フォードのEシリーズはアメリカンフルサイズバンの元祖と言える存在で、その歴史は古く、初代モデルは1961年に登場している。
ただし、この初代モデルはファルコン・エコノラインという名称の通り、フォード・ファルコンをベースにしていたため、サイズ的にはフルサイズとは程遠く、ホイールベースなどは開発陣が参考にしたと言われるフォルクスワーゲンのワゴン(タイプ2)と大差なかった。
Eシリーズが堂々としたフルサイズモデルとなったのは、1975年に登場した第三世代のモデルから。ピックアップトラックのラダーフレームを使用して開発されたこの第三世代は1991年まで生産された。ちなみにこの第三世代では、商用モデルがエコノライン、乗用モデルがクラブワゴンという名称に区別されている。
1992年に登場した第四世代は、豊富なエンジンバリエーション&現代でも通じそうなスクエアでシャープなデザインで人気を博し、2007年まで生産されたのだが、2001年のマイナーチェンジ時に車名が正式にEシリーズと変更になった。
16年もの長きに渡って生産された第四世代のEシリーズは、アストロ&サファリを中心とするアメリカン・バンの影響もあって、日本にもかなりの数が並行輸入されたので、日本人にとって最も馴染みの深いモデルと言えるだろう。
Eシリーズの最終モデルとなる第五世代は2008年に登場したのだが、2014年に廃止が決定。惜しまれつつも半世紀以上に渡る長い歴史を閉じた。
ここで紹介しているのは富山県のハッピーアンドドリームが自社で直輸入した車両で、最終モデルのEシリーズの中でも後期型となる2011年式XLT。
駆動方式は2WDで、エンジンはスタンダードの4.6リッターV8ではなく、オプションの5.4リッターV8を搭載している。
この個体は走行約4万kmの中古車だが、外観も内装も7年前の中古車とは思えないほどキレイな状態を保っており、試乗した感じではエンジンや足回りの程度も極上の部類。
エンジンオイル交換などの定期メンテナンスさえ怠らなければ、あと10年でも20年でも元気に走り続けることが出来そうな車両と感じた。
6年ほどで絶版となった第五世代のEシリーズは、そもそもの生産台数が少なく、アメリカ本国でも程度良好な中古車を探すのは大変。
当然ながら日本の中古車市場では滅多にお目にかかれない希少車となっている。年式やボディカラー、グレードなどに拘った車両探しは無理なので、少ない選択肢の中から少しでも自分の好みに合った車両を探すしかない。
ただし、Eシリーズの購入時には走行距離は注意した方がいい。走行距離は気にし過ぎるのも良くないのだが、レンタカーや商用車として使われることが多いフルサイズバンの中には、日本人の常識を超える距離を走った車両も存在する。
最近は減ったとはいえ、中古並行輸入車の中には、不正にメーターを巻き戻された車両が存在しないとは言い切れないので、購入時にはCARFAXやAutoCheckで走行距離が証明されている車両を購入するのがいいだろう。
フォードのEシリーズに限らず、ビッグ3の伝統的なアメリカンフルサイズバンは現在では全て絶版となってしまっているので、購入するにはもう中古車しか選択肢がない。
しかし、中古車というのは時間が経てば経つだけ車両の経年劣化は進むし、タマ数も減少していく運命にある。とくにEシリーズの最終モデルのように、日本にほとんど輸入されていない希少車は、悩んでいる間にどんどん選択肢が狭まっていき、いざ購入しようと思っても買える車両が存在しないというパターンも十分に考えられる。
伝統的なアメリカンフルサイズバンの最終進化系とも言えるEシリーズの購入を検討している方は、「見つけた時が買い時」かもしれないので、ぜひ現車をチェックしてみてもらいたい。
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