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もはや電子デバイスが追いつかない領域のトラブル事例あり

2022年版 非分解修理 〜最先端修理の現場〜

2020年以降の新車には過去の経験値は全く通用しない

2020年以降の最新車両は確実に良くなっている。が、良くなっているということはメカニズムが複雑化しているということでもあり、そういう意味では整備に関してもその複雑化した内容に合わせたレベルアップの対応が求められる。その現場を取材した。

更新日:2022.03.08

文/田中享 写真/古閑章郎

取材協力/クワッドドライブ TEL 048-281-5853 [ホームページ] [詳細情報]

2020年前後では天と地の差がある

 クワッドドライブを訪ねるとリンカーンナビゲーター、コルベットC8、ダッジデュランゴSRTヘルキャット、ダッジチャレンジャーヘルキャット、そしてテスラモデルXが修理や整備、改善を待っていた。

 いや、正確にはテスラモデルXはクワッドドライブ代表林氏のクルマであり修理対象車ではないのだが(取材日5日前に納車されたばかりであったから後日改めて取材となった)、全体的に「最新車両が増えたな」という大きな変化を感じ取った。

 すなわち、その日に工場内にあった車両たちは、今人気の最新車両ばかりであり、そうした最新車両を扱うことが昨年末から非常に増えたということであり=整備に対する意識の変化や作業内容の変化が求められるという。

 それは年々複雑化しているシステムやエンジンルーム内が完全にブラックボックスと化していること、さらにエンジンの構造自体も複雑化し、それ以外に様々な機能が装着され、部品点数も膨大になっているから。

 だから2015年型キャデラックエスカレードの整備対応ができたからといって2021年型エスカレードの対応ができるとは限らないし、もっと言えばコルベットC8の整備は非常に困難を極める。

 それは診断時に使用する電子デバイスの情報処理量が増え、表示される無数の数字から事の真相(トラブルの原因)を暴かないといけないからである。

 逆にデュランゴSRTヘルキャットは、電子デバイスのデジタル処理が追いつけなくてその数字自体が読み込めないというからまた別の意味で難解を極めるわけである。

 だから2020年以降に発売された新型車の修理には、小手先のテクニックは通用せず、いわゆる勘に頼った修理や経験値の高さだけでは対応不可能であり、正確なデータに基づいた精度の高い作業が必要になるということである。

▲最新車両の整備が多くなっているクワッドドライブ。

▲最新車両は正確なデータに基づいた精度の高い作業が必要になるため、整備に対する意識の変化が求められるという。

トラブルの原因を机上で見極める

 そこでクワッドドライブが日頃実践している「非分解修理」について聞いてみた。非分解修理とは、文字通り非分解で修理を行うこと。正確には、7割から8割がたトラブルの原因であろう部分を見極めるまで分解せずに対応するというもの。

 というか、これ、普通に聞けば「当たり前なんでは」と思うかもしれない。

 だが、修理業界では、例えばエンジンがかからなくなったからといって、即座に「コンピューターが原因だわ」と過去の経験値とやらで即座に対応し、十数万円もするコンピューターを換えてしまうという事例が後を絶たない。

 だが、実際にはそれが原因でなくともエンジンがかからない症状は確実に起こるわけだから、当然、コンピューターを換えても治らないわけである。で、これまた当然だがその治らなかったコンピューター代はユーザー持ち。

 この場合、過去の経験やらで即座に「コンピューターが原因」と判断したメカニックが最大のガンであり、そもそもエンジンが始動しない他の理由を知らない能力のなさも伴い、こうした人間が勤めるショップにクルマを持ち込んだ方は本当に気の毒としか言えないのだが、上記の非分解修理を行えば、こうした事例が起きることはまずないのである。

 「最新の車両と言いますか、年式が新しくなればなるほど非分解の修理が必要になると考えています。というのも、症状がはっきりと出ず、一瞬出たりするだけの場合もあり、故障診断をする前に症状の確認すら難しい場合もありますから、そんな時点で分解交換作業をしてしまえば、正確な理由もわからず作業することと一緒ですのでギャンブル的であり、ありえないわけです。また迂闊に触ってしまったことで、症状を消してしまうこともありますから最大の注意が必要です」

▲手持ちの分厚いファイルには過去のトラブルシューティングの実践例が記されており、その集積は驚くほどの量に達する。

▲非分解修理を行うためには、車両の配線図やデジタルデバイスのデータやオシロスコープの波形がもたらす変化を見逃さず、これらをベースに理詰めのシナリオを数パターン用意することから始める。

▲もはや電子デバイスのデジタル処理が追いつかないようなレベルの故障修理もあり、そうしたものに対応するには理論的根拠に基づいた非分解修理を実践することができなければならないという。

▲時にオシロスコープを利用して波形をチェックし、故障原因の根拠を理論的に推察すること必要になる。

誤診断を招く「騙し」にも注意を向ける

 だからクワッドドライブでは、まずは症状を確認し、故障診断を行いデータを確認する。そしてそのデータの解析から机上で7割がた診断しシナリオを何パターンか作成する。トラブルの症状によりけりだが、多くて10パターンくらいか。

 ちなみにシナリオ立てだが、それは言葉でいうほど簡単なものではない。その車両の配線図を用意し確認しながら、電子デバイスのデータを精査し、それらひとつひとつを分解せずに理解&確認しつつ、「どこでどんなトラブルが起きているのだろう」ということをイメージしながら進めていくのである。

 その中には当然、誤診断を防ぐための「騙し」をも考慮しており、シナリオ立てが終わった後にそのシナリオに則った残り3割の実作業に入るわけである。

 「非分解ということで手間がかかりそうに思うかもしれません。ですが、実際にはこの手法が最も効率的な診断方法であり、複雑にコンピュータ制御された車両はこの手法でなければ修理することができないと考えます。と同時に、最終的な原因特定には部分的な分解が必要ですが、確実な修理箇所の特定に至るまでの無駄な作業を最小限に抑えることができのです。

 くわえて、弊社では部品検索ソフト(EPC)を全メーカー完備しており、部品構成の理解を深めたり、最新品番、対策品番を調べて故障診断の確度を高めています。同時に部品の取り寄せや問い合わせは直接本国メーカーとやり取りしているのでリアルタイムの情報を入手することができ、メーカーリコールやTSB(Technical Service Bulletin)もメーカーオンラインで取得できるので的確な修理が可能になります」

▲部品検索ソフト(EPC)を全メーカーで完備したり、部品の取り寄せや問い合わせを直接本国メーカーとやり取りしたりすることで、部品構成の理解を深め、部品の側から故障診断の確度を高める等、あらゆる角度から「絶対に治す」という姿勢を貫いている。

▲ひと昔前の自動車整備は職人的な勘やノウハウや経験値でなんとかなったものもあったが、少なくとも2020年以降の新車レベルになると、ブラックボックス化された部分を含めたシステムや機能に関する理論的な認識がなければ修理対応は不可能に近いと林氏は言う。

▲これまでに何度もEV時代到来の話をしていた林氏。クワッドドライブでも将来的にEV作業を検討しているだけにテスラのサイバートラックを購入していたがまだ販売が始まっていない。ということで新たに購入したテスラモデルX。詳しい報告は次回改めて取材して行う。

非分解はユーザーの負担を確実に軽減する

 要するに、シナリオ立てすることで理論的な根拠をベースに診断を行っているから見逃しや誤診断がなく、上記のような不必要なパーツ交換や作業がなく、それに伴い無駄な部品交換が起きないからそれによる費用やトラブルが発生することがなく、結果的に作業時間が短縮され工賃も安くなる。一ヶ月以上工場入りし、それでも治らず、でも費用だけは請求されるというようなことが決して起きることがないということである。プラスしてパーツ面からも故障診断の確度を高めるために理解度を深めているということである。

 「最新車両のように、クルマが良くなれば当然制御が複雑になります。制御が複雑になれば、それはもう昔のようなアナログ的な診断では修理不可能と言えるのです。逆にそういった作業によって人災ともいえる二次的トラブルを起こすこともありますから注意が必要なのです」

 クルマを販売する側からすれば、2020年以前も以後も同じクルマに変わりなく、ただただ輸入し販売すれば良いのかもしれない。だが、修理する側からすれば、2020年前後では天と地の差があるということである。

 だから、そうした年代の車両に乗っている方は、そうした事実に向き合い対応している工場にクルマを持ち込むのが最善の策であると言えるのである。

▲昨年末から修理と同様に作業が多くなっているのが、エアコンガスの充填。いわゆる「R1234yf」ガスの充填には専用の機器が必要であり、それを持つクワッドドライブには作業依頼が多くなっている。

▲こちらがその充填機。活用頻度が如実に高まっているという。

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