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[試乗記]

V8エンジンを搭載したCJ-7はアメ車らしい迫力の存在

1978 AMC CJ-7 ゴールデンイーグル

アメリカ独立200周年を記念したゴールデンイーグルも似合う

「CJシリーズ」と聞くだけでアレルギー反応を示していた筆者だったが、実際に乗ってみると旧ジープに多くのファンが存在していることに納得するのであった。

更新日:2020.11.03

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

ジープと言えば「CJ」シリーズ

 ここ最近のジープラングラーしか知らない方には、なんのこっちゃ、かもしれないが、その昔、ジープラングラーにV8エンジンを搭載していたモデルが存在した。
 
 正確にはその当時はラングラーではなくCJ-7と呼ばれ、メーカーも現行のFCAジープではなくAMCだった。

 筆者もじつはこういった年代の話はあまり好きではない。昔のジープに関する話をすれば超マニアックな方々がたくさんいて、しかも知らないことが多すぎてまともに話ができないからである(雰囲気でアメ車に乗るタイプなんで)。

 だから筆者もどちらかというと現行型人間なのだが、つい先週、エイブルにCJ-7が入荷したということで、少しだが乗らせてもらった。

 車両は1978年型で5リッターV8エンジン搭載。3速オートマにフルタイム4WDのソフトトップ仕様。ボディカラーはガンメタで、なんとボンネット一面に白頭鷲のデカールが貼られている。

 聞けばCJ-7ゴールデンイーグルというモデルで、アメリカ独立200周年を記念したモデルだった。パっと見「めちゃくちゃ派手だな」とは思いつつも、しばらく見ていると「めちゃくちゃカッコイイ」に変わり、しかも「V8エンジン搭載でアメ車らしい」と乗る気マンマンになった。

1978年型で5リッターV8エンジンを搭載。3速オートマにフルタイム4WDのソフトトップ仕様。ボディカラーはガンメタで、ボンネット一面にゴールデンイーグルのデカールが貼られている。この車両は85年に日本に輸入されていたとのこと。

ソフトトップの状態も良く、雨の日の走行も上々。とはいえ視界が良くないからハードトップを入手したほうが、いいかもしれない。それにしても、フルオープンで走ったら、さぞ気持ち良いだろう。

現存するレアなゴールデンイーグル

 この車両、エイブルが販売車両とするために購入し、取材前日にお店に届いたばかり。だが、そのままテスト走行して状態を見極めつつ、フルノーマルの車両ではないから個体に使用されているパーツや状態および車両の履歴等を確認している最中であった。

 もちろん、42年前の車両だけに完璧な状態ではないが、CJ-7の、しかもゴールデンイーグルとなれば、現存しているだけでも珍しいということで、この先しっかり仕上げていくという。アメリカにはこういった旧ジープのパーツが山ほどあり、いくらでも手に入るというし。

 「エンジンは調子いいよ、足回りは若干リフトアップされていて結構シッカリしてる。生憎の雨だけど、ソフトトップはひび割れや破損がほとんどなく、また生地自体も硬化しちゃって使えないものが多い中、この車両はかなりシッカリしてるんだよね」ということだ。

 ちなみにCJの意味は「C=CIVLIAN(民間)でJ=JEEP、そして数字がモデルナンバー」ということになり、1944年から始まったCJ-1に続くCJシリーズ最後のモデルがCJ-7(1976-1986)ということになる。

状態の良いゴールデンイーグルのデカール。恐く貼り直されている。ゴールデンイーグルは78年、79年のみ生産されていた。

搭載されているエンジンは5リッターV8。当時126hp、最大トルク218lb-ftを発生させる。個体のエンジンは42年前のものだが、大きな改造もなく、比較的状態の良いものだという。

車体はリフトアップされ、足回りは固められている。人気の大径タイヤが装着されていないから、オフを走る物知りな前オーナーだったかもしれないと、イメージしできる。

前後オーバーハングにホイールベースも短い車体がもたらすゴーカート感覚の操縦性。それにV8エンジンが搭載されているのだから、唯一無二の面白さが体感できる。

とにかく刺激的だった!

 さらにもうひとつ。「ウィリス」から始まり「カイザー」→「AMC」→「クライスラー」→「ダイムラー・クライスラー」→「FCA」という流れの中で、CJ-7はAMC時代のものとなる。

 さて試乗。「カッコイイ」とは思ったものの、まったく初めての試乗であり、リフトアップされているから、まずシートに座るまでが一苦労。シートはバケットタイプに換装されており、シートベルトは4点式が装備されていたが、しっかり座ってベルトまで締めると、ステアリングまでは手が届くが、ウインドーまでは手が届かない(笑)。

 というのも、走行中、想定はしていたが、ウインドーが曇り出す。ヒーターは稼働しているものの、すべてのコックピットドリルを学習するまでもなく出発したため、しかも4点式ががっちりハマっているため、くわえて最近特に酷い老眼もプラスして、曇りを解消する方法に戸惑った。

インテリアは比較的ノーマルに準じる状態が維持されていた。シンプルかつ機能性に溢れたコックピットといった感じ。

それでいて、こうしたメカニカルな雰囲気で満たされているからたまらない。現状、メーターの8割が稼働していた。

V8エンジンに組み合わされる3速ATは、CJシリーズ初のオートマチックミッションでもあった。

このクルマが与えれくれる刺激は感動もの。もうこれは完全にアメ車だと断言していいと思う。

小一時間も走れば完全なる虜に

 が、少々走って徐々に慣れると、人がなぜラングラーにV8を望むのか、がわかったような気がする。とにかく刺激的だ。野太く、低音で腹にまで響く独特のV8サウンド、旧マッスルカーと同じような感触やニオイ。だが、その走りは全く異なる。まるで背の高いカートのような俊敏さ。これほど軽快に走るV8搭載モデルがあっただろうか。

 いやステアリング自体には若干遊びがあるが、普段乗り慣れているアメ車の感じとは全然違うから、乗っていて非常に面白い。

 搭載される5リッターV8エンジンは、当時で126hp程度と言われているからそれほどの大パワーではないが、車重が1200キロ台というから、「まあまあ速い」。

 この車両のデビュー当時では「かなり速い」部類だったらしいが、現代の交通事情ではたかが知れている。が、それでもV8エンジン特有の刺激が、この小柄なマシンを何十倍にも魅力的に輝かせる。

 ショップから取材場所に向かう道すがら、現行型ラングラーとすれ違った。恐く向こうはまったく気にもとめていないだろうが、コチラは曇る窓ガラスを拭きながらも、溢れんばかりの優越感に浸っていた。そう、小一時間も乗れば完全なる虜であった。

 本来なら完全なるフルオープンで楽しむものなのかもしれないが、ソフトトップをしても十分に楽しいし、エイブルではサードカマロで有名だが、一方でカイザー、イーグル、ワゴニア等の旧ジープ車両を扱っており、そうした利点を生かした仕上げによって生き返ること間違いない。

 V8エンジン搭載のCJ-7は、旧アメ車系マッスルカーや現代のジープしか知らない方には、まるで異文化交流のような素敵な体験を与えてくれるのである。

レザーのバケットシートに4点式のハーネス。ちょっと大げさかと思いきや慣れればかなり快適だった。ちなみに乗り降りも慣れるまでは大変だった。

フロントウインドー下部のダッシュボードの幅がほとんどないのがわかる。

センターコンソールにあるメーター類。視線の先に、もしくはフロントの視界の中にメーター類がほとんど見えないから、最初は違和感だらけだった(笑)。

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