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アナタのアメ車、冷えないのは本当に「ガス」が足りないだけ?

間違いないエアコンメンテナンス

酷暑を前に正しいガスチャージを!

絶対的容量を誇るアメ車のエアコンシステムにも適切なメンテナンスが必要。酷暑の夏が来る前に専門ショップでの点検はいかがでしょうか。

更新日:2020.07.27

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ABE CARS Tama Garage TEL 042-311-0041 [ホームページ] [詳細情報]

エアコンの正しいメンテナンスとは

 取材車両となったフォードエクスプローラーは、2011年に登場したクロスオーバーSUV。仮に初期型オーナーであれば、すでに9年。マイナーチェンジがあった2016年車でも4年が経つ。

 さすがに、こういった現代版の車両においては、エアコン系のトラブルはほとんどないというが、「効きが悪くなってきた」という車両は少なからずあるという。だが、これをもってトラブルだ、ということにならないという。

 ABE CARSメカニック青木氏いわく「どんな車両でも、エアコンホース等のつなぎ目から微量ながらもガスは絶対に漏れます。だから長いスパンで効きが悪くなることはあり得るのです」

 日本の四季のなかで使用する個体であれば、一年中エアコンが作動していてもおかしくはない。だから、「効きの悪化に気づかない」ということも大いにあり得るのだが、だがABE CARSにて車検等の整備後には「エアコンが良く効くようになった」というユーザーからの声が多く届くようになったということで、その内容を聞いてみた。

 「要するに、メンテナンスをおこなっただけです。実際にメンテナンス前後で同じエアコン風量にて2℃冷えが変わったという車両があったくらいです」

 青木氏の言うメンテナンスとは、「冷えない=ガスチャージ」ではない、「正しいメンテナンス」である。

2011年に登場したフォードエクスプローラーはいまだ安定した販売が続いている車種である。しかもトラブルは少なく、最近ではパワステのトラブルが数例起きているというが、それ以外はほとんどないという。

だから、シッカリとしたメンテナンスを続けていれば、長期に渡り良好な状態で乗れるSUVという。エアコンに関しても、トラブルというよりはメンテナンスが必要であり、正しいメンテナンスが推奨されている。

さらばアナログ的ガスチャージ

 簡単にまとめると、エアコンシステムの中心パーツとなるパーツにコンプレッサーがあり、そのコンプレッサーがスムーズに動くためには潤滑油となるオイルが必要であり、そのオイルがシステム内を循環していて、このオイルも厳密に言えば汚れて劣化するために定量を定期交換する必要がある。

 すなわち、エアコンシステムのなかには、エアコンガスとコンプレッサーを動かすオイルが同時に循環していることになり、エアコンガスが抜けるとともにコンプレッサーのオイルも同時に抜けている。だから、エアコンガスを補充するときは、コンプレッサーのオイルも同時に補充しなければならない。

 だが、多くの方はガスのみを補充する。だから冷えない、もしくは別のトラブルが起きたりして、「アメ車のエアコンはすぐに壊れる」といった情報だけが世に回る。間違いだらけのガス補充よる人災にもかかわらず、だ。

 ちなみに青木氏が「正しいメンテナンス」と言ったが、その正しいとは、ガスとオイルの正しい補充という意味である。

 もうひとつ。この正しい補充であるが、いまだ人為的なガス補充を行っているショップも多々あるはずだが、この人為的な補充作業にてガスの入れ過ぎといったトラブルが起きることがあるという。また、こういった人為的な補充においては、コンプレッサーオイルの注入も人為的な補充になるが、それができないショップもあるというから、注意が必要である。

 さて、ABE CARSで行っているエアコンメンテナンスであるが、じつは機器を使ったワンタッチ操作による作業で、クリーンな状態のエアコンシステムが維持可能になる最新機器。KONFORT700シリーズの最高機種780Rである。

かつては、そして今もこのようなアナログ的作業でエアコンのガスチャージを行っているショップは多々あるのかもしれないが、ABE CARSでは各種セットを澄ませばスイッチオンで作業が開始できる機器を使用しているから、作業トラブルが全く起こらない。

クリーンな状態のエアコンシステムが維持可能になる最新機器。KONFORT700シリーズの最高機種780R。

人為的作業によるトラブル回避

 しかもこの機器は、R134aガスだけでなく1234yfガスにも対応しているから、エクスプローラーであれば年式を問わない。もちろん、エクスプローラー以外の車両でも作業可能であるから便利この上ない。

 この780Rの内部に新規のエアコンガスとコンプレッサーオイルをセットし、機器と車両のエアコンの低圧側と高圧側をホースで繋ぐ。そして車両情報をインプット(この機器の中に情報が網羅されているし、この機器が登場して以降の新車種等は車両情報をアナログ的に入力も可能)、スイッチオン。

 すると車両側のエアコンシステムから、真空状態になるまでエアコンガスとコンプレッサーのオイルを吸い上げ、780R内にてそのガスとオイルをろ過してくれる。

 さらにガスやオイル中に含まれる汚れや不純物を取り除き、車両側に戻す。その際、劣化&消費した分のガス&オイル量を補充してくれるというスグレモノだ。

 この作業によるメリットは、ガスやオイルの劣化による機能低下を回復させ、規定量への再充填により冷風の能力が復活する。さらにエアコン配管内を同時に循環している異物や不純物を取り除くことができるのだから、後のトラブル要素を取り除き、未然に防ぐことが可能になる=最良のメンテナンス。

780Rは、HFC-R134aガスに加え、次世代冷媒のHFO-R1234yfガスにも対応しており、それぞれのエアコンシステムの保守点検とガスの再充填を行なうことができる最先端の装置。なお、自らの車両のエアコンガスがR134aガスかR1234yfガスかを確かめるには、エンジンルームに貼ってあるステッカーにて認識することができる。

780Rと車両のエアコンの低圧側と高圧側をホースで繋ぐ。そして車両情報をインプット。そしてスイッチオンすれば全自動で作業が行われる。

車両情報を入力することで車両のエアコンガス種類やコンプレッサーオイルの量等が把握される。だから「入れ過ぎ」といった人為的トラブルの象徴となるようなことが起きない。

ご覧の通り、このような状態で機械がすべてを自動で行ってくれる。最大のメリットは、エアコンが健全な状態になることだが、もう一つ。とにかく人為的なトラブルが起こる隙間がないことだ。

合言葉は「ガス」と「オイル」

 要するに、健全な状態のエアコンシステムとは、エアコンガスとコンプレッサーのオイルが規定量で循環していることであり、逆にいえば、この規定量の循環が何かしらの原因で滞った時に(ガス&オイル量の変化、配管の破れ、システム内の異物による詰まり等)、エアコン冷風の不調(冷えない、出ない等)が起こるのだ。

 ちなみに、この作業中に車両のエアコンシステムにトラブルが発見された場合、途中で作業が終了し、どの段階で作業がストップしたかが記される=トラブル探知としても使用可能である。

→異常なく、ガス量が不足の場合は、規定量に満たしてくれる
→配管等の破れでガス漏れ発見の場合は、作業がその段階で終了する

※配管等の破れでのガス漏れの場合は、このシステムでは治らず、別途作業を行い配管等修理をする必要が出てきます。

 この作業自体の費用は1万円+税(ガスやオイルは別費用)ということだから、それほど高額ではないし、何よりアナログ的な人為的作業によるトラブルとおさらばできるのだから素晴らしい。

 冷えが悪くなると「ガスチャージ」と誰がも連想するのだろうが、実際にはそれだけではない。エアコンシステムにはガスとコンプレッサーのオイルが混在するからガスが抜ければオイルも抜けている。それを補わずガスのみチャージするのは間違い、もしくはガスのみチャージするから壊す、ということである。

 なお、青木氏によれば、この作業は新車を購入したのであれば車検ごと、中古車であれば購入時に一度、それ以降2年から3年に一度くらいのペースで作業するのがよろしいのでは、ということである。

 日本では、特に日本の夏では欠かせないカーエアコン。酷暑を前に一度リフレッシュしてみてはいかがでしょう。

780Rの裏側にセットされている新規のコンプレッサーオイル等(左)。ろ過されたガスやオイルが不足している場合は、この新規のモノが使用される。写真右に写るのはろ過され排出された劣化したオイルが貯まるドレインとなる。

そのドレインの拡大写真。ろ過され排出されたオイルは、今回ご覧のようなキレイな状態が維持されていた。だが、距離や年式が嵩んだ車両がベースであれば、オイルは黒ずみオイル内には異物&不純物が沈殿しているのが見えるという。

高年式の車両ではほとんど見られなくなったエアコントラブル。だが、冷風の効きの悪化は避けられない。だから、車検ごとにでも適切なメンテナンスが奨励される。年数が経った車両であればあるほど効果てきめんなはずである。

考え方とすれば、エンジンオイルの交換と同じようなものかもしれない。2、3年に1度、正しいメンテナンスを行ってみるのはいかがでしょう。

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