TEST RIDE

[試乗記]

ガレージダイバンに展示されている奇跡のV8コマンダーに試乗

2007 ジープ コマンダー

2006年発売開始で2009年日本国内販売終了のD車

新車から中古車に至るまで、ブランドや年式問わず良質車を扱うガレージダイバンにて、V8搭載の三列シートSUV・ジープコマンダーに試乗した。

更新日:2019.11.05

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ガレージダイバン TEL 03-5607-3344 [ホームページ] [詳細情報]

デビューする時代を間違えた稀代の名車?

 このクルマのデビュー当時は、マスタングが復刻し、チャージャーや300Cにマグナムといったいまだ現役バリバリの人気車たちがデビューした頃と重なっているから、正直、あまり良いイメージがない。

 しかも当時のジープ系車両といえば、ラングラーすらあまり評価が高くなく、日本での人気もそれほどだったと記憶する。個人的にも、コマンダーの広報車両に乗っていた記憶があるが、「何てことないSUV」という感じだったと思う。

 というか、申し訳ないが、乗ってまともに何かを感じようとすら思わなかった。2006年当時のジープに対してはまさにそんな感じだった。

 それから数年が経ち、ラングラーには4ドアのアンリミテッドが登場しており、フォードからFFのエクスプローラーがデビュー。世の中全般がSUV一辺倒になっていくと、同時にアウトドアブームと重なって、SUV&ミニバンたちが世界中の車両販売の中心になっていった。

日本では2006年から2009年まで販売されていたジープコマンダー。パっと見はセブンスロットルグリルを含めジープ一族の車両だと認識できるが、よくよく観察するとかつての名車、グランドワゴニアの復刻デザインモデルとも思えてくる。それほど味わい深いデザイン。

いまだに大人気のジープグランドワゴニア。1991年まで生産されていた名車。コマンダーにはこのデザインが引き継がれた可能性を感じさせる。

ボディサイズは、全長×全幅×全高=4795×1900×1830ミリ。

デザイン的な魅力もさることながら、実際に走らせたときの高い満足感がコマンダーにはある。本気で「デビューが10年早過ぎた」と思える逸品である。

日本発売は2006年から2009年の四年間

 その頃には、ジープブランドはラインナップから一新され、車両の質感やレベルも格段に向上しており、それと同時にジープ系ブランドの旧車に対する世の評価も変わっていき、その流れは2019年の今なお続いている。というかジープブーム真っ只中である。

 そんな時に2007年型のジープコマンダーが入荷したという。つい先日下取りに入ったということであり、不動車や過走行車ではないというから驚いた。走行距離が約3万4000キロのディーラー車である!

 とはいえ、すでに12年前の車両であるから、あまり期待はせずに現場に向かった。

 さて、ジープコマンダーであるが、2006年から日本で正規販売が開始されている。そして2009年に販売終了ということで、実質4年間のみの販売だった。

 当時の販売グレードは、4.7リッターV8SOHCエンジンと5.7リッターV8HEMIの2種類であり、後者の販売価格が700万円越えということで、4年間の短命に終わった理由のひとつであろうと思う。当時のジープブランド車にしては、衝撃的に高価だったから。

搭載される4.7リッターV8SOHCエンジンは、231ps、最大トルク41.8kg-mを発生させ、5速ATと組み合わされる。パワーはそこそこだが、フィーリングが最高。現行ジープのラインナップにはグラチェロ系にしか存在しないV8エンジンを搭載していることだけでもオススメ。

質感レベルでいえば、「やっぱり2006年車だな」とは思えてしまう。が、右ハンドルのクセはほとんどなく、ブレーキもよく効き、ステアリングもよく切れるから、運転に関する重要な項目にあまりマイナスがないのがコマンダーの特徴である。

実走約3万4000キロ以内のディーラー車ということで、非常に良好なコンディション車だった。

サスペンションは、フロントが独立懸架式、リアは5リンク式。またステアリングシステムにはラックアンドピニオンが採用され、オンロードでのハンドリングと乗り心地の向上が図られている。

ワゴニアを彷彿とさせるボディデザイン

 今回の取材車は、その前者となる4.7リッターV8SOHCエンジン搭載モデルである。

 超久々となるコマンダーの実車。改めて今見ると、驚くほどいい。まず、デザインが素晴らしい。フロントマスクはセブンスロットグリルを持つジープ歴代車に通じるものだが、全体のシルエットが何となくワゴニアに見える。

 2006年当時、世は復刻ブームだっただけに、ジープもワゴニアデザインの復刻版としてコマンダーを製作したのかもしれない。

 しかも、ジープモデルでは稀有な3列シートを持つ余裕の居住性の持ち主。プラスV8エンジン搭載ということなのだから、直4、V6がメインの今の時代に登場していれば、もっともっと売れただろうし、ジープのフラッグシップとしてオフロードSUVの頂点を狙えた存在だったかもしれない、とつくづく思うのである。

 個人的には、このデザインの魅力がコマンダーの価値の5割を占めていると思う。さらにV8エンジンであるということが2割、そして実際に運転したときの満足感が3割を占める。

 それほど運転していて快適かつ心地良い存在だとは、当時はまったく気づかなかったのである。

オートスティックの5速ATは、シフトレバーを左右に動かすことでマニュアルシフトが可能。またローレンジ4WDモード(センターデフロック状態の直結低速4WD)への切り替えは電子制御方式で、シフトレバー横にあるT字型のスイッチで行う。ローレンジ4WDモードは、極端な悪路(ガレ場)、渡河、砂地、深雪などの緊急脱出用モードで、オフロード/クロスカントリー4WDとしての必須機能である。

レザーシートは大柄で座り心地はラグジュアリーSUVのごとき。レザーの状態もヤレは少なく、コンディションは非常に良い。

リクライニング可能な2列目シート。中央のシートにドリンクホルダー付きの肘掛が収納されており広い空間が確保されている。また、2列目、3列目ともに座席は可倒式でフルフラットにすることが可能。

リアウインドーからの視認性が個人的には気になるものの、それ以外は乗っていて嫌な部分がまったくなく、V8エンジンの分厚トルク感を含め非常に楽しい存在だと新たに発見したのである。それにして状態の良い中古車だった。

今の時代に通用する驚きの走行性能

 搭載される4.7リッターV8SOHCエンジンは、231ps、最大トルク41.8kg-mを発生させ、5速ATと組み合わされる。この5速ATは、オートスティックの5速ATであり、シフトレバーを左右に動かすことでマニュアルシフトが可能なAT。とはいえ、40kg-mを越える巨大なトルクによって、街中を非常に気持ちよく走らせる。

 オフロード走破性のベースであるシャシーは、モノコックに強靭なラダーフレームを埋め込むというジープ特有のボディ構造であり、今乗ってもめちゃくちゃシッカリしている。

 事前に、「結構ガチャガチャしたオフ車」というイメージを持っていただけに、驚くほど硬質なボディと巨大なトルクで悠然と走らせるその走りに、そして非常に静かな室内の遮音性に、驚きと感動を覚えたのである。右ハンドルも問題なし。ブレーキもまったく普通に効くから、ネガティブ要素がほとんどない。

3列目にもエアコンのコントローラー、ドリンクホルダーなどが装備されている。

ジープ初の3列シート車ということで、頑張った形跡は多分に見えるものの、3列シートを使用すれば、ご覧のようなリアの荷室は致し方なし。

リアゲートは、リアウインドーのみの開閉も可能になっている。

ジープ初の3列シート、7人乗SUVで、シートは1列目、2列目、3列目になると順に高くなるシート配列が採用されている。2列目以降はルーフも高くなるが、外観では天井が高くなっていることが分らないようにデザインされているのが面白い。

今の時代だからこそ逆に映える

 同時に、「ステアリングの切れないジープ」という思いもあったのだが、この手のサイズのSUVにもかかわらず最小回転半径が5.6mと小さく、非常に小回りが効くことにも驚いた。

 すなわち、これまでジープ車に対して抱いていた負のイメージがまったくなく、「こんなに良いSUVだったのか」と改めて感心したのである。

 とはいえ、好みにあわない部分がなかったわけではない。それは、リアウインドーの視認性。あくまで個人的な運転スタイルに合わないということであるから、まったく気にしない方もいるはずだが、とにかくリアの視認性が悪い(笑)。

 それは、ジープ初の3列シートとして採用されたシート配列のせいでもある。1列目、2列目、3列目になるほど着座位置が高くなるシート配列がなされており、それに比例して2列目以降は天井も高くなるよう設計されており、だからリアウインドー前には常に3列目シートのヘッドレストが見える。

 もちろん、大きいサイドミラーで後方確認は可能だから問題はないが、ちょっと気になった部分ではあった。

 それ以外には、ジープらしいオールドテイストなスタイリングにV8エンジンが搭載され、非常にシッカリしたボディと足が組み合わされ、さらに中古車としても驚くほどクリーンかつ走行距離が少ないという事実を鑑みれば、この手のオフ車を好む方々には最高レベルの一台ではないかと本気で思うのである。

 しかも、このデザインとV8エンジンの組み合わせという、歴代ジープ車の中でもレアな存在ということにも惹かれるし、本家ワゴニアにはないメカニズムの安定感&安心感もあるわけで。

 もちろん、ジープ本来の悪路走破性の高さもあるから、かつてのフラッグシップモデルは、ジープブームである今だからこそ、映える存在とも言えるのである。

ボルト留めの台形オーバーフェンダー等、いかにもジープ車らしいタフでワイルドなテイストを演出している。

純正ホイールが装備されているのも嬉しいポイント。コマンダーには大径よりもこのまま純正ホイールの方が雰囲気を壊さず良いと思える。

まったくの余談だが、「ジープグランドワゴニア」の復刻が噂されている。上記イラストのように、現代版デザインにウッドを配したモデル。あくまで予想だからその真偽は不明だが、ジープというのはあくまでオールドテイストが魅力だと思うだけに、新ワゴニアが成功するとは現段階では思えないのだが。

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