『Mopar '11 Charger』は、一昨年に発売された『Mopar '10 Challenger』と同様にクライスラーのアフターマーケット(総合パーツ)部門であるMopar(モパー)がモディファイを加えた特別仕様車である。『11』という数字は2011年型という意味。呼び名は色々とあるようだが、『モパー・イレブン・チャージャー』あるいは『モパー・イレブン』というのが一般的で、ダッジというブランド名は省かれて呼称されることが多いようだ。
モパー'11チャージャーのベースとなっているのはV8・5.7リッターHEMIエンジンを搭載した2011年型ダッジ・チャージャーR/T。SRT8に搭載される6.1リッターHEMIや6.4リッターHEMIではなく、R/Tに搭載される350ユニットをチョイスしているところが興味深い。読者諸兄の中には「なぜSRT8がベースじゃないの?」と思われる方もいるかもしれないが、筆者的には現行HEMIのベストユニットは5.7なので、これはこれでアリだと思う。ちなみにアメリカ本国における車輛本体価格は、プレミア価格の部分を別にすれば、SRT8よりもモパー'11の方がいくらか安い設定となっていた。
モパー'11チャージャーの外観的な大きな特徴となっているのがカラーリング。深みのある『ピッチ・ブラック』に、フロントバンパー、グリル、フード、ルーフ、トランク、リアバンパーと、ドライバー側に沿って走る『モパー・ブルー』のストライプのコントラストは非常に鮮やかで、誰が見ても『特別な存在』であるということがひと目で分かる。また、ボディカラーに合わせてブラックにペイントされた20インチの5本スポークホイールや二重になったリアスポイラー、ダッジ・ロゴに代わって装着されたクロームのモパー・バッジなどは全てモパー'11チャージャー専用アイテムとなっている。
モパー'11チャージャーの専用アイテムはインテリアにも及んでいる。ブラックの『Katzkin』レザーのシートには、ボディカラーに合わせて運転席側のみモパー・ブルーのストライプがあしらわれており、アクセントとしてモパーの『M』も刺繍されている。
また、ピストル・グリップ型のカーボン・シフトハンドル、ステップ・プレート、フロアマットなどにもモパーのロゴが刻印されており、助手席のダッシュには限定ナンバーが刻印されたプレートが貼られている。インテリア全体がブラックを基調としているので、所々に見えるモパー・ブルーとクロームが実に効果的なアクセントとなっているのだ。
エクステリアとインテリアの演出だけでも十分に特別感を味わえるモパー'11チャージャーだが、モパーがモディファイを担当したモデルだけに、もちろん中身にも色々と手が加えられている。
パフォーマンス部分で筆者がまず注目したのがファイナルギア比の変更だ。ベースとなったスタンダードのダッジ・チャージャーR/Tのファイナルギア比は3.06:1なのだが、モパー'11チャージャーではこれを3.91:1にセットアップ(Super Track Packオプション)。この変更により0-60mphを約5秒という強烈な加速性能を実現している。ファイナルギア比を変更するのは、ドラッグレースやジムカーナ競技でよく使われるモディファイで、こと加速性能という面に関しては、吸排気系の変更や排気量アップなどといったパワーアップ系チューンよりも遥かに効果が期待できる手法。ファイナルギア比を変更することで、燃費や最高速といった部分で多少のデメリットが生じる可能性もあるのだが、クルマのキャラクターを考えればこのチューニングは大正解だと思う。
もちろん加速性能を向上させた分、クルマをコントロールする部分にも手が加えられている。まずブレーキはローターを320mm×22mmから345mm×28mmに大径化。さらに二重ピストン・カリパスにすることでストッピング・パワーを大幅に向上させている。さらには前後のスタビライザー・バーを強化、ストラットタワー・ブレースも前後に備えることで、フルフレーキング時やコーナリング時の安定性を向上させている。
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