程度良好なC2を見ると、やはり当時のアメリカ車のデザイン力の高さとスポーツカーとしての進化を感じざるを得ない。C1をひとことで表現すれば「華やか」「流麗」。だがC2を表せば「先進」「先鋭的」となるだろうか。
タキシードブラックと名付けられたブラック一辺倒の64年型C2コルベットコンバーチブル。
C2は、1962年に日系デザイナー、ラリーシノダによるアグレッシブなスタイルの試作車が発表され、翌1963年にデビュー。あわせてスティングレイのセカンドネームが与えれ棘を得た2代目モデルは、次々に強力なエンジンを手に入れ、レース活動を活発化させていく。
すなわち、走るために各部が強化されているモデルでもあり、そういうわけだから、たとえばヴィンテージカーとして考えた場合、C1よりも走りに関するパーツの余裕が多いという。だからこそ、日本での旧車愛好家においては、「愛でるC1、走るC2」といった合言葉的なものがあるといい、実際にC2あたりをベースにドラッグマシンを製作している方々もいるほど。
そんな第2世代となるコルベット、いわゆるC2コルベットは、モデル概要的には、かなり短命に終わっている。1963年から67年の実質5年という短さである。
くわえて、アメリカ的なデザインといよりは、近未来的な先鋭的なデザインが特徴であり、だからこそ今コイツを手に入れるには、数の少なさが引き起こす忍耐力が必要となる。
ちなみに、この車両、すでに売約済ということであしからず。だが、BCDには1965年型の同コンバーチブルが在庫されている。
なお、1963年型から1967年型の5年間のみ製造されたC2コルベット生産台数は以下の通り。
・1963年式:2万1513台
・1964年式:2万2229台
・1965年式:2万3564台
・1966年式:2万7720台
・1967年式:2万2940台 の計11万7966台
ちなみに、そのうちコンバーチブルが7万2420台を占めるから、全生産台数の約2/3がコンバーチブルと考えられる。余談だがだからこそクーペはより貴重な存在となる。
なお、この個体の特徴としては327V8エンジンが搭載され、パワステ、パワーウインドー、ノックオフアルミホイール付きでオプションの4MTが奢られている。この時代2速ATか3速MTが標準だったから、4速MT自体もレアと言っていいだろう。
正直ここまで原型をとどめている個体は初めてである。かなり小さいボディに塊感ある近未来的なデザインは近くで見ているものに緊張感を与える。それほど美しい。しかもくわえられているレストア作業に違和感を感じる部分がまるでなく、BUBU VINTAGE の目利きの高さをうかがわせるのである。
当たり前だが、フルレストアされていない車輌は、たとえばC2の場合だと、すでに50年以上の経年劣化で各部にヤレや破損が発生すると考えるのが普通である。
すなわち製造されて50年以上を経過=「半世紀以上」となるので、すべての自動車部品の耐用年数を大幅に超えているのがその理由である。
だからこそ、安易なレストアは不安要素を増すばかりであり、各部のコンディションの見極めのできる目利きが必要になる。
BUBU VINTAGE は、日本人による目利きの確証を得た個体を販売しているからこそ(オーダーは受け付けていないが、歴代コルベットに関しては常にアンテナを張り巡らせているから)、気になる方は一度足を運んでみるといいかもしれない。
ここ数年、ヴィンテージカーの市場における価格は高騰の一途を辿っている。アメ車の場合、フェラーリなどの欧州車と比べればまだそれほどでもないが、一部のスポーツモデルにおいては確実に高騰してきており、この流れはこの先も変わる事はないと思われる。
しかし、現時点であればまだアメ車のヴィンテージカーは一般の人でも手が届くギリギリのラインを保っているので、興味があるなら早めに行動を起こしたほうが得策である。
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