キャデラックのホットなニュースが立て続けに入ってきているが、今回も超ご機嫌な1台。キャデラックATS-Vである。ここ数年のキャデラックが激変していることは周知の事実であり、またこの事実に対して異論反論あるのは承知の上で、いま非常に期待している1台である。
往年のキャデラックファンからしてみれば、4気筒エンジンを搭載した最近のダウンサイジングターボ系に食指が動かないのは当然だと思うし、恐らくそういった方々は旧キャデラックをこの先もずっと愛するのだろうから、現行キャデラックは新たなファン層によって支えられているのだろうというのは想像に難くない。逆にそういった新たなファンの方々にしてみれば、新たに登場するATS-Vは打倒ドイツ勢を掲げた高性能スポーツモデルとして非常に待ち遠しい存在に違いない。
個人的には、旧キャデラックの甘美な世界観にいまだ惹かれる自分がいるのは事実だが、だが、ほんとにドイツ勢を駆逐することがアメリカメーカーにできるのか? ただその一点のみの興味で「V」シリーズには注目しているのである。
小型軽量のミディアムボディに、カーボンファイバー製フロントスプリッター、ボンネットエアベント、リアディフューザーなどが採用され、ダウンフォースや空力性能をより高め、圧倒的な存在感を主張しつつも、ひと目でそれと分かる独自個性を得ることに成功しているATS-V。
新素材のタービン、独自のローチャージエアクーラー、チタン製コネクティングロッドなどの革新技術が与えられた3.6リッターV6ツインターボエンジンは、卓越したレスポンスとパフォーマンスを実現し、470ps、最大トルク61.5kg-mを発生させる。それによる加速性能は0-60マイル加速3.8秒を達成する瞬足ぶりである。
これに組み合わされるミッションは6速MTと8速ATであり、MTモデルが存在するキャデラックとしても注目すべき逸材だろう。ただし、正式発表された日本仕様には8速ATのみの導入となる。
前後重量配分は51:49。車重1750kgということを考えれば、アメ車、キャデラックという存在の中でもかなりの好バランス&軽量マシンということで、たとえば4ドア同士の比較においてはダッジチャージャーR/Tで車重2トンの370hpであれだけの速さということを加味すれば、それよりも250kg以上軽く90hp以上パワフルであるわけだから、その速さにおいては相当なものだろうということくらいは予測がつく。
くわえてキャデラックATS-Vは、昔では考えられないのだが、世界各地のサーキットやテストコースで限界走行テストを数多く行ない、あらゆる過酷な走行条件をクリアしたことで「V」にふさわしい性能と品質が実証されている。
メーカー自身が、「ライバルはBMW M3」と公言するほどだから相当な自信をうかがわせるし、これまでに何度もノーマルATSに乗ってきた身からすると、ある程度凄さが想像できるだけに「かなり期待できるマシン」だろうと思う。正式発表された日本のプレオーダー価格は950万円から。
兄貴分となるCTS-Vと同じ4ドアボディでありながら、一回り以上小さいボディにツインターボエンジンを備えるだけに、しかもスーパーチャージャーとはまた違ったフィーリングを醸し出すだけに、一層期待は募るばかりである。
■グレード:ATS-Vセダン(日本仕様スペック)
■全長×全幅×全高:4700×1835×1415mm
■ホイールベース:2775mm
■車両重量:1750kg
■エンジン:3.6L V6 DOHC+ツインターボ
■最高出力:470ps/5850rpm
■最大トルク:61.5kg-m/3500rpm
■トランスミッション:8速AT
■駆動方式:FR
■ハンドル位置:左
■タイヤ:F 255/35ZR18/R 275/35ZR18
283,800円
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