2005年に4ドアスポーツセダンとして復活したダッジチャージャー。その後いくつかのマイナーチェンジや改良がなされ、デビュー10年後の2015年モデルにおいてはボディパネルのほとんどすべてが一新される大幅なモデルチェンジが行われた。
一見するとダッジのコンパクトセダン「ダート」をイメージさせるフロントマスクは、グリル、ヘッドライト、バンパー、フェンダー、ボンネット、フロントドアといったほとんどのパーツが変更されており、LEDがアクセントとなったフロントフェイスは、一体感を感じさせるシャープなものになった。同様にLEDが使用されるリアテールのデザインも見慣れたものとなり、ここ2、3年感じていたリアのみ現代風のデザインが与えられたアンバランスさがなくなり、前後のデザインのまとまり感はこれまで以上に高いものとなった。
と同時にフロントフェンダーおよびボンネットラインがいままで以上に低く見えるようになった。真横からのスタイルも、今となっては非常に貴重な直線基調のラインを保っており、スタイルの美しさは健在である。
性能面でも同様にアップグレードされており、2014年型まではV6モデルのみしか設定のなかった8速ATが2015年モデルではV8モデルにも採用されるようになり、その採用がチャージャーのフィーリングを劇的に変えている。
搭載されるエンジンは以下のとおりである。
■ペンタスター3.6リッターV6DOHC:292hp/260lb-ft
■HEMI 5.7リッターV8:370hp/395lb-ft
■HEMI 6.4リッターV8:485hp/475lb-ft
■HEMI 6.2リッターV8スーパーチャージャー:707hp/650lb-ft
一方インテリアは、チャレンジャー同様にリファインされ、メーター周りが一新。さらにステアリングホイールは3本スポークの新デザインでパドルシフト付きになり、センタコンソールも新設計で8.4インチのタッチパネルが収められる等、まったく新しい空間が作り出されている。
取材車両はBCDがいち早く輸入した2015年型ダッジチャージャーRT。V8ヘミエンジン+8速ATが装備された最新モデル。加えてこの車両にはPLUSグループ(※1)、テクノロジーグループ(※2)、アイボリーパールカラー、20インチのハイパーブラックホイールといったパッケージオプションが付帯しているレアなモデル。
余談だが、BCDにはすでにチャージャー、チャレンジャー、マスタングV8の2015年モデルが続々と入荷している。チャレンジャーにいたってはV6モデルのSXTさえも入荷しており、いわゆるカタログやHP上だけで最新モデルを謳っているそれらしきショップとはまったく異なる豊富な現車ラインナップを誇っている。
すなわち、客注が入ってから(お客さまからの注文後に)本国に車両等を手配するのと、展示車としてすでに10台以上の2015年の現車を揃えるのとでは規模云々だけでなく、それにまつわるCPのメカニカルデーターを入手&更新する必要もあり、営業、販売、整備とすべてにおいて質が異なるのと言えるのだ。
もちろん、新車の場合は好みに応じたオーダーをも受け付けているため、BCDにも客注後の手配もあるにはあるが、いずれにせよ本国法人を持ちダイレクトにやりとりが可能なBCDならではの安心感は極めて高いし、実車を見て商談でき、望めば試乗だって可能なだけに、そして当たり前だが、本国仕様においても3年6万キロの新車保証が付帯されるだけに、買い手側の安心感だって段違いに高いはずだ。
というわけで今回は、このまっさらの新車を僅かながら走らせていただいた。
注)※1はHIDヘッドライト、パワーシート、F&Rシートヒーター、パークセンサー、ナッパレザースポーツシート、※2はアダプティブクルーズコントロール、フォワードワーニングアラート&レーンディパーチャーウォーニング、パワーアジャストペダル
初めて実車をみる2015年型ダッジチャージャーは、当然ながらフロントマスクの好き嫌いが最大の要因となると思っていた。少なくとも筆者はそうだった。「このマスクがもし許せるなら、たぶん誰もが最新モデルを選ぶだろうが、もし2014年までの旧型モデル顔が好きならば、少々キツいかもしれない…」
写真や海外試乗における記事を見る限り、そういった印象は常につきまとっていたのだが、実車を見ると意外にも悪くない。実車は写真で見ていたほぼそのとおりの印象に近いのだが、実物を目の前にすると印象は全然悪くない。
たしかにチャージャーとしての迫力? 悪っぽさ? そういった男っぽさ的なものは少なくなったと思うが、前後左右のデザインのまとまり感は非常に良いし、特にフロントのオーバーハングの短さが、これまでのチャージャーとはまるで違う印象を与えてくれ、非常に新鮮なクルマとして生まれ変わったと言っていい。だからこそ、興味があるなら絶対に実車を見るべきである。
加えてインテリアの品質一新がエクステリアの様変わりに呼応して、より新鮮な印象を与えてくれる。
インテリアに関しては、チャレンジャー同様に質感が激変しており、メーター周りの雰囲気からシフトノブノブに至るまで、すべてにおいてやっと価格に見合ったレベルになった。
たしかに旧型でもある程度までの質感は有していたが、華やかさが欠けていた。2015年型になり、質感、雰囲気、デザイン、色合い、フィーリング、どれにおいても充実していると言えるだろうし、少なくともアメ車内においては十分にレベルの高く、しかもチャレンジャーやチャージャーに見合ったスポーティな造形がかなり気に入るはずである。
そんな印象のRTは、5.7リッターV8ヘミエンジンを搭載し、370hpを8速ATで駆動する。カタログ的には、上に6.4リッターV8や6.2リッターV8スーパーチャージャーエンジンが存在しているだけに、RTを下に見る的な印象が世間的にはあるというが(笑)、そうはいっても370hpである。ひと昔前のアメ車でいえば超ハイパフォーマンスモデルであり、最新モデルにおいてすらNAエンジンで400hp近いパフォーマンスを示す車両は数えるほどしかあり得ない。
だからこそではないが、チャージャー、チャレンジャーのRTグレードは、個人的には積極的にオススメしたいグレードと思っている。
今回は、ショップ近隣の撮影場所まで走らせていただいたのだが、驚くべき進化はミッションであった。過去チャージャーには何度も試乗しているが、同じく一般道を走っただけでも「これだけ違うのか」と唸らされるほどの変化が体感できる。
新しく搭載された8速ATは制御が非常に緻密であり、街中50キロ走行くらいのスピードにおいてもポンポンとシフトアップし、あっという間に5速にシフトアップされる。とはいえ、加速が欲しい時には瞬時にギアダウンし加速体制に入るし、その際のシフトショックがまったくない。唯一あるとすれば停止したときに1速に戻る瞬間に一瞬ギアの動きがわかるといった程度である。と同時に、パドルの変速タイミングも素早く、痛痒を感じることがまったくない。
そんなミッションによって、5.7リッターV8エンジンのパワーがより緻密に引き出されるのか、正直過去に乗ったどの5.7リッターV8よりも速く感じるのである。古風なアメ車オーナーや販売店のスタッフに言わせれば、「8速なんていらねーよ」となるのかもしれないが(笑)、実際に乗ればその良さや最新のフィーリングにヤラレルこと間違いなのである。
街中走行程度じゃ、パフォーマンス云々を語るほどのことはまったくわからないが、それでも乗り心地やブレーキング等に違和感はまったくなし、なによりフルサイズセダンでありながらも、街中でその大きさを持て余すことがないのがが何より嬉しい発見だった(フロントデザインの見切りの良さに通じる)。
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