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キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト 番外編

キャデラックCTS-Vワゴン (CADILLAC CTS-V WAGON)

史上最速「ワゴン」と謳われるVシリーズをテストする!

キャデラックCTS-Vクーぺでカスタムプロジェクトを遂行しているクワッドドライブに、今度はワゴンが入庫した。これによって同社はクーぺ、セダン、ワゴンと続くVシリーズすべてのモデルを取り扱うことになる。今回はこのワゴンモデルの概要を抑えつつ、今後のプロジェクト導入に生かす。

更新日:2012.04.10

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/クワッドドライブ TEL 048-281-5853 [ホームページ]

実物はめちゃくちゃスタイリッシュ

 キャデラックCTSに「Vシリーズ」が加わったのが2009年。CTSの最強バージョンとしてセダン、クーぺモデルが先に登場した。アグレッシブなフロントマスクやマッシブに盛り上がったボンネットなど、走りを主張したスタイルをまとい、われわれファンの度肝を抜いた、最強モデルに相応しい装備と走りを実現していた。
 そして今からちょうど2年前の2010年、ニューヨークオートショー10にて登場したのがVシリーズワゴンである。セダン、クーペに続き、スタイリッシュなワゴンの登場にてCTS-Vシリーズが完成したことになる。

 VシリーズワゴンのベースとなるのはCTSスポーツワゴンだ。セダンを上回らない絶妙なボディサイズ、セダン以上に個性的で斬新なルックス、そしてセダンで定評を得ているバランスの取れたダイナミック性能を維持するスポーツワゴンをベースとすることで、世界でも類を見ない、個性的かつ最速ワゴンが誕生したのである。

 だがワゴンと聞いて、たとえばカプリスワゴンや最近でいえばダッジマグナムなどを思い描くような方々には、このVシリーズワゴンは、異質に見えるかもしれない。多くの方が思い描くワゴン像とは異なるからである。大雑把に語れば、Vシリーズワゴンはセダン+α的なワゴンボディを採用している。リアのオーバーハングが長い、大きな荷室を持つ前述のワゴンとはひと味違うのだ。

 だが逆に、それがVシリーズワゴンの特徴として、個性として、そして剛性高きボディと超高性能な走りを実現する母体となっているのは間違いない。
 サイドウインドーが小さくなるほど高いベルトライン位置を誇り、ワゴンとしてのスタイルと剛性とを両立させようとした最後部のピラーは見た目にも非常に太く、クーぺやセダン比での剛性低下を極限まで押さえ込んでいるのである。

前方から見る限りはワゴンボディか否かは判別不能だが、ちょっと横に移動すれば即座に認識できる。超大型ハッチバック車とでも言えてしまうほど、リアの造形が個性的。リアのオーバーハングが長い、往年のワゴン車たちとはひと味違う。

ルーフまで大胆に伸びたリアコンビネーションテールランプにシャープな印象を与えるリアクォーターウインドーなどが存在感を醸し出す。ハイパフォーマンスカーならではのオーラが凄い。

すでにHREのホイールをオーダーしているというが、まだ到着待ちということで、クーぺ用のホイールを装着している。

バランスの良さは折り紙付き

 今回、クーぺ、セダンに続きクワッドドライブに入庫した日本唯一のVシリーズワゴンは、ブラックダイヤモンドエディション。まだまったくのノーマルであり、ホイールがクーぺ用のものに換装されているのみという。

 筆者も初めての実物だったので、非常に興味深く確認させてもらったが、その異様な雰囲気がかなり気に入った。Vシリーズは、そのパフォーマンスにおいてはどれもお墨付きが与えられるものを持っているが、そのオーラというか異質感は、ワゴンが一番高いと個人的には思う。
 クーぺやセダンももちろん良いのだが、その良さは、見れば誰にでも一瞬で伝わる気がするが、このワゴンだけは「一瞬なんだ?」と人々を振り返らせるだけの魅力というかなんというか…、とにかく個性の塊のような気がした。そしてその個性の塊が、まるでクーぺやセダンと同じようなパフォーマンスで走るというのなら…。積極的にワゴンを選んでも良いのではないだろうか? 

 ということで、クーぺセダンとワゴンのスペックを比較してみた(メーカー広報発表数値に基づく)。

全長×全高×全幅×ホイールベース(ミリ) 
●クーぺ:4789×1422×1883×2880:重量(kg)1937(AT)
●セダン:4859×1473×1842×2880:重量(kg)1930(AT)
●ワゴン:4877×1473×1842×2880:重量(kg)2010(AT)

トレッド(ミリ)
●クーぺ:1570(F)1595(R)
●セダン:1575(F)1577(R)
●ワゴン:1570(F)1581(R)

重量配分(%)
●クーぺ:51:49
●セダン:54:46
●ワゴン:51:49

 上記3台に搭載されているエンジンは、どれも同じく6.2リッターV8スーパーチャージドエンジン。556hp/6100rpm、最大トルク551lb-ft/3800rpmを発生させる。
 上記のデーターを見る限り、あくまで数字上で判断すれば、走る、曲がる、止まるにおいて一番バランスが高いのがクーぺとなるだろう。とくにトレッド幅(左右のタイヤの中心間距離)が大きく、コーナリング性能に優れるのは言うまでもない。
 一方ワゴンは、車両重量増(リア空間の剛性確保など)による若干の加速力低下などが懸念されるが、それでも車両重量配分がクーぺと変わらないことを考えると、その造りおいて妥協されている可能性はほとんどないはず。逆に重量増によりトラクションのかかりなどは向上している可能性もあり、逆に積極的に面白い走りが可能であることも考えられるのだ。

 キャデラック・マイスターのクワッドドライブ代表/林氏に聞いたところ、「まだそれほど走り込んでいないので、実際の挙動などは確認していませんが、それでもワゴンは見栄えも走りも面白いですよね。今後走り込みつつワゴンの特性を見極め、面白いクルマに仕上げていくつもりですので、期待してください」という。
 
 この先、クーぺのカスタムプロジェクトを遂行しつつ、この先ワゴンモデルでも、違ったアプローチによって手を入れて行くというから期待大だ。数値では計り知れない個性溢れるワゴンが誕生することを期待しよう。

ワゴンとしてのスタイルと剛性とを両立させようとした結果、最後部のピラーは見た目にも非常に太く、クーぺやセダン比での剛性低下を極限まで押さえ込んでいる。個人的に一番好きなデザインポイント。

ワゴンの特徴である荷室の広さもそのままにVシリーズワゴンの荷室容量はリアシートを起こした状態で720リットルを確保。シートを倒せばセダンのほぼ倍の容量にあたる1644リットルの空間が生まれる。速さと実用性の両立。これだけ速いワゴンは世界的に見てもそうはない。

クーペやセダン同様に6.2リッタースーパーチャージドV8エンジンが搭載される。トランスミッションは6M/Tとパドルシフト付き6A/T。サスペンションも同様に、路面状況を読み取り、瞬時に減衰力を最適化する磁性流体を用いたマグネティックライドコントロールが装着され、さらにブレンボ製ブレーキやミシュランのパイロットスポーツPS2が装着される。

すでにプロジェクト企画進行中のクーぺであるが、ただいま走行テスト&内外装カーボンパーツの到着待ち状態。足回りのコンセプトがほぼ煮詰まり、かなり良い状態を保っている。次号詳細を待て。

 <関連情報>
 >> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.1 を見る
 >> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.2 を見る
 >> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.3 を見る
 >> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.4 を見る  
 >> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.5 を見る

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