ゴールデンウィークを間近に控えた4月26日に、東京お台場で『29th Annual Street Car Nationals』(以下SCN)が開催された。例年、数百台のエントリーと1万人以上のオーディエンスを集めるこのイベントは、屋外カーショーのシーズンインを知らせる初夏の風物詩となっている。
SCNはムーン・オブ・ジャパンの菅沼代表が、誰にでも気軽に参加できるアメリカン・カスタムイベントを目指し、1987年3月に第1回イベントを開催したのが始まりで、以後、会場を変えながら(ここ数年はお台場で開催されている)現在まで年1回のペースで開催されている。
今回のSCNは、MOONEYESの7つのアワードのほか、各雑誌社からのアワード選考があり、受賞のチャンスが大幅に広がったことが特徴となった。イベント会場には、アメリカンカスタムの王道とも言えるSTREET RODやKustom、LOW RIDER、マッスルカーをはじめ、ミニトラックやバニングなど、ジャンルを超えたさまざまなマシンが集まった。
近年では世相を反映してか軽自動車などのドメスティックカーをベースにしたカスタムカーの勢いが増しており、メインとなるMOONEYESの7つのアワードのうち、半分以上の4つをアメ車以外が受賞した。とは言え、アメ車に勢いがなかったということではなく、写真で紹介するマシンのようにレベルの高いマシンも数多くエントリーしていた。
どちらかと言えば30~70年代のクラシックモデルが中心のイベントではあるが、2000年代以降のマスタングやカマロ、SUVなどもまとまった台数がエントリーしており、新旧いずれのファンも楽しめる内容となっていた。この間口の広さがSCNの魅力のひとつかも。
今年は天候に恵まれたこともあり、家族連れやカップル、ペット連れなどの姿も目立ち、来場者はアットホームな雰囲気で思い思いに休日を楽しんでいた。誰でも気軽に参加できるイベントなので、カーショーにエントリーした経験がない人は次回こそ愛車で参加してほしいし、SCNに行ったことがない人はぜひ1度会場に足を運んでほしい。
気になった車両をいくつか上げると、まずは65年型フォードファルコン。オーバーフェンダーにフェンダーミラーの組み合わせから一見すると、最近アメリカで人気を集めている日本製旧車に触発されたJapanese Customにインスパイアされたものかと思ったがさにあらず。
オーナーによればダートレーサーを意識したレースカーとして仕上げたとのこと。実際に筑波のショートコースなどを走っているマシンと言う。どことなくハコスカっぽく見えるのが面白い。
また以前にカスタム途中の状態でSCNエントリーしていたPTクルーザーの完成形。リアドアとリアのサイドウインドーをスムーズし、ハッチゲートを観音開きに改造、さらに後輪にスパッツを追加するなどの徹底したカスタマイズが施されている。
モチーフとなったのは戦前に活躍した商用車のセダンデリバリー(セダンベースのライトバン)で、同車の特徴的なフォルムを活かしたOLD SCHOOLな雰囲気で仕上げられたカスタムである。
昨年のStreet Car NationalsでCOOLアワード、HOTROD CUSTOM SHOWでBEST HOT RODほか、各イベントでアワードを総嘗めにした71年型シボレーシェベルワゴンもレベルが高かった。
製作は千葉のANDY'S ROD WORKS。非常にレベルの高いマシンで、350エンジンにEdel Blockキャブ&インテーク、Tru Trac Systemを組み合わせており、足回りはTru Trac Systemエアーユニットに19インチのSCHOTT WHEELS VENOMが組み合わされている。
そして大胆なカスタマイズが施されたシボレーアストロ。特徴的なインテリアは和風テイストでまとめられている。スムージングされたサイドウインドーの内側は障子が貼られ、トリムは表面をバーナーで炙って木目を浮き上がらせたリアルウッド仕立てとなる。
床は畳が貼られており、中央には火鉢を配したテーブルが置かれている。茶室のような落ちついた雰囲気がじつによい味を醸し出していたのである。
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