ダッジブランドの中で、いち早く現代的なマシンに進化を遂げたダッジチャレンジャー。その最新モデル・ダッジチャレンジャーSRT8 392は、パワー、スタビリティ、ハンドリング、ブレーキングおよびスタイリングにおいて、世界中の後輪駆動車の規範となるべくマシンに進化したのである。
伝説的なエンジン392キュービックインチ=6.4リッターエンジンは、470馬力、最大トルク470 lb-ftを発生させ、いかなる回転域においても潤沢なトルクを提供してくれる。そしてアクセル開度に即応した最高のレスポンスをもたらしてくれる。このエンジンには、オートスティック付き5速ATが標準で装備されるほか、2008年モデルからバイパーに搭載れたTremec TR-6060 6速マニュアルが、ヘビーデューティクラッチと共に用意されるという。
またハンドリングも劇的に進化を遂げた。それまでも比較的レスポンス良く反応していた足回りがさらに向上し、ステアリングの切れ、レスポンス、入力の応答性などすべてにおいて良くなっているというのである。
<主な進化>
・通常のSRT8に搭載される6.1リッターHEMI V8から6.4リッターHEMI V8に変更され、6.1リッターと比較すると90lb.-ft. ものトルクアップ。
・ハンドリングを良くするために、ショック変更とサスペンション周りの変更。
・コーナリングバランス、ステアリングレスポンスを良くするためにステアリングレシオやキャンバー角等を変更。
・強化ステアリングポンプ使用でステアリングフィールを向上。
・Mopar Quad Exhaust使用で排気音とリアスタイルにアクセント。
・フェンダーと一体化のフロントスプリッターで高速走行の空気抵抗の軽減。
・20インチホイール採用%&大径ブレーキ
このチャレンジャーは、ダッジチャレンジャーSRT8 392の発売を記念して造られたInaugural Edition。実に1492名のオーナーだけが手に入れられるスペシャルマシンである(アメリカ国内1100台、カナダ392台割当)。このInaugural Editionのボディカラーは2種類あり、ブルーベースにはホワイトストライプ。ホワイトベースには、ブルーのレーシングストライプが標準で描かれている。ASDNによって持ち込まれた1台は、ホワイトベースの車両であり、シートも同様にホワイトベースのレザーシートにブルーのストライプが描かれた専用品となっている(ブルーにステッチングされた非常にお洒落なものだ)。
これまでのチャレンジャーの中で、唯一にして最大の不満点だったインテリア。この392に生まれ変わることによって若干のリメイクがなされている。まずレザー巻きの3本ステアリングに変更され、インパネの造形やマテリアルも変更され、メーター内にはマルチメディアインフォメーション機能を持った各種ゲージがもたらされている。丸形の4連メーターもスポーティな印象をもたらし、若干ではあるが旧型からの素っ気なさは解消されたといっていいだろう。現車は、すでにオーナーカーとなるべく、「HURST」製のシフターに交換されるなど機能性や雰囲気を上げるべく手が加えられている。
試乗車はオートスティック付き5速AT車。すでに慣らしを終えているということで、日本上陸第一号車を全開にできるチャンスである。
ダッジチャレンジャーは相変わらずのカッコ良さである。試乗車は、Inaugural Editionということで、純白ボディにブルーのレーシングストライプが非常に派手だなぁという第一印象。だが、そのホワイトが他の「白」とは何となく違う品の良さを感じさせ、野蛮な「アメ車」という印象は一切ない。レーシーな雰囲気というよりは、どちらかというとセンスの良さを感じさせるのだ。試乗場所が横浜界隈だったが、持ち前の品の良さで街中にも馴染み、硬軟どちらにも対応できる柔軟性を一層感じた次第。まぁ余談だが。
さて出発。まず驚くのがボディ剛性の高さ。これまでアメ車に対する「ボディ剛性」というワードは、あくまでも「アメ車枠」の中で使っていたものだが、このチャレンジャーは、たとえばベンツやBMWが相手でもまったくビクともしない、猛烈な高さ(まるで金庫)が体感できる。ちょっとビックリするくらいのレベルである。足も相当固められているが、ボディが強固なので微塵もぐらつかず、路面の凹凸も何事もなかったようにいなす。このボディ、超高速でのスタビリティや安定性にもかなり寄与しているはずである。
そしてさらに凄かったのが、エンジン。もの凄いパワーで瞬時に高速移動を可能にする(あくまで体感で)。それはほとんど空母から射出される戦闘機のごとし。正直、慣れないうちは目も心も追いつかない。そしてこの超エクスクルーシブ感に伴ってドライバーの脳天を直撃するアメリカンV8のビートと咆哮。ずっと2速で走っていたい衝動に駆られるほど独特なものだ。試乗時間は約一時間程度だったが、飛ばしている時は頭の中が真っ白のなるくらい、そして一時間があっという間な時間に感じられるほど、痛快なものだった。
同行していただいたオーナーさんいわく「友人の乗る6.1リッターと競争しましたが、まったく相手にならないですし、ボディそのものが異なるのではないか? と思うほど造りの違いを感じます」とのこと。
筆者も驚きの「違い」だった。6.1リッターには3度ほど試乗した経験があるが、正直「モノが違う」。ほぼ同じカタチをしているが、6.4になり補強や各部の見直しが相当なされているという印象だ。なので付け加えるとするならば、「これから6.1リッター購入を検討するなら、絶対に6.4を買うべきだ」
車重は、お世辞にも軽いとは言えないが、それでも二回りほど小さく軽いボディの持ち主と同じような軽快感と機敏なハンドリングをもたらし、圧倒的なパワー&フィールでドライバーを楽しませてくれる。一瞥して、エクステリアには、劇的変化をもたらした感は少ないが、だが中身はまったく別物といって良いほど進化している2011年型ダッジチャレンジャーSRT8 392。
これまでのチャレンジャーには、「チャージャーでも300Cでも同じでは?」との声も正直あったが、この392の登場によって、バイパー生産中止後のダッジ最高峰マシンとして君臨することが確実である。
283,800円
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183,250円
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