更新日:2015.03.13
文/マリオ高野 写真/古閑章郎
2015年の春に導入される最新マスタングは、誕生50周年を記念した「50 YEARS EDITION」。2.3リッター直4直噴ターボエコブーストエンジンに6段ATを組み合わせた特別仕様車となり、内外装に50周年記念エンブレムやプレートが付き、ロゴがエンボス加工された本革シートが装着される。左ハンドルで、ボディカラーは全7色という設定。350台の限定販売である。来年にはV8モデル搭載車も追加されるというが、直4、V8モデル共々右ハンドル設定のみとなってしまうから、「マスタング+左ハンドル車」という仕様はこの「50 YEARS EDITION」で終了となる。ある意味希少車。
G.G.佐藤:外観のデザインは最高ですね。見てるだけでテンション上がります! 存在そのものがワクワクするようなクルマですよ。乗って云々より、カタチだけでも欲しくなる。これぞアメ車です(笑)
マリオ高野:そんなマスタングも、まさかの4気筒搭載です。2.3リッター直噴ターボのエコブースト。314馬力で、数値上は先代モデルのV6よりわずかにパワーアップしてますが…。
G.G.佐藤:時代の流れが来てますね~(笑) でも、マスタングはリアルスポーツカーじゃないから、デザインが良ければエンジンは小さくなっても全然OKですよ。もしもコルベットで4気筒だと猛烈違和感ありますけどね。本国にはV8もあるんでしょ?
マリオ高野:現状、日本で買える新型マスタングは生誕50周年記念モデルの4気筒のみですが、本国にはV6もあり、V8は来年上陸する予定です。しかも右ハンドルで。それにしてもこの4気筒、数値以上に多気筒っぽいトルク感ありますね。
G.G.佐藤:「昔ながらのドロドロ系の音こそしないけど、アメ車らしいゆったり系のトルクの出方ですよね。4気筒でもちゃんと豊かな物量感がでてます。スポーツモードONとかで頑張るより、ノーマルモードでゆったり流すのが向いてそうですね。そういうところは意外に往年のアメ車っぽい。個人的にはこの4気筒で問題ありません。
マリオ高野:思ってたより全体的にアメ車度が濃いですね(笑)
G.G.佐藤:うん、もっと近代化というか、国際化してドイツ車的な乗り味が強まったと思っていましたけど、運転感覚は良い意味でアメ車そのものですよ。チマチマしたことはあまり考えず、大胆に仕立てたクルマって感じがします。本当はすごく剛性が高いんでしょうけど、感覚としては全然ガチガチな感じじゃない。本当は直進安定性とかも完璧なんだけど、どこかに良い意味での緩さみたいなものがある。乗ってるとおおらかな気持ちにさせてくれるところがあります。たぶん、50年前に初代を買った人が乗ってもマスタングだってわかるんじゃないですか(笑)
マリオ高野:日本のクラウンみたいな感じで、作り手がユーザーの好みをよくわかってる感じがしますね。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:50 YEARS EDITION
■全長×全幅×全高:4790×1920×1380mm
■ホイールベース:2720mm
■車両重量:1660kg
■エンジン:直4DOHCエコブーストターボ
■総排気量:2260cc
■最高出力:314/5500[ps/rpm]
■最大トルク:44.3/3000[kg-m/rpm]
■駆動方式:FR
■トランスミッション:6AT
■乗車定員:4名
■車両本体価格:465万円(税込)
2014年に6年ぶりのフルモデルチェンジによって登場した新型チェロキーのラインナップはロンジチュード、トレイルホーク、リミテッドの3種類。ロンジチュードはFFベースでフィアット製マルチエア採用の2.4リッター直4エンジンを搭載。その他は、3.2リッターV6エンジンを採用し、駆動システムはオンデマンド方式の4WDとなる。エクステリアデザインは、台形型のフェンダーアーチや7スロットグリルなどといったジープの伝統を受け継ぎつつ、「ウォーターフォールフード」と呼ばれるグリルを一体化したボンネット形状が斬新。
マリオ高野:こちらも新時代対応型のアメ車です。チェロキーもFFベースのクロスオーバーになりました。
G.G.佐藤:それでも外観デザインは超個性的で、存在感としては歴代ナンバーワンじゃないですか? パッと見の印象は強烈ですよ。やっぱり、アメ車は押し出しの強さが大事です!(笑)
マリオ高野:エンジンは2.4リッターの4気筒で、ミッションはイヴォークなどにも積まれるZFの9速AT。上級グレードにはV6もあります。
G.G.佐藤:ATのギアもついに9速まで増えましたか(笑)。 だけど、言われないと絶対に9つもギアがあるって気がつかないですよね。あまりにも変速が滑らかすぎてフトゥー(普通)に感じます。見た目は尖ってて、スペックは超先進なのに乗るとすっごくフトゥー(普通)というギャップが面白い(笑)
マリオ高野:乗り味は普通っぽくなっても、ジープブランドらしい屈強性能は健在です。凝った4WDシステムにより、本質的にはガチのオフローダーであることがわかりますね。
G.G.佐藤:乗り味面も、他の都市型クロスオーバー車よりは断然ヘビーデューティな味が濃いですよね。都会のアスファルト限定のSUVじゃないってことが直感的に伝わってきます。アメ車らしいおおらかな感じもあるし、ジックリ乗ると本当はフトゥー(普通)じゃないってことがわかりますね。レベルが高くて奥の深いフトゥー(普通)ですね 。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:ロンジチュード
■全長×全幅×全高:4630×1860×1700mm
■ホイールベース:2700mm
■車両重量:1730kg
■エンジン:直4SOHC
■総排気量:2260cc
■最高出力:177/6400[ps/rpm]
■最大トルク:23.4/3900[kg-m/rpm]
■駆動方式:FF
■トランスミッション:9AT
■乗車定員:5名
■車両本体価格:415.8万円(税込)
G.G.佐藤:今日はヨーロッパ車にもたくさん乗らせていただきましたが、やっぱり「アメ車は今でもアメ車だ」という印象が強く残りました。時代の流れに合わせた進化を遂げながら、個性の面ではしっかり伝統の味を残しています。4気筒エンジンなんかは、ひと昔前ならアメ車に載せるべきものではないというイメージでしたけど、アメ車らしさのツボをちゃんと抑えているので違和感がなく、むしろこれでオッケーだと思わせてくれるところが上手いですよね。相変わらず「他の国のクルマとは違う」という主張が強く現れているような気がします。現役の野球選手も、定番のベンツやアウディ、レクサスばかりではなくアメ車にもっと注目すべきですよ! そして己の個性をもっと主張すべきです。もちろん、野球でもね。
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