SCNはムーン・オブ・ジャパンの菅沼代表が、誰にでも気軽に参加できるアメリカン・カスタムイベントを目指し、1987年3月に第1回イベントを開催したのが始まりで、以後、会場を変えながら(ここ数年はお台場で開催されている)現在まで年1回のペースで開催されている。
今回は諸般の事情で開催が1ヶ月ほど延期され、さらには予報では天気が崩れて雨になるとのことだったのだが、大勢のカスタムファンの願いが通じたのか、当日はウソのように晴れ上がり、湿度も低く、屋外イベントに参加するには過ごしやすい陽気となった。
イベント会場には、アメリカン・カスタムの王道とも言えるストリートロッドやKustom、マッスルカーをはじめ、バニングやトラッキン、後年式のカスタムカーなども多く参加していた。
しかし、最近では旧車のクラウンやセドリック、ハイエース、軽自動車などをベースにしたドメスティックカーをベースにしたカスタムカーの参加も目立つ。
こうしたSCNの現状に対して、第1回より参加を続けており、日本のストリートロッド界の第一人者として知られるDEUCE FACTORYの笠井俊一氏は以下のようなコメントを寄せてくれた。
「第1回からSCNを見てきましたが、その時代その時代で勢いのあるクルマは変わってきました。現在は軽自動車やハイエースなどをベースにした国産車のカスタムが台数的にも目立ちますし、内容的にも非常に面白いと思います。
それらのクルマが出始めた当初、私は『こんなカスタムはアメリカにはない。これはアメリカン・カスタムではないのでは?』と疑問を感じていたのですが、今のカスタムシーンに必要なのは、こうした自由でユニークな発想なのではないかと考えを改めました。とにかく勢いがあるし、見ていて面白いクルマが多いですね。
それに比べるとちょっとアメ車勢はパワー不足を感じます。たしかに完成度が高いクルマが多いのですが、参加するクルマの顔ぶれは固定しつつあるように思いますし、もっと大胆で、遊びご心溢れるクルマが増えてほしいと思います。
『アメ車ワールド』をご覧の方の多くは、興味の中心が後年式のクルマにあると思います。でも、低年式のクルマ、とくに私が手掛けている戦前のフォードなどをベースにしたストリートロッドの世界はとても楽しく、魅力に溢れています。
たしかに、快適性や維持の面では今のクルマの方が利点が多いでしょう。しかし、味わいという点ではクラシック・アメリカンはじつに濃厚で楽しいものです。今はロードサービスも充実していますし、仮に故障して道端で止まってもなんとかなるものです。それにメンテナンスをキッチリしてあるクルマならさほど心配はいりません。過去に開催したストリートロッドによるロングツーリングイベントでも脱落車もなく東京から青森まで走破しましたから。
余裕のある方は、新しいクルマをアシにして、ストリートロッドなどを趣味車として持たれてはいかがでしょうか?
そうした意味では、さまざまなクルマが一堂に介するSCNはじつに魅力的なイベントです。興味の中心が新しいアメ車にある人でも、古いアメ車や、国産カスタムカーを実際に見て、オーナーに話を聞く機会があるわけですからね。カスタムファンにとっては良い刺激になると思います。もしもストリートロッドに興味がある方がいらっしゃれば、ぜひ私に気軽にお声をおかけ下さい。ぜひ、来年のSCNの会場でお会いしましょう!」
DEUCEの愛称で知られるモデルBの中でも、とりわけ人気の高いモデルだ。オールドスクールなハイボーイスタイル(フェンダーレスのカスタム)なスタイルで、ミントグリーンのボディカラーがよく似合っている。
エンジンはフォード302にスワップし、ミッションはC-4フロアATに換装されている。さらにブレーキはディスクに変更されているので、現在の交通事情でも不安はない。
ボディワークにもひと通り手が入っており、ルーフをチョップし、ボディをチャネリングして、全体のシルエットを低く抑えている。
じつはこのマシンは八王子のショップ「ZAPP AUTO MOTIVE」(http://www.zapp-auto.com)の販売車輛で、アメリカ本国でカスタムされたマシンを並行輸入したとのこと。販売価格は550万円程度になるそうだ。
ローライダーのベースとなることが多いインパラだが、室岡さんのインパラはレーシーな仕上がりになっている。
自己主張の強いパワーユニットは、454ベースのストローカーでブロックからすべてチューニングの手が入っている(字数に制限があるためチューニングメニューの詳細をすべて紹介できないのは残念ン!)。
さらにミッションはATから4MTに換装し、ドラッグレーサーに不可欠なNosキットを装着している。
また、インテリアはオリジナルシートを外して、69年型カマロのセパレートシートを装着し、4点式シートベルトを追加。ローダウンした足廻りに組み合わされるホイールは、アメリカンレーシング・レッドライン16インチをチョイスした。
オーナーの室岡さんによると「マシンの製作が趣味で、実際に競技は行っていない」とのこ
今回のSCN参加車両の中でも、会場の話題をさらっていたのが樋口一夫さんの65年型シボレー・マリブだ。
まるでホットウィールのメッキミニカーのような光沢を放つ鮮やかなブルーのボディは、メッキのラッピングを施した上で上からブルーのクリアーを吹いたとのこと(ルーフなどをよく見るとラッピングのつなぎ目が見える)。業者ではなく個人の職人さんにお願いしたそうである。
もちろん、エクステリアだけでなくカスタマイズの手は随所に入っている、パワーユニットは90年代のカマロ(4thか?)をベースにチューンした355ユニットに換装されており、エンジンルームも美しく磨き上げられている。
また、インテリアはメーターパネルをペイントし、オートメーター製のメーターが並ぶ。ステアリングホイールはレカラで、B&Mのレーシングシフターも備わる。
昨年のHOTROD&CUSTOM SHOWでは、COOL AWARDを受容したとのことだ。
エンジンルームから見える巨大なブロワーがいかにも走りを感じさせる会田雅彦さんの68年型ダッジ・チャージャー。
搭載されるパワーユニットは、MOPAR PERFORMANCEがリリースするビッグブロック・HEMI528に換装されており、3連のバグキャッチャースクープ下にはMOONE YHAM BLOWERS製のブロワーが備わる。
また、圧倒的なパワーを受けるために足廻りにも手が入れられており、ドラッグレーサーらしく後輪にはセンターライン製の16Jホイールに、極太のミッキートンプソン・スポーツマンが組み合わされていた。
インテリアはロールケージが張り巡らされており、バケットシートを装着。シフターはドラッグマシンでお馴染みのHURSUTが奢られていた。
かなりのパフォーマンスを誇るマシンだが、オーナーの会田さんによると「これくらいの陽気でも水温が上がる」とのことで、今後は水温対策のため冷却系を中心に手を入れて行く予定とのことだ。
一見すると美しくレストアされたウィリスワゴン……だが、ボディラインがオリジナルとは異なって見える。
じつはこのクルマ、三菱ジープJ37をベースに2ドア化してウィリスワゴン風にモディファイした車両。長野県で移動コーヒーショップ「キャラメルジープ」のショップカーだ。
ワゴンボディの三菱ジープと言えば、ジーパーの間ではオープントップよりも錆に蝕まれやすいことで知られている。が、この車輛はボディを修復して錆び対策を行い、ストックのウィリスワゴンのマスク、至る所にリアルウッドを用いてウッディワゴン風に仕上げた。
もちろん、ジープだけでは移動店舗として許可が下りないので、同時にキャンピングカーを改造してキッチンワゴンを製作。トレーラーを牽引して営業を行っている。
今回は残念ながらオーナーに会って直接話を聞くことはできなかったが、公式ブログ(http://carameljeep.blog55.fc2.com)にジープの制作過程、営業情報などがでているので1度訪れてみてほしい。
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