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車両搭載のセーフティ機能を活かそう

2008年以降のアメ車には全車標準装備のTPMS。このセーフティ機能を知らずにメーター内部の警告灯が点灯している車両が多数あるという。その実態と対処法について取材した。

更新日:2017.10.10

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/阿部商会 TEL 0332332671 [ホームページ] [詳細情報]

タイヤの機能を生かすために必要な確認事項

 タイヤとは、クルマと路面を結ぶ唯一の接点。だからタイヤは車体を支えるのはもちろん、走る、曲がる、止まるといった基本的動作をつかさどる超重要なパーツである。

 だが、アメ車オーナーの場合、タイヤの性能に目を向けるというよりは見た目の性能にこだわったり、タイヤのことを気にしなかったり、知らなかったり…。

 タイヤは、加速や減速、停止や曲がりといったドライバーからの指示を的確に路面に伝え、同時に乗り心地を保持するための快適性に作用する働きを持つ。すなわち、「荷重を支える機能」「駆動、制動を支える機能」「進路保持を支える機能」「路面からの緩衝機能」を持っているのである。

 これらの機能はクルマの走りの根幹部分にあたり、そこにタイヤが密接にかかわっているからこそ、タイヤは重要なパーツとなり、タイヤの性能を維持するための点検&メンテナンス、もしくは交換等が必要になってくるのである。

 で、われわれオーナーレベルで直接可能なタイヤのチェックポイントしては、タイヤの溝、偏摩耗、空気圧、タイヤの寿命(タイヤの製造年月日の確認)といった4項つの項目があげられる。

 たとえばタイヤは、走行距離が増しすり減ると溝がなくなり、スリップサインと呼ばれるサインが出るようになっている。スリップサインとは溝の深さが1.6ミリを示す目安である。

 たとえばアライメント不良が起こるとタイヤに偏摩耗が起こり、ステアリングが取られたりと、異常が感知されるわけである。

 では、空気圧は?

 もちろん、空気圧が極端に変化したりパンクしたりすれば、直接的な要因やそれにまつわる乗り心地や車高の変化等で異変に気づくことは確実だが、でも一般的には「圧を気にする方は少ない」という風に言われている=圧の微妙な変化を体感するのが難しいからである。

 しかも一般的にはガソリンスタンドにて給油時に計測したり、行きつけのショップにて計ってもらったり自分で計ったり…。すなわち「ちょっと変だな」と何かを体感した時に、もしくは前もってチェックするような自己管理に委ねられている。

運転前に毎回運行前点検を行っている方なら問題ないが、空気圧を軽く見ると結構な落とし穴が待っていることがある。逆に、適度にでも空気圧をチェックしていると、パンク等を見抜くこともあり大いに助かる場合もある。アメ車では大きな事故が起こり国家的な対策として2008年から空気圧の自動チェック機能を搭載している。日本車にもその波は確実に押し寄せている。

2008年以降のアメ車だと、こうしてメーター内にて空気圧がモニターできる。そして異常があれば警告灯が点灯する。ご覧の空気圧は左後輪のみ圧が低い。この状態が日に日に悪くなればパンク等を疑い、大事に至る前に処置することが可能になる。

そしてモニターに映し出される圧をチェックしているセンサーがこれ。左が純正のレネゲード用で右が純正のカマロ用。エアバルブとセンサーが組み合わされている。

2008年以降のアメ車に搭載されている空気圧チェックシステム

 だが、2008年以降のアメ車にはタイヤの空気圧を監視するセンサーが装着されているために空気圧の異常が起こればメーターパネル内に警告灯が点灯し教えてくれるのである。そしてこのシステムを「TPMS」=Tire Pressure Monitoring Systemという。

 というわけで、2008年以前のアメ車は、上記のように自ら空気圧のチェックを行い自己管理の必要があるが、2008年以降の車両は異常があればセンサーが教えてくれるために、空気圧不足による偏摩耗やバースト、事故を未然に防いでくれるのである。

 ちなみにこのTPMSセンサーであるが、2000年に起きたタイヤエア圧低下に起因する重大事故、その後のタイヤリコール問題を受けて、米国で自動車の安全性に関する規制「TREAD法」成立。そして2007年9月(いわゆる2008年モデル)から米国で販売される新車の100%にタイヤプレッシャーセンサー(TPMS)の装着が義務化されたという流れである。

 その後、この流れは欧州車にも波及し2012年に義務化、2013年には韓国で法規化されており、日本でも近いうちに法規化される可能性が高いと言われているのである(レクサスには既に装着されている車両が登場している)。

 なお、このTPMSの仕組みであるがタイヤのエアバルブにセンサーが組み付けられ、タイヤの空気圧や温度を送信機内のセンサーで直接測定し、その情報を無線で車体の受信機に送りドライバーに知らせるシステムである。

 よって、センサー化されているということで、街中を走る様々な車両のセンサーを誤受信しないようにセンサー個々にIDが刻まれ、そのIDを車両に登録することで自車のセンサーを識別し空気圧のをモニタリングを行っているのである。

 ということで、かなり長~い前置きだったが、今回のテーマはこのTPMS。すなわち2008年以降のアメ車についてということである。

右上で紹介したセンサーがご覧のようにホイールに組み込まれ圧のチェックを行っている。

センサー個々にIDが刻まれ、そのIDを車両に登録することで自車のセンサーを識別し空気圧のモニタリングを行っている。すなわち、「Aのセンサーは左前輪。Bのセンサーは右前輪etc」と認識されているから、その順列が変わっても警告灯が点灯するのである。

そして異常があれば、ご覧のような警告灯が点灯する。問題は、この警告灯がなぜ点灯したのか。「Aのセンサーの異常か」はたまたそれ以外か。それを見極める必要がある。

TPMSは消耗品として交換が必要になる

 上記の一連の流れを把握し想像を膨らませると、いくつかのことが思い浮かぶ。まず、TPMSが空気圧の異常を感知すると、メーターパネル内にどういった警告灯が点灯するのか。さらにこのTPMS自体が故障することはないのか。またはタイヤ交換をした場合、ホイール交換をした場合等、ノーマル純正状態ではない場合は一体どうなるのか… etc、疑問、質問が絶えないわけである。

 ということで、このTPMSのセンサーを扱っている阿部商会に、TPMSの現状について聞いてみた。

 まずはTPMSとは、タイヤの空気圧をモニタリングし、空気圧に異常がある場合、ドライバーに異常を伝えるシステム。空気圧や温度の情報を車両へ送信する一般的なTPMSは、車両のホイールに装着されておりセンサー内部の電池で動作しているため交換が必要な消耗品なのだという。

 さらに4輪すべてに装着されているTPMSは、4輪それぞれに独自のIDを持つことから、仮にタイヤの消耗によるタイヤのローテーションを行った場合でも、4輪のIDの順列が変わってしまうために、そのIDが変わったことを車側に入力学習させなければならない(
モデルにより学習方法は異なり、自動学習する車両もある)という=入力しなければ異常と感知し警告灯が点灯する。

 いきなりの衝撃的事実。まずはTPMSは消耗品という。すなわち、センサーの内部電池が切れれば消耗品としての交換が必要になり、その際もメーターパネル内に警告灯が点灯する。ということで、メーターパネル内に警告灯が点灯した場合、TPMSによる空気圧の異常の場合とTPMSセンサの内部電池の消耗が考えられ、さらにはタイヤのローテーション等でIDの順列が変わった場合にも点灯するということである。

<メーターパネル内の警告灯点灯事例>
■TPMSによる空気圧の異常感知
■TPMSセンサーの内部電池の消耗
■ローテーション等でIDの順列が変わった場合
■ホイール交換によるTPMSセンサー自体の未装着
etc

たとえば「Dの右後輪」に異常が起こった場合、警告灯が点灯するが、空気圧の異常であれば空気圧を補充すればいいが、「Dのセンサーの消耗」だった場合は4輪のセンサーすべてを交換する必要がでてくる。なお、ショップによってはセンサーの寿命等を見極めるツールを所有していることもあり、異常の内容の見極めが可能になる。

4輪それぞれに独自のIDを持つことから、タイヤの消耗によるタイヤのローテーションを行った場合でも、4輪のIDの順列が変わってしまうために警告灯が点灯する。だがその場合、IDの順列が変わったことを車側に入力学習させればOKとなるが、させなければずっと警告灯が点灯したままになる。

4本同時交換が望ましい

 なお、センサー自体が正常であり空気圧の低下の異常を知らせる場合は、メーターパネル内で見られる空気圧の数字にて分かる。現状よりも圧が下がっていることを示す数値がモニターに出るはずである(厳密にはモニター表示の出方もモデルにより異なる)。

 一方、センサーの内部電池が消耗品として役割を果たし終えたときには、車両にもよるが、そのメーターパネル内のモニターに数字が出ない。たとえば3輪分の数字が出ているが1輪のみ数字が出ていなければ、その1輪のセンサーが寿命を迎えたということになる。

 ということで、空気圧の異常かセンサーの内部電池の消耗は上記のモニターに出る数字や警告灯で判断できるのである。

 ちなみに、センサーは4輪に装着されているが、消耗品であっても4輪すべてが同時に消耗品としての役割を終える可能性は低い。

 だが、普通に考えれば、1輪のセンサーが役割を終えた場合は、多少の時間の差異はあったとしても残り3輪の寿命も近いと考え、4輪すべてを同時に交換するのが基本である(1輪ずつ交換した方が結局割高になり損をする場合が多い)。

本来はご覧のように空気圧が常にモニター出来る状態が好ましいわけで、こうしたセーフティ機能を殺さないことをユーザーは強く意識すべきである。

だが、何かしらの異常が感知された場合には、ご覧のような警告灯表示によってユーザーに知らされるわけだから、警告灯表示を無視せず対応することが望ましいのである。

<関連記事>
>> TPMS 基礎講座 vol.2 を見る
>> TPMS 基礎講座 vol.3 を見る

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