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絶対的容量を誇るアメ車のエアコンに必要なエアコンの定期メンテナンス

エアコンシステムの保守点検 by ABE CARS

ABE CARS での作業費用は特別価格の1万円

季節問わず必要となるエアコンの定期メンテナンス。アメ車は効きのいい容量の大きいエアコンを装備しているからこそ、しっかりしたメンテナンスを施して良い状態を維持することが必要だと思うのである。

更新日:2019.09.24

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ABE CARS Tama Garage TEL 042-311-0041 [ホームページ] [詳細情報]

エアコンにもメンテナンスが必要である

 エアコンシステムの流れの概略を説明する。まず室内のエアコンのスイッチを入れる。するとコンプレッサー内にあるガス(いわゆるエアコンガスと言われるもの)が圧縮され高圧ガスになり、コンデンサーへと送られる。

 この高圧ガスは、走行風により冷やされ液化する。そしてオリフィスを通過することで膨張し圧力が下がりエバポレーター内で冷やされ、ファンによって室内に冷たいエアが送られる仕組みである。

 室内に送られたエア以外の熱を奪われたガスは、レシーバータンクに戻り、ろ過され、再びコンプレッサーに送られる。

 エアコンとはこの繰り返しにより冷風を室内に送り込むシステムのことである。

 で、ここで注目しなければならないのは、このエアコンシステムの(配管の)中には、エアコンガスとコンプレッサーのオイルが両方同時に循環しているということである。

ABE CARSの工場にてエアコンシステムの保守点検を行った。ベース車両は2017年型のシボレーコロラドZR2。

使用する機器はKONFORT700シリーズの最高機種の780R。この780Rは、HFC-R134aガスに加え、次世代冷媒のHFO-R1234yfガスにも対応しており、それぞれのエアコンシステムの保守点検とガスの再充填を行なうことのできる1台4役の装置と言われている。

作業工程は、780Rを車体のエアコンホースの低圧側と高圧側につなぎ、スイッチオンするだけ。あとは780Rが全自動で行ってくれる。

システム内にはガスとコンプレッサーのオイルが循環している

 エアコンシステムの中心パーツとなるコンプレッサーには、コンプレッサー自体がスムーズに動くための潤滑油的なオイルが必要であり、そのオイルがシステム内を循環しているのである(このオイルも厳密に言えば汚れて劣化するため、規定量を定期交換する必要がある)。

 だから仮にガス漏れが起こりガスを注入する場合には、当然オイルも漏れているから(ガスが抜けた箇所からオイルも抜けている)、ガス注入と同時にコンプレッサーのオイルも『規定量』入れてやる必要がある(規定量を超えて入れ過ぎればそれはそれでトラブルを引き起こすから人的災害を起こさないように注意しなければならない)。

 すなわち、健全な状態のエアコンシステムとは、エアコンガスとコンプレッサーのオイルが規定量で循環していることであり、逆にいえば、この規定量の循環が何かしらの原因で滞った時に(配管の破れ、システム内の異物による詰まり等)、エアコン冷風の不調(冷えない、出ない等)が起こるということである。

 ということで今回は、このガスとオイルの循環に関するメンテナンスを行った。簡単に言えば、エアコンシステムの保守点検と言えるだろう。

 まず、各車両にはエアコンガスとコンプレッサーオイルの規定値がある。規定値とはいっても、「ここからここまでの閒」といった幅があり、例えば1から10の範囲で10がマックス値だとして、6~10が健全値といった幅である。

 ABE CARSメカニックの酒井氏によれば、新車でも規定値の最低レベルしか満たされていない車両が多くあり、何かしらの原因でギリギリの状態から値が落ちればエアコンの冷風の効きが悪くなり、毎年毎年気づかない範囲かもしれないが効きが悪くなっている。実際、メンテナンス後の冷風実温度が2℃ほど下がったことがあるというくらい。

 なので、新車なら走行距離に応じて1回目、または2回目の車検整備の際に、中古車なら定期的にガス&オイルの保守点検を行うことで、トラブルを未然に防ぐ、もしくは新車からの良い状態を長く維持することができるというのである。

780Rの内部に新規のエアコンガスとコンプレッサーオイルがセットされいてる。そして車両側のエアコンシステムから、真空状態になるまでエアコンガスとオイルを吸い上げ、780R内にて回収したガスとオイルをろ過する。さらにガスやオイル内に含まれる汚れや不純物を取り除き、車両側に戻す。その際、劣化&消費した分のガス&オイル量を補充してくれる。

ガス漏れなどの異常を途中で検知すると自動で作業をストップし、どの作業過程でエラーが発生したかをブザー音と本体上側のランプで確認することができる。

作業終了時には、付属のプリンターにて作業内容等の詳細結果が記述されプリントアウトされる。

ガスやオイルの劣化による機能低下を防ぐ

 で、その作業をABE CARSの工場にて行った。使用される機器は、KONFORT700シリーズの最高機種の780R。この780Rは、HFC-R134aガスに加え、次世代冷媒のHFO-R1234yfガスにも対応しており、それぞれのエアコンシステムの保守点検とガスの再充填を行なうことのできる1台4役の装置と言われている。

 まず、780Rに車種の設定を行う。780R内には最新の車両情報が入力されているのである。そして車両のエアコンシステムの配管、高圧側と低圧側につなぎ、スイッチオン。

 すると、車両側のエアコンシステムから、真空状態になるまでエアコンガスとオイルを吸い上げ、780R内にて回収したガスとオイルをろ過する。さらにガスやオイル内に含まれる汚れや不純物を取り除き、車両側に戻す。

 その際、劣化&消費した分のガス&オイル量を補充してくれるから、メーカー&車種ごとに設定されている規定値にシッカリ充填されることで、エアコンシステム内をクリーンにするだけでなく、冷風の効きを最大限まで引き出す効果があるのである。

 この780Rは、スイッチオンしてしまえば、エンジンをかけずに全ての作業を全自動でやってくれるため、完了までの間にほかの作業を進められる利点がある。しかもガス漏れなどの異常を途中で検知すれば自動で作業をストップしてどの作業過程でエラーが発生したかをブザー音と本体上側のランプで確認することができる。

この作業の最大のメリットとは、ガスやオイルの劣化による機能低下を回復させ、規定量の再充填により冷風の能力が復活する。さらにエアコン配管内を同時に循環している異物、不純物を取り除くことができるのだから、後のトラブルになりそうな要素を取り除き、未然に防ぐことが可能になる。=保守メンテナンスということになる。

780R内にセットされているコンプレッサーオイル等(左)。写真右に写るのは劣化したオイルが排出されたドレイン。

ドレインの拡大写真。今回使用使用した車両が2017年型とまだまだ新しいからご覧のようなキレイな状態が維持されていた。だが、距離や年式が嵩んだ車両がベースであれば、オイルは黒ずみオイル内には異物&不純物が沈殿しているのが見える。

ABE CARSは、作業費用を特別価格の1万円(税別)で行っているということだから、それほどの負担にならずメンテナンスが可能だろう。

エンジンオイルの交換と同じ感覚のメンテナンス作業

 この作業を行えば、ガスやオイルの劣化による機能低下や規定量の再充填により冷風の能力が復活するし、エアコン配管内を同時に循環している異物、不純物を取り除くことができるから、後のトラブルを未然に防ぐことが可能になるということが最大のメリット。

 しかも新車系なら5年に一度程度でいいわけだし、ABE CARSでの作業費用が特別価格の1万円(税別)ということだから、それほどの負担にならずメンテナンスが可能だろう。くわえて、最新車両に使用されているR1234yfガスにも対応しているわけだから、車種を選ばない、というのもいい(逆に古い年式には限度があり、R134aガス以降の車両ならOK)。

 さて、この作業は冒頭に記したように、基本は保守点検である。だから何かしらのトラブルを解消してくれる機械ではない。言ってしまえば、エンジンのオイル交換と同じ感覚の作業に近いと思う。

 エンジンオイルも、オイルが劣化するからこそ適宜交換する。エアコンに関するガスとオイルも作動により汚れ、また劣化するから長い目で見た保守点検が必要である。しかもアメ車の場合、もともとのエアコン容量が大きく真夏でも非常によく効くだけに、効かなくなった時のダメージが大きいからこそ、事前の対応が欠かせない。

 だからこそ、こうしたメンテナンスを適宜行うことで動作部品の健康状態を維持することが、非常に大切だと思うのである。

 また、この780Rという機種には、自動リークの検出機能があり異常を検知すると途中で作業が止まる、と記した。逆にいえば、「どこかに漏れがあるかも?」と疑わしい車両には、この機能を利用し、あえて作業を行うことで漏れの確証が得られるという効果もある。

 いずれにしても、エアコンシステムの保守点検は、酷暑になる時代だからこそ、そして絶対的容量の大きいエアコンを装備しているアメ車だからこそ、春の今の時点で行っておくことが必要だと言っていいだろう。

 ※なお、このKONFORT780Rを使用したエアコンシステムの保守点検については、過去にエアコンガスの漏れ止め剤を使用した車両には対応できません。あらかじめ使用していない車両にのみ対応可能となります。また、中古車を購入した場合で、過去の漏れ止め剤使用の履歴について不明な場合は事前にご相談ください、とのこと。

「どこかに漏れがあるかも?」と疑わしい車両には、この機能を利用し、あえて作業を行うことで漏れの確証が得られるという効果もある。ただし、漏れが確認された以降の作業は、また別途必要になるのはいうまでもない。

エアコンに関するガスとオイルも作動により汚れ、また劣化するから長い目で見た保守点検が必要である。しかもアメ車の場合、もともとのエアコン容量が大きく真夏でも非常によく効くだけに、効かなくなった時のダメージが大きいからこそ、事前の対応が欠かせない。

なお、自分の乗っている車両のエアコンガスがHFC-R134aガスかHFO-R1234yfガスかを確かめるには、ボンネットフードを開ければ分かる。ご覧のようなシールが貼ってあるから。

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