たとえばマクラーレン650Sクーペ。3.8リッターV8 DOHC ツインターボエンジンをミッドシップに搭載し650ps、最大トルク69.1kg-mを発生させる今流行りのイギリス製スーパーカーが税込価格3160万円を越えるという。一方でZ06は、事前に行われた30台限定のプレオーダー時の価格が1265万円~1588万4000円。すなわち約半額以下。
まあ、この事実を紹介すれば、安直に「コストパフォーマンスに優れている」という認識になるのだろうが、個人的にはマクラーレンの半額でマクラーレンと同様に近い性能をもったマシンが作れるGMの能力とその本気度が凄い、ということが言いたい。
昔からある「アメ車は安物。その割にパワーだけはある」という認識が今もなおまかり通っているからか、C7コルベットの世間的評価はイマイチそんなに高くない。いわゆる自動車ジャーナリスト系の方々においても本気でC7を評価している方がどれだけいるのか、果たしてちゃんと評価できる能力があるのか? なんて思わなくもないが。
だが、C7自体の能力は実際にはかなりスーパーであり、なんら余計な疑念を持たず乗れば、まずはシャシーの頑強さに驚き、重心が低くFR車にしてはトラクションが良く、シャシー剛性が高いからフロントの操舵感がリニアで回頭性が良く、回頭してからのグリップも高いから安心感があり、サスペンションアームが長くてストロークがあり、剛性が高いからこそタイヤの接地面の変化が少なくかなりフラットな状態でコーナリング性能が楽しめるマシンとなっていることに、二重にも三重にも驚くはずである。
まあ、1000万円級のスポーツカーというのに、プラスチック製のパドルシフトレバーというのには正直驚いたが(こういうところが安物扱いされる原因なのだろうが)、ミッションの変速も素早く、正直、ライバル視するポルシェと対峙したところで負ける要素は微塵も無い。少なくともその性能においては。とはいえ負けるとしたらブランド品としてのブランド力だろうか(笑)
というか、アメ車という枠ではもう語れない、一段も二段も上のレベルに行ってしまった存在。少なくもアメ車の中では別格の造り込みかつ性能であるからC7と比較できる存在はない。
そういうベースをもって、659psマシンになったZ06は、たとえばポルシェ911の「ターボ」のような存在と考えればわかりやすく、実際にアメリカで現地試乗したジャーナリストの方々に言わせれば、驚愕のマシンというから期待したい。
659psを発生させるLT4と呼ばれるV8エンジンには、コンパクトなスーパーチャージャーが装備され、車重や重心位置への影響を最低限にとどめており、そのエンジンにトランスアクスルレイアウトで組み合わせられるミッションは7速MTのみならず、8速ATも選択可能という。
GMが自社開発したこの8速ATはアルミやマグネシウムを多用する軽量コンパクトな設計ながら100kg-mまでのトルクに対応する最新のミッションであり、トラックモードにおいてはポルシェ911のミッション・PDKを上回る素早い変速を可能にしているという。それにより、Z06の0-60マイル加速はなんと2.95秒。7速MTでも3.2秒というからFRでは最強マシン確実だろう。
ということで、アメリカを代表する真のスポーツカーがもうすぐやって来る。正札価格がまだわからないが、プレオーダー価格を大幅に越えるようなことはないだろうから、世界屈指のFRマシンをその手に収めてみてはいかがだろうか?
■グレード:Z06
■全長×全幅×全高:4518×1965×1235mm
■ホイールベース:2710mm
■車両重量:1598kg
■エンジン:6.2L V8 OHV+スーパーチャージャー
■最高出力:659ps/6400rpm
■最大トルク:89.8kg-m/3600rpm
■トランスミッション:7速MT or 8速AT
■駆動方式:FR
■ハンドル位置:左
■タイヤ:F 285/30ZR19/R 335/25ZR20
■車両本体価格:未定
330,000円
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