ファストバックの復活、伝統のロングノーズ&ショートデッキが強調されたプロポーション、逆スラントのフロントマスク、3連のリアコンビネーションランプなど、旧型モデルの象徴的なディテールを継承しながらも、よりモダンに生まれ変わったボディ。
そのボディは旧型と比較して、低くワイドなプロポーションとして進化し(旧型モデルとの比較:全長 -25ミリ、全高 -35ミリ、全幅 +40ミリ)、力強い存在感を醸し出す逆スラント形状のフロントマスクと融合する。
一方、リアスタイルは、ウインドシールドからリアガラスへのデザインをより傾斜させ流れるようなサイドラインを形成。視覚的な美しさだけでなく、空力性能も向上させている等、過去のデザイン的遺産を使いつつ、見事モダナイズされた最新デザインが与えられている。
搭載されるエンジンは、2.3リッター直4エコブーストエンジン。FRモデルに初採用された同エンジンは、314ps、最大トルク44.3kg-mを発生させる。それに6速MTと6速ATが組み合わされ、ATにはマニュアルモード走行が楽しめるパドルシフトが採用されている。
今回取材したモデルは、日本に正規導入されていなかったエコブーストエンジン+MTモデルである。フォードの日本撤退という状況が近づくなか、あえてこれまでのように正規ディーラーが取り扱わなかった直輸入モデルを検討する方々には、MTモデルの存在は抜群に面白いと思う。
足回りは、フロント、リア共に新設計のサスペンションが採用され、フロントはマクファーソンストラット式で、新たに軽量かつ高剛性のペリメーター型のサブフレームを装着。リアには新たにインテグラルリンク式独立サスペンションが採用される。
インテリアは、航空機のコックピットからインスピレーション得た伝統の左右対称&水平基調のインパネが採用され、伝統を生かしつつ最新マテリアルを使用することで操作性に優れた空間を実現。
見た目以上に質感を感じさせる作りの良さも加わって、新型マスタングに相応しい現時点では最高のインテリアと言っていいだろう。
期待する走りだが、まずシートに座った感じが最高である。ダッシュボードが低くなったような印象があり、だから着座位置からの視界も良くなり、見切りがわかりやすいから運転に気を使う割合が確実に減っている。
さらに手を伸ばすシフトの位置や触れたときの感触の良さ、シフトを動かしたときの動作感は、確実に最新車両のそれであり、もはや「アメ車だから」と粗雑さを嘆く必要はまったくない。
くわえてステアリングの剛性感が非常に高く、新たに採用された電動パワーアシストのフィーリングも違和感なく、自然な切れ味が好ましい。
クラッチも重さはそれほどではなく、とにかく操作性が良いから、毎日の足として都心の渋滞にはまってもまったく問題はないだろう。
シフトも同様に操作性よく、過去のアメリカ的シフト感と称されるゴツイ感じは微塵もなく、小気味よいフィールが味わえ、これまた日常的に使用するMT車として何ら不満や問題はない。シフトゲートも明確でシフト自体が楽しめる。
気になるエンジンだが、想像以上にパワフルであり、予想上のパフォーマンスに驚きを隠せなかった。
考えてみれば、車重2トンを越えるエクスプローラーに搭載されている直4エコブーストでさえかなり走っただけに、それ以上の排気量を備え、かつ車重がこのクラスでは意外に軽い1660kg程度というだけに(普通に考えても十分以上のパフォーマンスであることがわかるが)、実際に乗ると予想以上のトルク感があって、一般道ではあっという間に他車をおいていく強烈な加速感を放つ。
低速域からのピックアップが良好なターボエンジンだけに、瞬間的な加速では旧型5リッターV8よりも鋭いレスポンスを披露することもあるくらいだった。しかもMTである。自らの意思でギアをチョイスできる楽しさは、速さ云々関係なく、やはり格別である。
マスタング初となる4輪独立懸架サスペンションと屈強なモノコックボディの組み合わせは、正直、これまでのマスタングとは別次元の乗り心地を示し、直4ターボ&MTの組み合わせと同様にドライバーを感動させる。
330,000円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
283,800円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
183,250円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
272,800円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋