違うんですよね?
榊原:メーカー純正の外部診断器は違います。GM用、フォード/リンカーン用、クライスラー/ジープ/ダッジ用と、ビッグ3それぞれに専用のものが存在します。ただ、汎用スキャンツールに関してはハード自体はビッグ3全てに対応しているものも存在します。
編集:外部診断器には自動車メーカーが自社製の車両のために製造した「専用スキャンツール(=純正テスター)」と、ツールメーカーが製造した「汎用スキャンツール」が存在するというのは前回説明していただきましたが、専用スキャンツールと汎用スキャンツールでは機能や性能が違うんでしょうか?
榊原:違います。ただ、どのくらい違うか?は機器によります。汎用スキャンツールというのは「多機能スキャンツール(高機能スキャンツール)」と「少機能スキャンツール(ダイアグコードリーダー)」の2つのタイプに大別できますが、高価な高機能スキャンツールの中にはメーカーの専用スキャンツールとほぼ同じ作業が可能なものも存在します。
編集:また専門的になってきましたねぇ(笑)。でもせっかくだし、ネット媒体は掲載スペースを気にする必要もないので、先ずは汎用スキャンツールについてもう少し詳しく解説していただけますか? 例えば少機能スキャンツールと多機能スキャンツールの違いなど。
榊原:両者の違いはその名称の通り「機能=それを使って出来ること」の違いとなります。
少機能スキャンツールというのは、ダイアグコードリーダーなどとも呼ばれるように、機能的にはダイアグコード(=故障コード=DTC)の読取と消去に特化しているタイプを指します。形状的にはテレビのリモコンを少し大きくした様なデザインで、小さなモノクロディスプレイが装備されている場合が多く、見た目から「ハンドヘルドタイプ」などとも呼ばれます。価格帯的には概ね10万円以下で、安いものであれば2〜3万円で購入可能です。
多機能スキャンツールの方は、ダイアグコードの読取・消去の他に、データモニタ(ライブデータ表示)、アクティブテスト、作業サポートなどの機能を装備しており、中にはオシロスコープ機能を備えているタイプや、リプログラミングまで出来るタイプも存在します。形状的にはカラーディスプレイを備えたハンディタイプと、パソコンに繋げて使用するタイプがあります。価格帯は幅広いのですが、安価なもので20万円前後。高額なものになると100万円を超えるようなものも存在します。
編集:なるほど。安価でお手軽な少機能タイプと高価で高機能な多機能タイプですか。お話を聞いていると「高性能な汎用スキャンツールを持っていればメーカーの専用スキャナーいらなくね?」とか思ってしまいますが、もちろんそんなことはないんですよね?
榊原:そうですね。6 DEGREESでは汎用スキャンツールも使っていますが、メインに使っているのは各メーカーの専用スキャンツールになります。
高機能な汎用多機能スキャンツールというのは、部分的にはメーカー純正の専用スキャンツールを凌駕していることもあります。しかし、メーカーごとにプログラムを別途購入する必要があったり、またそれぞれのプログラムも定期的にバージョンアップする必要があったりとコストがかかります。さらに言えば、外部診断器で重要なのは機能だけではありません。使い勝手の良さやスピードも重要です。
設備やスタッフの数、入庫する車両のバリエーションなど、作業環境というのはお店によって全く違うわけですが、外部診断器について言えば、専用、汎用にこだわらず、その時々でツールを使い分けるのが最も効率が良いと思います。
編集:汎用スキャンツールについてはある程度理解できたので、次はメーカー純正の専用スキャンツールについて解説をお願いします。
↓アメ車の修理や整備にテスター(スキャンツール)が必要なのか?
>>第一回・テスター(スキャンツール)を検証する特集を開始
>>第二回・古いアメ車の整備&修理にはテスターは使わない?
>>第三回・専用スキャンツールと汎用スキャンツールの違い
>>第四回・GM、フォード、クライスラーの専用スキャンツール
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