エントリーが一昨年よりも100台以上増
4月29日にお台場・青海駐車場にて『26th Annual Street Car Nationals』が開催された。今回で26回目を数えたこのイベントは、日本最大規模のカスタムカーショーであり、今回は全国から930台ものマシンが集まった。
もともとこのイベントは、ムーン・オブ・ジャパンの菅沼代表が、誰にでも気軽に参加できるアメリカン.カスタムイベントを目指して1987年3月に第1回を開催したのがはじまりである。以来、会場を変えながら今日まで年1回のペースで開催されている。
SCNに第1回から参加を続けており、日本のアメリカン・カスタムの重鎮として知られるDEUCE FACTORY代表の笠井俊一氏は、今年のイベントを次のように評した。
「昨年は東日本大震災の自粛ムードを払拭すべくスケジュール通りに開催したものの、開催イベントの一部が中止となり、地震発生時の津波注意を呼びかけるアナウンスが会場に流れ続けるなど、一種異様な雰囲気のイベントになりました。が、今年は2年ぶりにいつものSCNが帰ってきたようで嬉しく思います。
今回は過去最大の930台が参加し、一昨年よりも100台以上エントリーが増えています。参加基準が厳しくないイベントということもあり、中にはアメリカンカスタムと言えるか微妙なクルマもチラホラ見かけますが、こうした良い意味での「緩さ」もSCNの魅力だと思っています。
しかも、不景気にも関わらずアメ車のエントリーも増えています。私の店はDEUCE(32年型フォード)を中心とするストリートロッドの専門店ということもあり、個人的にはどうしても古いクルマに目が行ってしまいますが、新旧どちらも力の入ったカスタムマシンが参加していますね。製作に手間とお金が掛かるストリートロッドの新作も数台見かけました。みなさん本当に気合いが入っています。
今年は天気にも恵まれ、お客さんも大勢訪れて大変な賑わいを見せました。『アメ車ワールド』のサイトを見ている人の中で、まだ1度もSCNにいらっしゃったことがない人がいればぜひ遊びに来て下さい。新旧のさまざまなマシンが見られるので、自分の愛車をカスタムするときの参考にもなるし、SCNをきっかけに友達もできたりして楽しいですよ」
横浜・保土ヶ谷に店を構えるDEUCE FACTORY代表の笠井俊一氏。ムーンアイズの菅沼氏らと並んで日本のアメリカン・カスタムの草分け的な存在だ。ファンから「HOT RODの神様」として知られる。
68年に西海岸で限定発売されたマスタング・カリフォルニアスペシャル。クーペモデルをベースに、車名を現す「GT/CS」のサイドストライプ、シェルビー・コブラGT500をイメージした前後バンパー、コンビランプなど内外装に特別なパーツが組み込まれている。日本では滅多にお目に掛からないマシンである。
64 1/2年型マスタング・コンバーチブル。アルファロメオ156にオプション設定されていたヌボーラ・ブルーでオールペイントしたものと思われる。会場で社外の大径ホイールに履き替えていたが、個人的にはヨーロピアンルックの初代マスタング、とくに上品なボディカラーのこのクルマには、ノーマルのホイールの方が似合うように思う。
現行型ダッジ・チャレンジャーを70年モデル風にカスタマイズ、レザートップにセンターキャップ付きのホイール、トランクキャリアなどのアイテムがイイ味を醸し出している。
リア・サイドウインドウを潰してセダンデリバリーにカスタマイズしたPTクルーザー。PTクルーザーがモチーフにした30~40年代には、こうした乗用車ベースのコマーシャルカーが活躍していた。
シェルビーコブラGT500をイメージした先代マスタング。グリルにスポットランプを追加、コブラのエンブレムをフロントフェンダーに装着した。
車体上面にマットカラーのブラックをペイントし、その上からフレークをオーバーコートして、存在感のあるルックスにしたクライスラー300C。会場の中でも一際目立っていた。
United States Police AssociationのCHP仕様のフォード・クラウン・ヴィクトリア。カリフォルニア州が放出した払い下げのパトカーを輸入したようである。
じつはこのクルマ、北米で販売中のサイオンxBである。ローダウンした足廻りに社外ホイール、エアロが装着されていた。
こちらは北米のみで販売されているトヨタ・ソラーラ。グリルをブラックアウトし、大径のブラックホイールをチョイスし、チョイ悪風のルックスにイメチェンしていた。
87年型トヨタ・ハイラックスの逆輸入車。エクストラキャブ&ロングベッドで通常よりも290㎜長い車体を持つ。なお、手前のボードを持つお姉ちゃんはマネキンである。
アストロ&サファリのカスタムカークラブ「Buddy」もクラブエントリー。エアロ&カスタムペイントで完全武装のアストロ軍団だ。
2ndカマロ後期型Z28。最近ではすっかり見かけなくなったが、現役当時は日本でもメジャーなアメ車の1台だった。写真の個体は内外装ともグッドコンディションを保っていた。
スーパーカー世代には懐かしいデ・トマソ・パンテーラ。写真の個体はフルエアロを纏ったGT5仕様だ。低重心でバランスに優れたミドシップカーでハンドリングも良好。コーナリングではフェラーリも凌駕する。
伸びやかなボディラインに美しいグリーンMのボディカラーがよく映える65年型ビュイック・リビエラ。ローダウンした足廻りには組み合わされるのは、定番のアメリカンレーシング。ベストバランスなマシンだ。
New style Custom Autos Showにも出展していたCONTINENTAL KINGSの'64インパラ『EXOTIC MUSCAT』。太陽の下で見るマシンはまた別の趣がある。
57年型シボレー・ノマド。世界的人気のトライシェビーのワゴンボディ。バランス良くローダウンした足廻りに大径ビレットホイールを装着。ベストプロポーションな1台。
DEUCEの愛称で知られる32年型フォード・ロードスター。オールドスクールなルックスでまとめられたストリートロッドのお手本のようなマシンだ。北米のカスタムシーンでは依然として人気が高い。
相模原のカスタムショップ・BLOWが手掛けた軽バンベースのアメリカンカスタム。ベースとなったのはホンダ・バモス/アクティバンで、ダッジやシェビーバン風のフロントマスクを装着してカスタマイズした。