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[試乗記]

アメリカが誇るF-22戦闘機と同じ名を名乗る

フォード F150 SVT ラプター vol.1 (FORD F150 SVT RAPTOR)

「オフロードを高速で駆け抜ける」ことを目的としたレーシングカー

本国で大絶賛されているフォード発のスペシャルトラック、F150 SVT ラプター。日本のアメ車業界ではまだ馴染みが薄いかもしれないが、実物はとてつもない迫力とオーラで包まれた巨大ピックアップであった。待望の初試乗を前編後編にてお届けする。

更新日:2013.05.07

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

2010年に登場したオフロード向けのスペシャルトラック

 2010年にリリースされたフォード F150 SVT ラプターは、フォードのベストセラートラックである「F150」をベースに、フォードの特殊車両開発チーム「SVT(スペシャル・ヴィークル・チーム)」が設計したオフロード向け(デザートレース)のスペシャルモデル。

 足回りやパワーユニットは専用強化され、サスペンションにはフォックスレーシングのショックアブソーバーが採用(市販車として初めて)されている。
 エンジンは6.2リッターV8スーパーチャージャーが搭載、マックスパワー411hp、これに6速ATを組み合わせピックアップトラックとは思えない強烈な走りを可能にするのである。

 ボディは、ベースとなるF150よりも7インチワイド化されアグレッシブなスタイリングとなり、アプローチアングルは30度、デパーチャーアングルは22.7度といったクリアランスを誇る。
 そしてボディバリエーションは2011年から「スーパーキャブ」と4ドアの「スーパークルー」の2種類となっている。

 取材した2012年モデルでは、フロントに改良型のトルセンデフを採用し、フロントビューカメラを新たに装備されている。

 とまぁ、広報資料的な要素を並べれば以上がラプターの概要となる。

2010年に登場したデビュー時は、上記の「スーパーキャブ」のみの仕様だったが、2011年からは、ボディバリエーションが拡充され、4ドアの「スーパークルー」がラインアップされている。このスーパークルーは、ホイールベースが12インチ拡大されているが、スーパーキャブに劣らぬ走行性能を維持するよう、SVTによる時間をかけた作り込みがなされているといわれている。

取材車輌は、ハーフドア付きの「スーパーキャブ」。リアドアは観音開きとなる。居住性に関しては、4ドアの方が圧倒的に良いが、走りの機動力に関しては、煮詰めたとはいえ、スーパーキャブに軍配が上がるに違いない。

搭載されるエンジンは、6.2リッターV8スーパーチャージド。最高出力411hp/5500rpm、最大トルク434lb-ft/4500 rpmを発生させる。2010年に登場した際には、5.4リッターV8(310hp)が標準で6.2リッターV8はオプションとして、2つのエンジンが用意されていたが、2011年からは6.2リッターV8エンジンのみを搭載するよう絞り込みがおこなわれた。

街中を普通に走っている限りは、単なる大柄なピックアップトラックである。だが、ある程度までスピードを上げていくと屈強なサスペンションが動きだし、スポーティな演出を見せ始める。パワーユニットは、いわゆるモンスターユニットに相応しいエンジンであり、走る、止まる、曲がることにおいて、バランス良く煮詰められている。

機能を優先したワイドボディ構造

 だがこのクルマ、聞けば聞くほど興味がわき、見れば見るほど圧倒され、乗れば乗るほど欲しくなる、スペック表からでは伝わらない魅力がギッシリの高貴なるトラックだった。

 アメリカが誇るF-22戦闘機と同じ「RAPTOR」を名乗るこのクルマは、「オフロードを高速で駆け抜ける」ことを目的としたレーシングカー。だからF150をベースにしながらもサスペンションを全面的に変更し、アルミ製大型ロアアームを採用するなどしてロングトラベルのサスに改良。数値的にはフロント11.2インチ、リア12.1インチ拡大されている。さらに上記の地上高クリアランス。

 その上名門フォックスレーシングのショックアブソーバーを装着して、起伏の激しいオフロードを走破するためのストローク量拡大とバネ下重量の軽減を図っているのである。

 で、だからこそのブリスターフェンダー、F150比7インチのワイドボディとなっているののである。単なる見せかけだけの迫力アップを目的としたボディではなく、機能優先からのワイドボディ構造(まさにレーシングカーとしての成り立ち)こそ、ラプターの最大の特徴なのである。

 搭載されるエンジンは、6.2リッターV8スーパーチャージド。シェルビーGT500にも搭載しているスーパーチャージャーはSVTにとってはお手の物、と言わんばかりに411hpを発生させる。このエンジンはすでにBAJA1000でも性能が実証されているお墨付きのエンジンであり、低速から圧倒的なパワー&トルクを発生させる。
 これに組み合わされる6速ATはセレクトシフト付き。個人的にはMTが欲しいと思わせるほど、魅力的なパワーユニットである。

圧倒的なクリアランスを持ち、アプローチアングルは30度、デパーチャーアングルは22.7度を誇る。ボディ下部にはスキッドプレートやアンダーカバーが装着され、路面の凸凹や障害物から守る。

フロントサスペンションは全面的に見直され、極太軽量のアルミ製ロアアームを採用する等、高速オフローダーとしての性能がふんだんに盛り込まれている。市販車では初めてフォックスレーシングのショックアブソーバーが採用され、サスペンション・トラベルもフロントが11.2インチ、リアが12.1インチへと拡大されている。

リアのフォックス製ショックは、リザーバータンク付き。ショックがよく動くセッティングになっているため、ショックが縮めばロッドが縮みケース内に押し込まれる。そのときケース内のオイルも動くわけで、その動きの逃げ場としてリザーブタンクが設けられている。余談だが、たとえば1本のショックで同じ機能を持たせれば、ショックのケースが伸びて大きくなるわけで、バネ下重量の増大にもなる。それを防ぐためでもあるわけ。

このクルマを単なるピックアップトラックとして使うのはもったない(笑)。といっても日本にはこのクルマの持てる性能を発揮させる場所がないのが実情だが…。

レースフィールドを思わせるオーラ

 センターマーカーの付いたステアリングを有するインテリアも一種独特のムードに包まれた専用品だった。

 トランスファースイッチやトレーラーブレーキコントローラー等、機能スイッチが豊富に並べられており、インパネ内のメーターにも計器類がずっしり並べられている。センターコンソールの大型モニターには、フロントビューカメラからの映像が映し出され(2012年モデルから)、視界不良時のフロントビューを補ってくれる等、オフローダーとして先進的な機能をも持ち合わせているのである。

 一方で、成り立ちはレースカーなれど、基本市販車ということでサンルーフやオーディオ等はフル装備されており、室内のノイズリダクション、吸音機能等も充実しており、マイカーとして使用する際の快適装備にも留意されている。
 
 いろいろ話を聞き、その後ラプターとの対面を果たしたのだが、このクルマの雰囲気、何かに似ていると思った。そう、それは旧スカイラインGTR。

 GTRとは、スカイラインという単なる4ドアセダンをベースとした、サーキットにて常勝を目指した機能的なクルマ。一方でラプターは、単なるピックアップトラックをベースとした、オフロードで勝てるクルマを目指した機能的なトラック。

 ということで、カタチや目指した場所は違えど、両車の「志」は同じと言っても過言ではないかと瞬間的に思った次第である(レースフィールドを思わせるオーラがある)。そして実際に乗ってみて、改めてアメリカンピックアップトラックの奥深さを知るのである。

インテリア自体は、ベースとなるF150と同じであるが、ステアリングのセンターマーカー等、スペシャルな雰囲気に満ちている。

搭載されるミッションはセレクトシフト付きの6速AT。スポーツトラックを名乗るのなら、パドルシフトにする等、ちょっとしたアレンジが欲しいところ。

ブルーのボディに合わせた配色が楽しめるシート。リア観音開きのスペースは、思っているほど狭くはない。日本人をベースに考えれば、スペースを理由にあえて4ドアを選ぶ理由はないかもしれない。ただ、乗降性を考えれば、常に「前ドアを開けないと開かない後ドア」という面倒な仕組みが、4ドアを選ばす理由になるかも。

サスペンションやエンジンにはかなり硬派な印象を受けるが、インテリアは、サンルーフが装着される等、意外にも快適重視。すべを硬派にしないのは、さすがアメ車。

<関連記事>
>> フォード F150 SVT ラプター vol.2 を見る

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