やっぱりこの年代のタホは今見ても非常に魅力的だ。
というのも、90年代の名残を全く感じさせない新時代のタホであり、今の時代のSUVと比較すると非常にタフな存在で、それはボディのみならずメカニズムに関しても同様であるから、ある程度普通に整備を受けてきた車両であれば10万キロオーバーでも全く問題がない。それは今年3月に走行14万キロ超の個体を取材した時にも感じたこと。
まあもちろん補記類等の細かい部分に消耗劣化が起こる可能性は否定できないが、ボディを含めた根本の部分において非常に頑丈であり、それから今の時代のEC全盛車両ではないから整備もしやすく、今から乗っても十分に元が取れるだけの走りや性能を味わうことが可能だろう。というか、だからこその出物でもあるのだろう。
ということで2000年代のタホであるが、この型は通算2代目タホであり、2000年から2005年まで存在した型(初代は1992年から1999年まで)。
その大きな特徴とは、それまでの5.7リッターV8からアルミブロックを使用した5.3リッターV8に変化したこと。プラスしてデザインや足回り等に90年代の名残を全てなくし、新時代のSUVとして生まれ変わっていること。
とはいえ、アメリカンSUVの根本たる質実剛健という部分に関しては当然ながら色濃く残っている。そこが最大の魅力ポイント。
で、今回取材した個体が2001年型のタホリフトアップ。リフトアップと聞けば、反応が二分するだろうと思う。筆者はどちらかといえば苦手な部類だ。
だが、アメ車の場合、大きなボディをより一段と大きく魅せるというカスタマイズ手法として人気を博している。
ちなみにその手法においては複数の方法が存在し、ただ魅せるだけのドレスアップ的手法もあれば、しっかり走ることを前提とした手法も存在するから、その手法において評価が断然変わってくる。
取材個体を販売しているエイブルは、これまでにも何度もお邪魔しているが、その取材個体に常にポリシーが感じられるショップである。すなわち「走る止まる曲がる」を優先するというもの。
仮に仕入れ段階でマフラーやローダウンが行なわれている車両であっても、自社で整備や仕上げを行っていく段階でノーマル状態に戻すことを優先することが多々ある。
要するに車体本来の持ち味を消してしまうカスタマイズを好まないという点において非常にしっかりとしたコンセプトを持っているのである。
で、そんなエイブル原代表が「弊社で8年前にリフトアップしたものです。当然しっかり走ることを前提にしたリフトアップなので今でも十分に楽しめますよ」という。
すなわちドレスアップが目的のリフトアップではなく、リフトアップの状態でも安定して走ることが可能であると。
その手法としては、プロコンプの6インチキットを使い前後6インチリフトアップ。プラスしてブレーキホース等もしっかり交換されていたりするし、それに伴いワイドフェンダーが装着されボディとのバランスが取られているが、装着されているタイヤが305/70/16インチというサイズチョイス。
それを聞いて俄然興味がわいた=タイヤサイズを見ても仰々しいドレスアップが目的ではないことがよく分かる!
くわえて、マフラーがノーマルである(笑)。オラオラ系ドレスアップが目的であれば当然、ボーボーうるさいマフラーを装着しているはずである。が、その形跡が皆無であり、その他エンジン等を見ても非常に地味なタホそのもの(笑)。さすがはエイブルさん。
で、早速試乗させてもらった。まずは22年前の車両で走行11万5500キロ走行の個体であるが、かなり調子がいい。特にミッションとエンジンには何ら違和感なく軽々走るし、エアコンも驚くほど効くから10万キロオーバーの車両であるという実感がわかない。
これまた聞けば、「つい先日まで普通に乗っていた車両です」ということだから、中古車としてずっと置きっぱなしにされていた状態ではなく、適度に走らせていたからの調子の良さなのだろう。
もちろんインテリア各部には10万キロオーバーのヤレは感じられるが、メカニズム関連の不安が感じられないのは嬉しい。
またリフトアップであるが、先に結論を言ってしまうとそれも非常に滑らかかつしっかりした走りであった。
まず、カスタムカーにありがちな機械的なミシミシガタガタといった低級音が全くない。ステアリングを切ってもギーギーなることもないし、全く普通に走る。くわえてステアリングがよく切れるし、反応もめちゃくちゃ鋭いから乗っていて不安要素がない。
いや、強いて言えばワイドフェンダー分の車幅感覚が小一時間の試乗ではつかみきれず、100%安心しては乗れなかったが、それは時間が解決するだろうからオーナーになれば全く問題はないだろう。
ブレーキも、まるで通常のタホよりも効く感じがするくらいかなりしっかりした感覚と制動力を感じさせてくれるから、これまた不安視する部分ではないし、6インチアップしたことにより見晴らしの良さやそれに伴う運転のしやすさは特筆ものであり、にもかかわらず前後のピッチングや左右にフラフラするヨーイングもほとんど感じられることがないから、乗っていてかなり楽しい(笑)
5.3リッターV8とはいえ、今時代のエココンシャスなエンジンと比較すれば驚くほどの低速トルクが感じられるから街中でも楽しいし。
リフトアップにもオラオラ系を感じる部分が皆無であったから不快感が一切なかったし、本当にタホの足を上げたのみ、それ以外一切のノーマル車両だった。
ということで、足以外フルノーマルのタホであったことが最大のポイントであり、まずは個体のメカニズム的な不安がほぼ感じられないということが最大のウリで、足も前オーナーのクセや好みが満載のリフトップではないから、この年代のタホに乗ってみたいと思うのであれば、一度実車を確認してみると良いと思う。
他店で扱われているこの年代のタホと比較をしても個体の状態はかなり優れている部類に属するだろうから。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES