TEST RIDE

[試乗記]

世界中のスポーツカーメーカーに衝撃を与える力作

2020 シボレーコルベット コンバーチブル vol.2

アメ車ユーザーには是非この逸品の凄さを理解して欲しい

クーペに続きコンバーチブルが発表されたC8コルベット。このマシンの凄さは、世界中の自動車メーカーに激震を与えている。

更新日:2019.10.07

文/椙内洋輔 写真/ゼネラルモーターズ

欧州車ファンをも取り込む可能性大アリ

 あまりの力作ぶりに、そしてあまりの衝撃的価格の安さに世界中のメーカーに衝撃を与えているC8コルベット。他メーカーのお偉いさんは「この内容ならあと2万ドル高くても売れるはず」とインタビューに答えているとか。

 しかもつい最近、コンバーチブルが発表され、その内容も超魅力的。ワンタッチの格納式ハードトップであり、その重量増は驚異の約36キロ増。

 一般的にオープンカーはボディ補強と開閉機構のパーツ重量で100キロ程度(もしくはそれ以上)の重量増が見込まれる。それによりボディが重くなり加速が若干遅くなるというのがオープン化に伴うネガだったが、C8に関してはそのネガがほとんどない。

 これは電動化に伴う油圧部分のパーツを6つの小さな電動モーターに変更したことも理由のひとつ、ということであり、そういった数々のトライが高機能なコンバーチブルをもたらした。

 このルーフ、開閉に約16秒かかり、時速50キロ未満なら走行したまま開閉が可能というから、咄嗟の雨にも対応できるし、日本の道路事情にもってこいな存在。ちなみに、その開閉スイッチは走行中にブラインド操作可能なよう、ドライバーズシート横のウインドースイッチ類と同様に並んでいる。

 さて、C8コルベットであるが、クーペのボディサイズは全長×全幅×全高:4630×1934×1234ミリ、ホイールベースが2722ミリ。車重は乾燥重量で1530キロということだから、コンバーチブルは1566キロ。

 搭載エンジンは、6.2リッターV8LT2エンジンで495hp/6450rpm、最大トルク470lb-ft/5150rpmを発生させる。このエンジン、直噴V8のドライサンプ仕様で、オイル量を増やし1Gを超える旋回時にもオイルの偏りをなくすよう、手が尽くされている。

 このエンジンに組み合わされるミッションは8速DGT。GM車初となるDGTは、マニュアルミッションのごとき超高速なシフトを可能にする。

クーペのようにも使える魅力的な格納式ハードトップコンバーチブル。だがそれいでいてオープン化に伴う重量増は36キロとネガが非常に少ない。

 そして価格。クーペ系の価格帯が3つのトリムレベルで5万9995ドル、6万7295ドル、7万1945ドル。コンバーチブルのベース価格が6万7500ドルだから、日本円で約720万円前後。クーペのベース価格比約80万円アップでコンバーチブルが手に入る(現地価格を日本円に換算して)ということだ。

 ということで、この内容でこの価格は、世界中のスポーツカー&スーパーカーと比較しても破格だろう。一部からは、「フェラーリの安物でしょ」といった声も聞かれるが、筆者に言わせれば、「あんたらボラれているだけでしょ」と言いたい。

 もしくは、「C8の価格帯では作れない」という企業の向かう方向性の違いであって、「安かろう悪かろう」じゃなければ、安いほうがいいに決まっている(C7時からの高い性能を見ていれば自ずとC8の想像は付く)。

 もちろん、この世の中には腐るほどの金持ちもいるでしょうから、その方たちは高額車にバンバン金を使って日本経済に貢献してくださればいいと思います。

 話は戻るが、こういった力作がアメ車の中から生まれたことは非常に喜ばしいことだが、じゃあ果たして売れるか? 問題はそこに尽きる。

クーペはご覧のようにエンジンルーム内が閲覧できるが、コンバーチブルは残念ながらルーフの収納によりそれはできない。違いはその程度。

 この価格帯だと、日本導入時にはいくらになるか? フロントにエンジンがないから製作の自由度が高まったC8は、右ハンドルが作られ、同時に世界デビューが予定されている。日本にも右ハンドルが導入される。

 しかも、この内容であれば、アメ車ファン以外のスポーツカーファンを取り込む可能性がこれまで以上に高くなる。

 ということで、日本導入時事にも同様に超攻撃的な破格プライス(C5導入時のような)で導入されることを期待したい。

クーペでも手動で屋根が取り外せるわけで、その分コンバーチブル時の補強が少なくて済んでいる。だからあえてコンバーチブルを購入する方が良いのでは、と考える。

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